融通無碍なる留学生活

~豪に入っては豪に従います~

「幸せ」の代価?

2006年11月18日 | 気付いたこと築いたこと
試験が終わって、我が身は自由!!となったとたん、
かねてから計画していたプランを実施して幸せ満喫!!
・・・のはずが。。

私のプランというのは全てインドア。
ものを読んだり書いたり翻訳したり。
それで一日が暮れていくものだから、
恐ろしいくらいに背面全身イタくなってきた。

東京にいたときのほうが、電車や地下鉄の乗り降りで
かなり運動になっていたことに気付く。
1セメ上のオネエさまが、先学期の中休みに
「翻訳のしすぎ」で腕の痛みを訴えておられたのを思い出した。

インドア陣の「幸せ」の代価か。
がしかし、アウトドアになる気、さらさらなし。
そぉねぇ・・・ヨガでも始めるか。

郷愁癖

2006年11月16日 | 気付いたこと築いたこと

今年になって初めてクリスマス・ツリーを見た。

風の強い今日のシドニーは、
どうしたことか、コートを着たくなるほど寒い。
もう初夏のはずの時期なのに、今も部屋で暖房を付けている。
ちょうど東京と同じくらいの寒さかな、と想いを馳せる。

QVBというシティの中心部にある建物の中の巨大ツリー。
こうも寒いと違和感なくきれいだなぁと見上げられる。
天気がよく暑い日だったら、きっとツリーのオーナメントを見て、
何かしらじらしい思いをしたことだろう。

昔、13歳のころ、北海道から本州に引っ越したその冬は、
雪のないクリスマスに、悲しくなるくらいの違和感を覚えた。
私の郷愁癖はそのころからだ。

肌に感じる空気感と香りは、
その時感じる「気分」と共に、
強烈なテクスチュアとなって記憶に折り込まれる。
それらは時に些細な日常のワンシーンであっても
不思議と、いつまでも、残っていたりする。

終わりであり始まりである

2006年11月15日 | 気付いたこと築いたこと
同じ楽曲でも、スラーの付け方ひとつで、全くフレーズ感が変わったり、ある一つの音がそのフレーズの終わりであったり始まりであったりする。以前、校訂譜が異様に多いブルグミュラーの楽譜を並べて、一個一個、スラーのチェックをしたのは面白かった。ペータースや全音版によれば、《アラベスク》中間部の右手フレーズに、「終わりでもあり始まりでもある」A音が数回現れる・・・。

何を言いたいかというと、今日の私は、まるでそのA音のようだということ。先ほどようやく通訳の試験が終了した。今学期はこれで終了だ。「試験の結果」というものは、それはそれとして真摯に受け止めるつもりだ。だがそれとはねじれた感覚で、自分の中に、何か区切りの感覚と、そしてなお、「ここからだ」という感覚とがじわりじわりとやってくる。

7月末からコースが始まって、怒涛のような日々だった。当然ながら何もかもが「新鮮」「未知」そして「無知」の連続・・・。とりわけ今日試験があった通訳なんかは、産業、教育、経済、環境、司法、医療というジャンルに渡り、次々と耳を素通りする「それはなんですか?」レベルの話を「通訳せよ」と課せられ、半ギレ状態になったことすらあった。毎週、「次回は法制度をやりますから、専門用語をリサーチしてプレゼンの準備しといて下さい」とかいう恐ろしく漠然とした宿題を出され、当然ながら翌週また「その言葉はなんですか?」と口をあんぐり開けることになる。その連続。悲しいかな、「次回は音楽学やりますから、リサーチしてプレゼン」なんていう宿題は、ぜったいにぜったいにぜったいに出ないのだった(苦笑)。。。
今学期は、一通り様々なジャンルを、それこそ概観したに過ぎないのだが、このレベルでもう一周するくらいが、私にとっては丁度いいのだろうと感じる。実際、余裕の全くない私は、今日の試験でアガりまくって音声がしらじらしく耳から耳を通過。血の気が引くとはまさにあのこと、通訳で格闘というよりむしろ、血液循環もしくは意識を維持することとの格闘みたいな感じだった。あれはもう、ギャグ。

とにかく、そんな試験の経験、それを含めた外国生活最初の4ヶ月、全部をひっくるめて反芻すると、いろいろありすぎて、なんだか笑いが起こってくるし、「ああ一区切り、よくやった自分!」というのと、そして「いやはや、ここからだぁ」という思いが、綯い交ぜになってやってくる。

総括:ワケわからないながら、なんとか死なずに生きながらえました。
抱負:来学期は、少しはヒトらしく「学ぶ」の領域に入りたい。

さて、夏休みだ!
国会図書館や州立図書館でリサーチしたいことがる。ワンセメ中、こらえにこらえてきたのだった。そして大好きな翻訳の作業にも集中できる。音楽系記事翻訳のお仕事に取り組む予定。充実した3ヶ月になるといいな。日本にも帰るし。会いたい人たちに会えるのが、何よりも心のエネルギー。

「TOFUっすよ・・・」

2006年11月14日 | 気付いたこと築いたこと

どうですか。お豆腐です。

こちらに来てから食べていなかった禁断のお豆腐、そしてうどんをここ数日内に食べました。ええ。胃腸が弱っていたからです。

物価高騰中のオーストラリア。食べ物は大概日本の倍の値段。日本食材を見かけても「けっ!買ってられるかっ!」というバカバカしい値段なので、テがでなかったんですけどね。

でも胃腸が弱っちゃあ、そうも言っていられず。お豆腐とかうどんとかを、その名も「ミラクル」というアジアンショップで買い求めたのでありました。

きっかけはハウスメイト。1ヶ月ほど前から入った日本人の女の子で、おっとりなのにしっかりさん、すごくいい娘さん。彼女が最近自炊に目覚め、日本食材を良く買ってくる。私の胃腸が弱ったタイミングと重なり、彼女がTOFUをめぐんでくれた。しかも柚子ポンつきだ!

彼女も柚子ポン購入に踏み切ったことには興奮している。「山サっすよ!!」と印籠を掲げるようにして私に見せてくれた。開封して香りをかいでは「やばいっすよ!!柚子!!やっぱ柚子!!」と熱くなっている。そして私の湯豆腐に掛けてくれた。・・・非常に美味である。こんな繊細な味があろうか・・・こんなシンポーな喜びがあろうか・・・嗚呼、嗚呼!!

ハウスメイトたちは本当によく勉強する。この日本人のお嬢さんも、20代前半で、2月からの大学院始まりに向けて、今は大学付属のセンターで勉強中。なんでもTESOLなる「他言語話者に英語を英語で教える」先生になるためのコースだとか。アメリカ人でも課題量の多さにうんざりして帰国したとかいうウワサの、おそろしげなコース。

真剣なのに楽観的、そして親切な若いハウスメイトたちを見ていると、「あぁ~住人にめぐまれたなぁ・・・」としみじみ思う。年内で日本人の彼女は引っ越してしまうそうだが、TOFUの喜びを提供してくれたことは、やっぱり忘れられないな。

翻訳の試験終了

2006年11月13日 | 気付いたこと築いたこと
トータルで4時間弱の翻訳の試験、無事終わりました。あんなに真剣にペンを握ったのは何年ぶりか。不思議なことに、右手小指の第一間接のあたりに、ペンだこのようなものができた。どういうことだ??

翻訳のセオリーについての問題。英→日、日→英の翻訳問題、最後に翻訳倫理についての問題、で終了。いずれもいい問題だった。まじめにお勉強してればできましたね、みたいな。ニガテな日→英も、今までに使ってきた「知的財産権」だの「温室効果ガス」だの「地球規模」「貿易拡大」「経済成長」などなど、、、よくも筋の通ったひとつの文章に、これほどのターミノロジーがバランスよく入ったものだ、といった内容。こうしたターミノロジーが出現するたびに「きたっ!」みたいな。これぞ受験生の心境(笑)。


試験が始まる前に、金曜日に採取された血液の検査結果を聞きに医務室へ。予約を入れてあったのに、30分も待たされた。この30分間が、今日、もっともキツかった。待たされれば待たされるほど、不安がつのるというもの。試験前のナーバス加減と相乗効果、妄想はどこまでも膨らみ、「あなたの血液の白血球に異常がみられました」なんて、英語で言われちゃったらどうしよう・・・とか、そんなことまで考えて、「そうか、白血球はwhite blood cellっていうんだな」とか辞書で調べちゃったりもして、自分の身体と試験の不安がゴチャマゼになるという、わけわからない状態へ。。。

ようやく呼ばれると、ドクターは微笑みつつ、「鉄分がか足りてない」くらいのことをあっさり言ってのけた。30分も待たせたくせに。。。「タブレット買って飲め」だと。緊張から弛緩へ・・・・。そんなわけで、試験はなぜかルンルン気分で受けてしまい、終わった今ももちろんルンルンだ。明後日の恐怖の通訳試験のことなんて、もはやどうでもよくなってきている。これはいかん。でも、今日も早く寝ます。ルンルン。

人の優しさが身にしみる

2006年11月11日 | 気付いたこと築いたこと
アホです。

昨日翻訳の授業中、貧血おこして倒れました。
ここのところよくクラスメートに「疲れてる?」と聞かれ、
「なんで疲れてないのにみんな、そんなこと言うんだろう??」
「疲れてないよ!!なんで?!なんで?!」とか
アホのように薄くキレてたりした。
ところが、だ。
すみません。知らずは当の本人でした。
授業の一時中断、ご迷惑おかけしました。
この場をかりて心からお詫びいたします。<m(__)m>
メールをくれた皆さん、どうもありがとう(涙)

さて、医務室に運んでくれたのは、他ならぬ授業進行役であるD先生(オーストラリア人の女性)。そして教師経験の長いクラスメイトAさん。
「先生、、、じゅ、授業は、、、??」とうっすら血の巡らない脳みそで考えながらも、ご両人に両脇を支えられるようにして医務室へ。
その道すがら、D先生が、心に染み入るような優しい言葉を掛けて下さった。
先生は日本の通訳学校(サイマルだっけか?)で長年教えてらした。ダンナさんは日本人。
「私も日本に始めて行ったとき、6ヶ月くらいして理由なく疲れていたことに気付いてびっくりしたのよ。外国に初めて一人で来たんだもの、当然よ」
とか、
「ピアノ弾いてる?ピアノ弾けてないのも辛いんじゃないの?今度うちにいらっしゃい。毎日でも弾いていいわよ。」
とか。

特にピアノ話にはぐっときた。私は日→英のクラスじゃインプットに精一杯で大人しく黙りこくっている学生なので、先生が私の音楽歴を記憶されているなんて思ってもみなかったのだ。

Aさんも「疲れてないって言ってたけど、疲れてたんだね~」なんて私の大好きな北海道弁イントネーションで言うものだから、お二人の間に挟まれて、私は突然、心臓発作を起こした人のように、しゃくりあげてしまった。

ゆるんで泣けるなら、それも身体の正常な機能。とまた別のクラスメイトも言ってくれた。たしかにそうだ。

医務室でドクターから
「ノー・ベジタボー、ノー・デイリー・プロダクツ、ノー・ミート、ノー・フルーツ・・・・・」となにやらたくさんの「ノー」を並べられた。食べるなということだ。ストレスで消化器官が弱っているからと思われる。よく聞き取れなかったところは我がクラスのコミュニティー通訳の女王でもあるAさんが訳してくれて、彼女が買ってきてくれた柚子の甘いジュースを飲んで帰った。

家ではハウスメイトがおいしいお粥を作ってくれた。

月曜は試験だけれど、もう開き直ってのんびり過ごすつもりだ。「受けられなくなる」事態だけはさけなくっちゃ。いい香り(ラベンダー)の柔軟材で、シーツとタオルケットを洗って青空の下に干した。

また眠くなってきた・・・。

数年単位のダイナミズム

2006年11月09日 | 気付いたこと築いたこと
私の通っているシドニーM大学同大学院を
数年前に卒業された人の日記をウェブ上で発見した。
2003年5月ころには今の私と同じような状況が綴られている。
あの授業がしんどいとか、文化間の違いのこととか、
生活費の心配とか、仕事へのトライアルのこととか。
わかるわかる・・・なんて感じで読んでいた。

とんで2006年11月の日記を見てみたら、
その人はつい数ヶ月前に日本に帰国、
パートナーと0歳の赤さんも一緒。
なんと日本で長年の夢である塾を起業するためだという。
ほぼ同世代の女性。
この数年間の間の怒涛の毎日、大きな決断・・・
乳がんの心配があった時期や、
パートナーや子供に対する想い、
そして仕事への情熱的な記述なんかを読んでいたら、
他人のことなのに、なんだか泣きそうになってしまった。

人の人生って、こうも数年間で
ダイナミックに動いてしまうものなのかと、
感動すらしてしまう。

私としても、たしかに、
5年前には考えてもいなかったような事態になっている。

いまシドニーにいることも、
なぜか猛烈に英語を勉強していることも、
日本にかけがえのない仲間とパートナーがいることも、
ぜんぶ、ぜ~んぶ、5年前には予想だにしていなかった状況。

あげつらえれば、なんと贅沢なことか。。。

でも実際には、正直今は不安でいっぱいだし、
すこし背中を誰かが押せば、
あっという間にウツの谷におっこちそうだ。


そんな中、電話で母親に、諸々の心の葛藤などを並べ、
「どうよ、がんばっているのだ」とプレゼンしたというのに、
「あんたは所詮、根本がオジョーなのだ」
と笑われてしまった。
いや母よ、これでも人生で一番シビアにがんばっておるのです。たぶん。

ダイナミズムはねぇ・・・やっぱり不安だし。エネルギー使う。
この選択は全てきっと、5年後予想だにしない事態に
収斂されているんだろう、きっと。

さて。お昼はウーリーのパウンドケーキだ。

「試験が終わったら・・・」

2006年11月08日 | 気付いたこと築いたこと
あと一週間後には試験が終わっている。

人生、ここへきて「学校の試験」というものに、
ちゃんと真摯に取り組むのだから、
我ながら健気というか、なんというか(笑)

試験の日に提出する課題もそろえきれていないし、
今から一週間でやるべきことをリストにしてみたら、
9項目あった。どれも私には結構な負荷だし、
あらまぁ・・・という感じだ。

とはいえ、頭の中には、来月日本に一時帰国するまえに、
「試験が終わったらやろう!」という
いくつかの項目もあって、それは全部で7項目。
(遊びなし。まじめ。)
でもこっちをワクワクして待ち構えながら、
この一週間を真摯に過ごすのが、なんか明るい感じがする。

思えば中学校とかの中間、期末試験とかのころから、
私は「試験」とくれば、すぐに「終わったら・・・」と
夢見がちに妄想にふける習慣にあったかもしれない。
目の前のやるべきことに追われるほうが、
微妙に抑圧される「やりたいこと」が元気になってくる。

だから試験が終わったら、それをちゃんと、つかまえよう。

大事に思う人がいるということ

2006年11月07日 | 気付いたこと築いたこと
大事に思う人たちが、なぜに自分にとって大事かと言えば、
それはいろいろあるけれど、
「その人といるときの自分が好きだ」というのが
大きいことなのかもしれない。

その人といると「気分がノる」というのは大切なこと。
単に気分よく話せるとかいうだけじゃなくて
還元し合える感覚。
「絆」というような硬質な関係を超え出て、
膨らみのある関係。豊かで動きのある関係。

そういう人たちに私は囲まれてきたし、
そしてこれからもきっとそうあれると、
心に何かを誓って、
数多くはない大切な人たちに
しばし想いを馳せる。

留学生っぽいといえばそうだけど・・・

2006年11月06日 | 気付いたこと築いたこと
今住んでいる家を1年契約してきた。
そのほうが安くなるから。
その支払方法に悩まされつつ、
ついでに今のクレジットカードのレートを確認したら、
1ドル=93円ではないか!!なんとむごい!!

日本の皆さーん!!!
オーストラリア=物価が安い
なんていう神話はもうこの世にはありませんよ!!

93円、93円、・・・
もうそれだけで私は気を失いそうになっている。
このコース終了まで、ちゃんと生きていけるだろうか??
つい2年前からは10円くらい変わっているじゃないの。
2年前といえば、私が今ここの生活を夢見て
貯金に精を出しはじめた頃よ。。。。
そう、それはつまり、、、
私の計算は大いに狂っているというわけだっ!!

93円・・・今日は寝言でうなりそうだ。

試験前の張り詰め気味のときだというのに、
レートなんて、見るべきじゃなかった(涙)

でもそうだ、こんなときは、
30代でも冷蔵庫がなかった、
かの有名な銅版画家のエピソードを思い出すのだ!
ビンボーだって、どうにかなるのだ!

でも同時に、昔NHKでみたドキュメントで、
中国人が日本に留学してきて、
栄養失調でやせこけて歯が抜けちゃった、
なんていうソラ恐ろしい番組も思い出してしまった・・・

嗚呼、おそろしい。どうしよう。
歯抜けたくないしな。
がんばって節約しようっと。