お正月気分もぬけないまま、販売センターはオープンした
「こんな寒い松の内から、マンションなんて見に来る人なんているの~?」…と思いますが、ありがたい事にお客様はいらっしゃいます!
もう何物件か入っていると、同じ会社の物件で、同じ条件で探しているお客さんが、また違う物件にも来られたりして…、そこで
「あっ!○川さまっ!お元気ですか?赤羽でございます~。その後、お住まい探しはいかがでいらっしゃいますか~?たしか息子さんは、丸の内線をご利用なさっておられましたよね~、それでしたら・・・」
なんて、トークが出てきたら、かなり上出来!!
たちまち会話が弾んで、
「赤羽さんのお薦めだったら…これもご縁だし…じゃぁ」
な~んて事で、あっという間にご契約!!
とっても幸先のよい年始スタートでした!
あまりの忙しさに、2物件を同時に掛け持ちをしたりして、もう覚えることが混乱して、お客様に説明しながら、隣の模型を目で追いながら…
「1・2・3・4…13・14」と数え、
「はい、地上14階建て、地下1階鉄筋コンクリート造りでございます」
な~んて、答えることもしばしば…ギリギリセーフ…
東京の南の方の高級物件はスゴイ!
1億を越えるお部屋からサクサクと契約が入り、とても気持ちが良い!
「現金でお支払いしますので、自宅へDMや電話は一切送らないで下さい!」
などという怪しいおっさんもいて、いろいろと突っ込みたくなるが、それよりもトラブルなく契約が進んで欲しい・・と願うばかりだ
ご家族で来られて、すっかり奥様が盛り上がり、ほとんど契約段階になってから、…翌日にご主人がこっそり来場…
「実は、妻に秘密で200万円の借金をしていますので、どうか何か理由をつけてそちらから断って下さい」
と、懺悔の告白をされたこともある
元来、返済率というのは、一応年収の20%~30%位まで位となっているが、実際30%の返済というのは、かなりキツイ
コンピューター上では、返済可能・・・ということになるが、とても恐ろしくてお薦めできない
でも、返済上かなりシビアでも、数字の上でOKなら、銀行の審査にも通り、ローンが借り入れられることになってしまうのである
その頃から、私はこのマンション販売自体に少し疑問を持つようになった
その家族、個々のニーズにあったマンションを探してあげたい…
どこのデベロッパー(売主)にも属せず、その家族の要望を満たすマンション探しをしたい…
これが、私の将来の仕事の原型であるが、これはまた未来にお話しましょう!
さて、私の所属している所長がかなり強引な人で、若い夫婦にかなりキツイローンを組ませて販売しようとしている…
私は反対したが、一軒でも早く販売したい会社の方針としては、審査に通ればお客様も喜ぶのだから、『契約』に…と、強気だった
私は、どうしても納得できずで、最初の上司であったNさんにこっそり相談した
「僕なら絶対に勧めない。今から子供を育てて、お金がかかることがいっぱいなのに、せっかく買ったマンションのローンのせいで、大変な思いをさせるなんて、絶対に反対だよ。ボーナスだって、ずっとあるかどうかわからないし。あかばねっちが、正直にお客様にシビアな話を説明してあげて。もっと安い物件を紹介してあげなよ。もちろんうちの会社の物件ならベストだけど、お客さんに無茶はさせたくないよ。」
全く私も賛成だった
彼のこういう販売、こういう仕事ぶりが好きだった
結婚予定のカップルに結婚式の予定を聞いて、たくさんのカップルにお祝いのプレゼントを個人名で贈っていたのも知っているし、入居したお客さん一家に呼ばれて新居に遊びに行っているのも知っている
私は、そんな心を高める営業をしたいと思っているし、そういう彼が好きだった
結局、心配していたローンの厳しい一家の契約はキャンセルされ、私は上司からかなり厳しく指導を受けた
誰に怒られてもいい
ちゃんと私の仕事を認めてくれる人がいるもん
離れていても、逢わなくても、いつも私を応援している人がいる
いつもいつもどこかに彼の存在を感じていた
「大丈夫。必ずあかばねっちが助けたお客さんは、また違う形で返してくれるから。後味悪い仕事をするより、正直に仕事をすればいい。必ずわかってくれる人がいるから。僕はずっとあなたの見方だから。必ずあなたを守るから」
帰り道、とぼとぼ歩いていたら、空からささやきが飛んできた
・・つづく
「こんな寒い松の内から、マンションなんて見に来る人なんているの~?」…と思いますが、ありがたい事にお客様はいらっしゃいます!
もう何物件か入っていると、同じ会社の物件で、同じ条件で探しているお客さんが、また違う物件にも来られたりして…、そこで
「あっ!○川さまっ!お元気ですか?赤羽でございます~。その後、お住まい探しはいかがでいらっしゃいますか~?たしか息子さんは、丸の内線をご利用なさっておられましたよね~、それでしたら・・・」
なんて、トークが出てきたら、かなり上出来!!
たちまち会話が弾んで、
「赤羽さんのお薦めだったら…これもご縁だし…じゃぁ」
な~んて事で、あっという間にご契約!!
とっても幸先のよい年始スタートでした!
あまりの忙しさに、2物件を同時に掛け持ちをしたりして、もう覚えることが混乱して、お客様に説明しながら、隣の模型を目で追いながら…
「1・2・3・4…13・14」と数え、
「はい、地上14階建て、地下1階鉄筋コンクリート造りでございます」
な~んて、答えることもしばしば…ギリギリセーフ…
東京の南の方の高級物件はスゴイ!
1億を越えるお部屋からサクサクと契約が入り、とても気持ちが良い!
「現金でお支払いしますので、自宅へDMや電話は一切送らないで下さい!」
などという怪しいおっさんもいて、いろいろと突っ込みたくなるが、それよりもトラブルなく契約が進んで欲しい・・と願うばかりだ
ご家族で来られて、すっかり奥様が盛り上がり、ほとんど契約段階になってから、…翌日にご主人がこっそり来場…
「実は、妻に秘密で200万円の借金をしていますので、どうか何か理由をつけてそちらから断って下さい」
と、懺悔の告白をされたこともある
元来、返済率というのは、一応年収の20%~30%位まで位となっているが、実際30%の返済というのは、かなりキツイ
コンピューター上では、返済可能・・・ということになるが、とても恐ろしくてお薦めできない
でも、返済上かなりシビアでも、数字の上でOKなら、銀行の審査にも通り、ローンが借り入れられることになってしまうのである
その頃から、私はこのマンション販売自体に少し疑問を持つようになった
その家族、個々のニーズにあったマンションを探してあげたい…
どこのデベロッパー(売主)にも属せず、その家族の要望を満たすマンション探しをしたい…
これが、私の将来の仕事の原型であるが、これはまた未来にお話しましょう!
さて、私の所属している所長がかなり強引な人で、若い夫婦にかなりキツイローンを組ませて販売しようとしている…
私は反対したが、一軒でも早く販売したい会社の方針としては、審査に通ればお客様も喜ぶのだから、『契約』に…と、強気だった
私は、どうしても納得できずで、最初の上司であったNさんにこっそり相談した
「僕なら絶対に勧めない。今から子供を育てて、お金がかかることがいっぱいなのに、せっかく買ったマンションのローンのせいで、大変な思いをさせるなんて、絶対に反対だよ。ボーナスだって、ずっとあるかどうかわからないし。あかばねっちが、正直にお客様にシビアな話を説明してあげて。もっと安い物件を紹介してあげなよ。もちろんうちの会社の物件ならベストだけど、お客さんに無茶はさせたくないよ。」
全く私も賛成だった
彼のこういう販売、こういう仕事ぶりが好きだった
結婚予定のカップルに結婚式の予定を聞いて、たくさんのカップルにお祝いのプレゼントを個人名で贈っていたのも知っているし、入居したお客さん一家に呼ばれて新居に遊びに行っているのも知っている
私は、そんな心を高める営業をしたいと思っているし、そういう彼が好きだった
結局、心配していたローンの厳しい一家の契約はキャンセルされ、私は上司からかなり厳しく指導を受けた
誰に怒られてもいい
ちゃんと私の仕事を認めてくれる人がいるもん
離れていても、逢わなくても、いつも私を応援している人がいる
いつもいつもどこかに彼の存在を感じていた
「大丈夫。必ずあかばねっちが助けたお客さんは、また違う形で返してくれるから。後味悪い仕事をするより、正直に仕事をすればいい。必ずわかってくれる人がいるから。僕はずっとあなたの見方だから。必ずあなたを守るから」
帰り道、とぼとぼ歩いていたら、空からささやきが飛んできた
・・つづく