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【会津野】書籍「ラーメンと愛国」

2018年04月21日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主 ならびに 古書 会津野 店長の長谷川洋一です。

「ラーメンと愛国」(速水健朗著)を読みました。

今日は、喜多方ラーメンの話からしましょう。

昭和48年(1973)にオイルショックがありました。そのとき、石油化学製品を製造する昭和電工の企業城下町であった喜多方市は、人口約6万人の町でした。オイルショックにより業績が急低下した昭和電工は、喜多方市内の事業所を大幅に縮小し、海外移転などが起きたと言われています。それにより、人口が急減少し、半分近くまで落ち込みました。

もともと人口6万人にしてはラーメン屋さんが多い街だったことからか、「喜多方ラーメン」という名称を用い、市外からの誘客を促進。今風に言えば、交流人口の拡大を図り成功したものでした。

この本の中でも「喜多方ラーメン」に触れられており、当時、店ごとにばらばらな麺の太さや味付けであったものを、「喜多方ラーメンと言えば太麺のしょうゆ味」というふうに標準化し、「ご当地ラーメン」という流れにつながったと記されています。

これに先立ち、アメリカの事例として、単一な形のT型フォードと、多くのバリエーションを持つGMの自動車を比較し、標準化と同じ意味があったT型フォードが没落し、顧客が選ぶことが出来るGMの自動車が繁栄したことが取り上げられています。

喜多方ラーメンとは逆の動きですが、日本でも平成に入り個性的なラーメン屋さんや、チェーン店でも店ごとに味が違う「ラーメン二郎」のような店の出現により、顧客が選ぶことの出来るラーメンへと変化したことは、皆さんの思うとおりです。

ここで指摘していることとして、この動きは、ラーメンを食べようと選ぶ時代から、どのラーメンを食べるかを選ばされる時代へとの変化、つまり、マーケティングの時代がはじまったと表現しています。

その後、地域主義のことへと話題は移ります。

ラーメンと言えば、ファストフードの部類に入ります。対極のスローフードは、地産地消と親和性が高く、地域主義、ひいてはナショナリズムにつながるものだと言う。

しかし、ファストフードであるラーメンも、「ご当地ラーメン」のように地域主義に近づき、もともと「支那そば」から変化したラーメンが、"日本のもの"としてナショナリズムを意味するものへと変化した。

これが著者の言う「愛国」なのだろうと感じます。

★ ★ ★

私が新卒で就職した業界はIT業界です。

仕事で初めて身に付けさせられたことは「標準化」です。

ここでいう標準化は、「誰が作っても同じプログラムが書けること」で、個性のあるプログラムは「悪」でした。

現在のプログラミングは、誰でも作れるものはAI(人工知能)で出来るから、社会が必要とするものをコード化できる"個性"が必要だ。その結果、創られたアルゴリズムが、それを用いる人々が自ら選ぶアプリケーションから、選ばされるアプリケーションへと変化してきた。

つまりは、IT環境もラーメンと同じく製作者のマーケティングにより誘導付けられるものに変化した。

ここに「愛国」の感情が埋め込まれると、ナショナリズムへと人々が走るということになる。

★ ★ ★

ラーメンから、さまざまな社会の動きを解説する試みは、とても素晴らしいものでした。

江戸時代、人々の娯楽として札所めぐりが多く行われた。会津の人々の多くは、西国三十三観音めぐりへ出かけた。会津の殿さまであった保科正之は、会津から西国へ富が流出される状況を憂い、会津三十三観音めぐりを会津に定めた。

一時期は隆盛を得たようだが、いまはだいぶ廃れている。しかし、文化庁による「日本遺産」への指定という風が吹き始めた。

「何して遊ぶ?三十三観音めぐりをして遊ぶか!」ということから、会津三十三観音めぐりを選んでいただけるようなマーケティングが、会津には必要なようだ。

まずは会津三十三観音めぐりのボードゲームから遊んでいただき、会津三十三観音めぐりを周らなければならぬ道筋を付けることが、いまの私のミッション、と自分では思っている。

こりゃ、ゲーミフィケーション理論も勉強せねばならないな。

誰か良い本をご存じの方がいらっしゃれば、ぜひお知らせください!

今日も素晴らしい1日を過ごしましょう。

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