はてなばばあ

気まぐれに自分メモ的に書いてます。

美術館レポ(自分の覚え書き)

2011年05月12日 | 旅行
先月、ちょうど狙ったかのように陶芸関係の展示会イベントの時期が重なっていたので行ってきた。
まずは、三重県四日市市「パラミタミュージアム」にて「ルーシー・リー展」へ

日曜美術館で初めて知ったイギリス在住だった陶芸家ルーシー・リー
もうすでにお亡くなりになってますが、かなりのお歳まで現役で活躍された女性陶芸家で日本でもファンは多いらしい。今では影響を受けた作家も多いんじゃないかな?当時としては画期的だったカタチと色は、今みても新鮮で美しい。計算された美。素焼きをしないでいきなり本焼きをしていたというのには、びっくりした。そして、銅版画を彷彿とさせるような線描は、針をつかっていたらしいが、すごく美しい!なので、作品自体もとても良かったのだが、上映されていたビデオで、本人が実際にロクロを回す様子や笑ってる様子などが映っていて、それがとてもチャーミングで魅力的だった。晩年の撮影だから、すっかりおばーちゃんなんだけど、すごくカワイイのだ!日本のいわゆる陶芸家とは全然違う雰囲気。工房の様子も何もかも。後で本を読んで知ったことだが、まあいろいろ気むずかしい面もあったみたいだが、美人だしモテただろうなあ。容姿が良いってのも才能のひとつだよな。って正直な感想。

で、その展示を見終わった後、そこの美術館の常設展示コーナーにフラッと入ってしまった。
すると、そこには何とも異様な?何とも奇妙な?いや、言葉で表現するには言い難い圧倒的な存在感を放っている焼き物がびっしり並んでいたのだ。
それは池田満寿夫の般若心経シリーズの作品群だった。

あ!これ!日曜美術館で見たことある!これだったのか!
・・・・うーん・・・・

圧倒的な存在感。粘土をぐにゃっとさせただけのようなカタチ。重量感。般若心経の文字を刻印した作品や仏像が埋まってる塊。陶芸家じゃないからね。彼は。素材として選んだのが粘土だったんだよね。でも、ちゃんと完成してる。そんな作品だった。

その帰り道、ルーシーの作品の感想が吹っ飛んでしまい、頭の中は満寿夫で埋め尽くされてしまった。

そして、その数日後、静岡市美術館「ハンス・コパー展」に行ってきた。

ハンス・コパーは、亡命者としてイギリスに渡りルーシーのところで陶芸を学んだ人である。のちにコラボして発表した作品とかもあるが、それもいいけど、彼独自の世界を作り上げた後期の作品がとても好きだ。もちろん陶芸の技術的なことは自分は全然わからないのだが、彼の作品は、すべて実用的に作られていたというが、地肌、カタチ、陶芸の枠を超えた彫刻を思わせる美しさ、存在感に満ちあふれていた。

ブランクーシやジャコメッティが好きだったように、陶芸という素材で何か自分の表現したいことを追求していた人なんだと思った。
わけもなく涙があふれるようなそんな作品だった。

偶然なのか?必然なのか?年に数回しか都会に出る機会のない自分が体感してこれたチャンスに感謝。

今の自分にできることは、観ること、聞くこと、読むこと。
そして徐々に何かを作っていきたい。挑戦は、はじまったばかり。
手段としての陶芸、木工、素材は何でもいいのだけれど。

ああ、やりたいことがたっくさんある!
まだまだくたばるわけにはいかないのだ