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【会津野】小説「無名碑」

2018年04月11日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。

曽野綾子さんの小説「無名碑」を読みました。

今年に入り読んだ城山三郎の「黄金峡」に続き、奥会津只見の田子倉ダム建設を題材とした小説です。

文庫版で954ページにもおよぶ大作なのですが、三部構成になっていて、田子倉ダムにかかわる第1章は384ページ。これだけ読むだけでも1週間くらいの時間を要しました。

インターネットであらすじをチェックすると、第2章、第3章は只見の話ではないようなので、ここまでで読むのを終わりとしました。

「黄金峡」では、ダムに沈む土地の補償に焦点が当てられており、お金にまつわる人間模様が鋭く描かれています。

一方「無名碑」では、主人公と関係する女性それぞれの生き様が主に描かれています。

両小説とも、奥会津や会津の土地のこと、当時の町の様子などが、情景描写として様々な角度から表現されます。

奥会津の電源開発は、1950年代に行われ、建設作業そのものにかかわる作業者以外にも、それらの方々が消費するものを当て込み、ひと儲けしようとする人々がいました。

1850年代のカリフォルニアのゴールドラッシュでは、金を掘り当てる人々が消費するモノを供給した人が勝ち組になったと言われます。ジーンズを供給したリーバイスがその良い例です。その後、金を掘り当てられなかった人々は去ったけれど、供給者は力をつけ、いまのカリフォルニアへとつながります。

しかし只見では、ダム建設が終わると、多大な労務賃を稼いだ作業者は去り、そのまわりの消費を当て込んだ人々も去った。その結果、巨大なコンクリート建造物と寂れた土地が残った。

ダム建設に必要なとてつもなく大量なコンクリート資材を運ぶため、只見線の線路を延長しましたが、それも作業が終わったら国鉄に買い取らせ、殆ど人が乗らない線路が残った。それが、いまのJR只見線です。

奥会津で鉄鉱石が採れたり、セメントが採掘されたりしていれば、ダム建設後も他の需要に転じる事が出来ただろうが、只見では人へのサービスだけしか生まれなかった。それも人がいなくなれば、衰退していく。

観光の仕事をしていると、考えることは人へのサービスということになる。観光地から人がいなくなると、ダム建設現場のように何も残らなくなってしまうので、観光は永遠と回り続ける仕組みを考えなければならない。かなり難しい命題だ。

では、ゴールドラッシュのようにモノを造れば良いのか。ただ、それもロボット化や人工知能が進めば、人間様がものづくりをする時代も間もなく終わるだろう。

だとすれば、ロボットが永遠に動き続けられる環境を作れば良いのだろうか。奥会津の最大の生産物は電力だから、奥会津でロボットが動き続けること、これを真剣に考える必要があるだろう。

それがデータセンターなのか、無人ロボット工場なのかわからないけれど、映画に出てくるような未来の無人工場みたいなものが、奥只見にいち早く登場するかもしれないなと、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な妄想を楽しむモトを、両小説からいただいたような気がしました。

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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