行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

とどめを刺された原発

2019-10-01 20:56:03 | 経済
東京電力福島原発が津波で壊滅して以来、原発が殆ど稼働できない状態で、全発電力の中、原発は3%のシェアを何とか保ってる。経営者の責任をめぐって裁判が行われているが、東電が何回となく繰り返した「多重防護で安全」という神話も破れ、東電経営に対する不信感は拭えそうもない。過去の津波の歴史を検証したがそれを無視したため想定外という言葉は使えない。
 
そこへ持ってきて、関電経営陣の信じられない不祥事だ。関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の元助役、森山栄治氏から金品3億円を受け取っていた問題で、一助役がそんなに蓄財をすることは誰が見ても不可能で、原発受注企業からの助役を通じての迂回賄賂と推定される。関電といえば、かつて、黒部ダムを建設した太田垣士郎氏は関西財界の重鎮で経営者の手本だった。そして公益企業電力会社として信頼されてきた。
 
それが目を疑うような原発企業として絶対やってはならない企業癒着がいつのまにかはびこっていた。今入ったニュースでは
 森山元助役に関電の100%子会社の「関電プラント」は30年以上にわたり顧問として、報酬も支払っていた。そして元助役が手数料として約3億円を受け取った高浜町の建設会社は、関電プラントから1億5千万円の倉庫建設工事(2015年10月着工)をも受注している。元助役は建設会社でも「顧問」を務めていたとされ、受注側と発注側の双方に深く関わっていたことになる。
 
開いた口が塞がらない悪代官が居たことになり、公益企業がやってはならない悪に染まってしまった。原発の立地では漁業権の補償をはじめ札束が飛び交うとか、国からの巨額の原発地域への交付金など、金の噂はかねてからあった。今回の新たな賄賂疑惑で経産省が考えている原発補助金制度(消費者から取って立地地域へ払う)導入は難しくなっただけでなく、原発自体がとどめを刺された。
これで、政府も新エネルギー開発へ踏ん切りがつけば、塞翁が馬となる。

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