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【会津野】書籍「嫌われる勇気」

2018年04月04日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。

先日、知人から勧められた書籍「嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健共著)を読みました。

この本は、自己啓発本というくくりにされるものですが、哲学的思想がふんだんに記されています。

自己啓発というと、単純に「やれば出来る」というものが多いですよね。しかしこの本は、アリストテレス以降の延長上にある哲学者アドラーの思想を、専門用語を使わずにわかりやすい言葉で書き現しているところがとても良く、哲学書と言っても良い内容です。

4月1日のエントリー【会津野】書籍「聖地の想像力」では、人はなぜ聖地へ旅に出るのかということを書きました。

「聖地の想像力」では、旅に出るということは、赤子のように何もわからないところに飛び込むようなことで、まわりの人々から受ける感受性がとても高くなる作用を持つことが書かれていました。

「嫌われる勇気」では、アドラーの教えとして、「わたしたちの文化のなかで、誰がいちばん強いか自問すれば、赤ん坊であるというのが論理的な答えだろう。赤ん坊は支配するが、支配されることはない。」と記し、赤ん坊は弱さゆえに大人たちを支配し、弱さゆえに誰からも支配されないと言います。

これらから、旅に出る人々は、弱さゆえに感受性を鋭くしつつ、誰にも支配されない自由を併せ持つことを導けます。

アドラーの教えは、まず課題の分離という誰の主観的判断なのかということを考え、自分は一体どう見られているのだろうかというような他人が判断することを切り捨てるところからはじまります。そして、共同体感覚、他者への貢献、前へ向かう勇気を経て、幸福を追求することへと導きます。(詳しくは本書に譲ります。)

ここでの結論は、「いまこの時点を真剣に生きること」となりますが、旅をするというのは、「旅全体のどの時点においても旅そのもの」なので、とても旅というものに近い生き方を哲学的に示したものだと感じました。

続編として「幸せになる勇気」という本も出版されています。

続けて読んでみたいなと思っています。

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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