気まぐれ日記☆着物の小部屋

2007年耳下腺癌の手術で顔が変わり、生活が一転。街歩きと着物と芝居のブログをどうぞ宜しく♪

号泣!!

2008-02-08 12:54:28 | 病気・後遺症
 お出掛け記録を書こうとブログを開いたのですが、

手術一年目の今日この頃はどうしても感傷的になってしまいます。

今まで書けなかった事、

人の感情は思いもかけずに爆発するということ書きます。



またまた病気関係の話題ですが、しばしのお付き合いを




私の入院した病院では精神面のケアのためもあり、

時々コンサートが開かれます。

週1回はピアノのミニコンサート、その他時々、カンツォーネ、

オペラ、琴とバイオリンの競演などのボランティア・イベントがあります。

 集中治療室から出て5日目、まだ点滴台を転がしながら、

ヨタヨタ、ヨチヨチ歩いていた時期に

コーラスグループ「サーカス」のコンサートがありました。

メンバーの一人の奥様がこの病院でお世話になったことがあるとの事で、

このイベントは入院患者や家族の皆さんとても楽しみにしていました。




当日は広いロビーにイスを出し、大勢の病院関係者、病院ボランティアが

患者の手助けをし、良い状態で聞けるよう配慮しています。

私は始まる直前に行ったのですが、すぐ席に誘導され、

ゆっくり楽しむことができそうでした。




メンバーは、女性はピンク、黄色の衣装、男性は黒のタキシード姿で現れ、

世の中の会場で見るよりも一層華やかで鮮やかで美しかったです。

でも私は不安でした!

手術後、片耳が聞こえなくなり、音楽を楽しむことができるのか???

 コーラスの第一声!びっくりしました


美しいハーモニーは頭蓋骨に響くんですね

方耳が聞こえないのを補うように頭蓋骨が共鳴し、

立体的な音が聞こえる!

感動でした

まだまだ音楽を楽しむ能力が残っている!!

嬉しかったです。



そのうちボロボロと泣けてきました。

特に、新しい道を勇気を持って切り開こう!新しい未来が待っている

(超意訳です)という歌の時には、周囲の患者さんも泣いていました。



だんだん嗚咽をこらえる状態になってきました。

このとき、白衣を着た方から「点滴が終わってますがどうしますか?」

と声をかけられ、コンサートの途中でしたが病室に戻ることにしました。

実は、感情が激して、会場にいられる状態ではなくなってたのです。

感激、感動が過ぎると失ったものへの思いがこみ上げてきていました。

歌を歌うこと、ニッコリ笑うこと、傷の無い顔・・・・全て失ったと思うと

やりきれなく悲しく、普通の状態でいられなくなりました。

逃げるように病室に帰り、ナースコール。

若い優しい看護士さんが来て、いつも元気な私が泣いているのに驚き、

「どうしたんですか?」と声をかけてくれた。

「失ったものが大きくて・・・」それだけ言って、

あとは号泣!!ワーワー泣きました!

こんなに泣くのは子供のとき以来!

恥ずかしさなんて無かったです。

その間看護士さんはずっと私の手を握って、「大丈夫よ」と

言い続けてくれました。

泣き止むまでずっと

優しい看護士さんがいてくれたおかげで救われました




そういえば癌宣告以来、一度もきちんと泣いていなかったのです。

涙がジワーッとにじむことは会ってもそれで終わり。

感情の爆発が必要だったようです。



それ以後、自分でも痛快なぐらい居直りました。

できないことはできない!でも・・・・



できないこと以外は全部できる

できることのほうが多い



よくありそうなことで、たいした出来事ではないのですが、

私の中では重要な出来事でした。

今まで書けなかったのは、つらいので書けなかったのではなく、

このことを書き始めると涙がボロボロ出て、

画面が見えなくなってしまうからでした。

一年過ぎて、ようやく書けました。

でも、画面が曇らない程度に、涙は出たんですよ

悲しいわけではないのにね。


長々とした文章、読んでいただいて感謝しています。



コメント (6)
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