日頃は、あまりテレビを見ないのですが、昨夜は、午後8時頃からマスターズゴルフを、続いて映画「シッコ(SiCKO)」と4時間もテレビ漬けとなったため、今朝は目がショボショボしています。
マスターズゴルフは、米国社会の光の部分を、映画は、米国社会の影を写しているようでした。
昨今、掛け金が払えず保険証を取り上げられたり、医師不足で地域医療が崩壊するなど、わが国でも医療問題が深刻化していますが、「シッコ」が描く米国のそれはより深刻です。
・仕事中に誤って指を2本切断。中指は6万ドル、薬指は1万2千ドルかかると言われ、中指の手術を諦めざるを得なかった人。
・交通事故にあい、意識不明のまま救急車で病院に運ばれた人が、「事前に連絡がなかった」として、保険会社から搬送費用の支払いを拒否された人。
・入院治療費が払えずに病院を追い出され、貧民街に捨てられる重症の女性患者。
・9.11のグランドゼロでの被災者の救出で「英雄」と賞賛されつつ、高額な医療費のため治療が受けられず、深刻な後遺症に苦しむ消防士やボランティアの人々。
映画が暴く米国の医療事情は、カナダ、英国、フランス、日本など、国民皆保険の下で暮らす人々には、とても信じがたい現実です。
先にご紹介した堤未果著「貧困大国アメリカⅡ」の帯に記された「日本の近未来を暗示する」とのキャッチを思い出しながらの視聴でした。
「シッコ(SiCKO)」の映画評は、こちらにあります。