グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

ミネラルが効きにくくなる理由を分析値から探る。

2016-03-29 18:27:22 | Weblog
ミネラルが効きにくくなる理由を分析値から探る。K


今回は、前回までのミネラル不足対策の回を土壌検査値からみることに
しましょう。

たとえばここに、生育後半になると微量要素欠乏や病気が頻発するハウ
についての、たい肥や石灰や肥料を入れる前に採取した土の検査表
があります。


ののののののの 土壌検査値例.jpg


そんな圃場の2つの場所についての土壌検査値ですが、通常とはずいぶ
ん異なる数値が でているのに気づかされます。

それは EC値 。

硝酸態チッソに反応するはずのEC値 ですが、硝酸態チッソの量が上の
表では 3.2 、下の表では 2.8 という標準値〔5―30〕以下である
のにもかかわらず、EC値が 1.37 と 1.35 という、かなり高い数値
を記録しているのです。
つまり作物に利用されていくはずの肥料分は少ないにもかかわらず、EC
値が高いという〔ECメーターが化かされた〕状態になっている。

こんなときには土壌を再検査して[通常の検査項目にはない]塩素の量
を調べてみましょう。

ECメーターの判断をおかしくさせている原因は、圃場の土に含まれてい
るであろう塩素にあると思われるからです。

検査の結果、塩素の量が多いと判断された場合には、塩素の量を減らす
必要があります〔私は 5ミリグラム/乾土100グラム以上あれば塩素
が過剰すぎるとみます
〕。
また、塩素と併行してナトリウムの量を調べるのも良い方法です。塩素
と同じくナトリウムが 5ミリグラム/乾土100グラム以上ある場合に
は、圃場に塩〔塩化ナトリウム〕が蓄積しすぎていると考えるべきです。

結果として、この塩素やナトリウムの過剰が、このハウスの生育後半にお
ける生育不良を引き起こす要因
だと判断するというわけですね。

ののののののののカリとナトリウムの増える原因.jpg


そして、そう判断された場合の土壌の改善策ですが・・・私の場合は

 ● 塩分を含んでいることの多い家畜ふんたい肥の施用量を減らす
 ● 植物質の原料で作ったセンイ質の多い たい肥 を 施用する
 ● ピートモスを使用する
 ● 腐植酸を含んだ資材を活用する

などといった方法を農家さんに提示しています。

ということで今回は、植物に利用されるチッソの量が少ないにもかか
わらずEC値が高く出てしまう土
に対する考え方とその対処法に
ついてのおはなしでした。こういった土壌権結果に対して、心当りのある
方は、よろしかったら ご参考に。


◎  青菜に塩〔塩化ナトリウム〕の状態ともなれば、植物の生育も
  うまくいかないと 思うんです。ということで、ミネラル不足が
  おこりはじめるのは、植物にとっての黄色信号信号が赤に変わ
  ってしまわないうちに、まずは土のなかの塩素とナトリムの量を
  検査してみましょう。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜