徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

ポンペイの輝き @Bunkamuraザ・ミュージアム

2006-06-11 | 歴史
ポンペイの輝き
古代ローマ都市 最後の日
POMPEI STORIE DA UN'ERUZIONE
2006年4月25日から6月25日
Bunkamuraザ・ミュージアム

西暦79年8月24日午後1時、ヴェスヴィオ山の噴火に埋没したポンペイ。あまりにポンペイが有名なのでちっとも知らなかったが、町ひとつが埋没したわけではなく、周りの町や別荘も埋没していた。

本展覧会では、ローマ貴族や裕福層が別荘を構えていた地中海を望む保養地エルコラーノ、田園地帯オプロンティスとテルツィーニョの別荘の遺品から始まる。

彫刻は、いかにも貴族の別荘の中に飾られていそうな大理石の立派なもの。《アマゾンの頭部》はヘレニズム彫刻だそうだ。このあたりまではローマ文明だからと、想像通りだが、エメラルドと金の宝飾品が大量に展示されている。1世紀の話である。余りに豊かな世界に吃驚してしまう。ローマではなく、一別荘から、これだけの遺品が出てくるのである。「ルキウス・クラッシウス・ティルテイゥス荘」といわれると、「ローマ人の歴史」に出てくる支配階級の別荘かとは思うのですが、お金持ちですね。

ポンペイのコーナでは、メナンドロスの家出土の《アポロ像》の彫刻や宝飾品などが並ぶ。

そして、ポンペイ近郊のモレージネ地区から出土した《竪琴弾きのアポロ》のフレスコ画。この壁画はトリクリニウム(食堂)を囲う三面を復元する形で、コの字型に展示される。中央の人物は芸術を司る太陽の神アポロ(ギリシア神話ではアポロン)でそれを取り囲む形で女神ムーサ(ミューズ)たちがさまざまなポーズで描かれている。なおこのアポロについては、建物を訪問した皇帝ネロを表わすものとも言われているそうだ。素晴らしいですね。緋色背景を特徴とする鮮やかな色彩。水銀の色合いでしょうか?

ポンペイといったら、ローマの小都市の生活がみな当時のまま埋まっているという喧伝が多く、近代都市に住む私たちと同じような生活が行われていたというイメージがありました。タイル、レンガ、フレスコ画と暑いナポリの日差しのイメージでした。今回の展示で、周辺の別荘に支配階級は住んでいて、庶民はポンペイに住んでいたということがすこし判りました。現地を一度訪れたいものです。

P.S.この手の博物館系の催しは久々なのですが、結構混雑していました。展示が細かいものが多いからですね。(11日)
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