徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

日高理恵子<樹を見上げてVII>1993年

2006-02-01 | 美術
日高理恵子<樹を見上げてVII>1993年

展示室の壁の高い位置に飾られていた。冬の葉のない枝が一面に覆われている。フラクタルのように細い枝に分かれて空間を埋め尽くすように描かれた枝、枝、枝。懐かしい感覚に襲われる。まるで本当に冬の樹木を見上げているようだ。一瞬あまりに多い枝に吸い込まれるような感覚になる。その先は無限の空が拡がっているのだろうか。枝は無限に増殖し続けるのだろうか。

1958年生まれの日高氏の35歳の作品になる。樹木をデザインしたという点では、クリムトの《公園》があるが、日本人の日高氏は、水墨画的な白の余白の多い画面を構成している。同時代の、同じ日本人の感覚を共有でき、現代美術を鑑賞する楽しさ、親近感を覚えた。

記 東京国立近代美術館 「所蔵作品展 近代日本の美術」
  前期:2005年12月24日(土)~2006年1月29日(日)、後期:1月31日(火)~3月5日(日)
  第5章 現代美術-1970年代以降(2階)
  H15年度平成15年度購入作品
参考 Edition Worksの作家紹介

(1月29日 須田国太郎展 鑑賞後に)

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