徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

大絵巻展 京都国立博物館

2006-06-02 | 美術
大絵巻展 京都国立博物館
2006年4月22日から6月4日まで

5月5日には入館したものの落ち着いて鑑賞できなかった大絵巻展、再度トライしました。用意万端で文庫本を手に、40分ほど並んで外で待ち、さあ入場です。

まずは、一直線で鳥獣戯画(甲巻)に。前回は、後ろ列の人は全く見れなかったのですが、今回は、後ろからも覗けるように整列してもらっていたので、すぐに鑑賞できました。前回、主任の人にクレームを言った甲斐がありました。あとはうろうろと歩き回って、まあまあ心静かにゆっくりと鑑賞できました。(大混雑に変りはないのですが)

絵巻の古典は、源氏物語絵巻、信貴山縁起、伴大納言絵巻(出光美術館にて)、鳥獣人物戯画。この1ヶ月で一応すべて鑑賞したことになります。さらに地獄草紙、餓鬼草紙。

  • 国宝 源氏物語絵巻、東屋(一)(徳川美術館)
  • 国宝 鳥獣人物戯画 甲巻、乙巻(高山寺);甲巻は写真と違って実物の筆致に感激しました。この時代から動物に対する日本人の心性は変っていないので、今の時代に見ても感激するのでしょうね。
  • 国宝 信貴山縁起 尼公巻(朝護孫子寺);前回訪問時が飛倉巻が展示していたのに見そびれています。失敗しました。
  • 国宝 地獄草紙(奈良国立博物館);「起世経」地獄品に説かれる八大地獄に付属する十六別所(小地獄)を描く。この絵巻は江戸時代には江戸大久保の大聖院に伝来し後に原三渓の所蔵になる。東京国立博物館所蔵の地獄草紙は「正法念処経」に基づく別所を描いていて出典を異としている。
  • 国宝 餓鬼草紙(京都国立博物館、岡山県臨済宗曹源寺伝来);餓鬼の受苦の様子を描く東博本と異なり、餓鬼救済に関する説話を並べている。

    あとは、眼に留まったのは、
  • 国宝 華厳宗祖師絵伝 義湘絵 巻一、巻三(四巻のうち)(高山寺)(13世紀);巻三の波間に描かれる善妙が龍の姿に変って舟を支える場面は、ダイナミックで素晴らしい。透明感のある明るい淡い色彩は宋代仏画の影響だそうだ。
  • 重文 伊勢物語絵巻(和泉市久保惣記念美術館)(14世紀);装飾料紙が素晴らしい。
  • 国宝 法然上人絵伝 巻八(知恩院)(14世紀);光明を発する場面など、金が多用された絵巻で豪華。九条家が制作に関連している可能性があるとのこと。
  • 重文 石山寺縁起 巻一(石山寺)(14世紀);延喜17年に宇多天皇が石山寺に臨幸し、打出浜で風流を行う場面。白い装束と烏帽子の貴族が姿が面白い。
  • 酒伝童子絵巻 巻下(サントリー美術館)(1522)絵は狩野元信;装飾的な武者の姿、水墨画風の岩肌、和漢融合した画面。思わず見入ってしまいました。源頼満らが、の美女をさらう悪鬼酒伝を退治する物語。徳川家康所持品で娘良正院が因州池田侯に嫁ぐ際に持参した。
  • 重文 西行物語絵巻 巻四(1630、出光美術館);俵屋宗達筆による摸写本。;関屋・澪標図屏風の一部の人物がこの図録から採られているそうで。毛利家伝来の四巻本で第三巻は断簡となって諸家に分蔵。
  • 堀江物語絵巻(長野、長国寺)は、岩佐又兵衛筆だったようですが、ちゃんと鑑賞せず。
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