ごじゃ満開

いすみ市内外の隠れた情報と
ちょっとしたエッセイ。

ナクナル電器㈱

2011-01-10 17:19:53 | Weblog
(セ)「父ちゃぁ~ん」

いかにも
“頼み事”な
セガレの声。

(俺)「あ?」
(セ)「えんぴつけずりが、けずれなくなっちゃった」
(俺)「どえ、持ってきてみぃ」

持ってきたのが、コレ。


1970年前後に発売された
『ナショナル電気 えんぴつケズリ KP-20』
である。


おっかが
小学生時代から使用し、
セガレが
小学校に入学するときに
引き継がれた
約40年前の代物だ。

削り加減を
『太・中・細』と
3段階に調整でき、
削り終わると
頭頂部の
赤く四角い部分に
ランプが点灯するという、
当時としては
最先端技術の製品。

(俺)「ん~、年代モンだかんのぉ~…」
(お)「さすがにダメでしょ、もう」

ウチの工場へ持ってって
試しに、
ちっといい鉛筆
三菱uniの
4Bを削ってみた。

『ンカカカカカカカカカ』

モーターは元気だが、
変な音。

鉛筆を取り出す。

うっすら削れてはいるが
先のトンガリがイマイチ。
削りカズも粉っぽい。

「なぁるほどぉ~」

刃の磨耗が原因。

ロータリーシェイバー型の
片刃回転方式。


「交換しねっばおいねっぺな…」

しかし、
部品なんてなかろう。

とりあえず、
エアダスターで
中の削りカスとホコリを
吹き飛ばす。

「ん!?」

ちょっとひらめいた。

「研磨できっかして?」

まっさらな鉛筆に
コンパウンドを
ベッタリと付けて
試しに挿入。

『ンガシュシュ、ガシュガシュガシュ』

「お!」

二度三度と繰り返す。

『シュイシュイシュイシュイ』

「い~でんい~でん!」

力の入れ加減など、
若干のコツはいるが、
トンガリ良好、
カスも粉っぽくない。

ちっとは復活した。



セガレに渡し、

(俺)「削ってみぃ」
(セ)「ありがとー、父ちゃん!」

セガレの部屋から
鉛筆削りの音がする。

“父ちゃん”的に
威厳を保ち、
ちっとばぁし
自己満足。

(セ)「父ちゃぁ~ん」
(俺)「♪あ~?」
(セ)「けずれないよ~!」
(俺)「え゛っ!?」

セガレは
色鉛筆を削っていた。

(俺)「どえ」

やってみた。

『ンギュンギュンギュンギュ』

(俺)「あれま・・・」

どうやら、
色鉛筆のような
断面の丸いやつは、
ひっかかりが少ない分、
刃の当たりが
悪いようだ。

(俺)「そっかぁ~…」
(セ)「ダメじゃん」
(俺)「・・・」
(お)「やっぱダメじゃん」
(俺)「・・・・・・」



昭和の製品と
俺の威厳が
またひとつ
消えようとしている。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (山ちゃん)
2011-01-10 17:45:37
ウチにも80年代前半のですが、電動エンピツ削り機がありますよf^_^;

壊れて不動のがあれば“移植手術”できるかもなんですけどね(^^ゞ
移植となると (まめっぱ)
2011-01-10 18:47:03
家族の同意が必要かもしれません。
Unknown (オッサン)
2011-08-12 21:21:45
色違いの青があります。
現役です。

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