グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

田植えは「虫のしらせ」で。

2013-04-25 16:17:12 | Weblog
田植えは「虫のしらせ」で。

連休の前後に田植えをされる農家さんも多いことと思われますが、そ
んな田植の時期の判断に昆虫を活かすというおはなしになります。
なんといっても本年は天候が不順。夏のような陽気がきたかと思えば
またまた冬に逆もどりといった無茶な天候 の連続ですものね。
南九州地方の早期米の田植の時期である3月20日の記事ですが、よ
ろしかったらご参考に〔ちなみにこの回を掲載したあと、2度3度と
霜が降って農産物の被害が少なからずでちゃいました
〕。

 ↓


『収穫時のおコメの値段を考えれば早く田植をしたほうがよいのだが、
 田植えの時期が早過ぎると霜害を受ける可能性があり、そうなれば
 肝心のおコメの収穫時期や収穫量に影響を受けることにもなりかね
 ない・・・。はてさて、毎年毎年大きく変動する気象のなかで、田
 植えの時期を判断するのは、なかなかにむづかしいことであるな』

というところまでが、前回までのおはなしでした。そして今回は、そ
のような田植えの時期を決定する判断材料についてのおはなしとなり
ます。

そして そのはなしの結論ですが・・・

 その判断材料のひとつとして昆虫の存在

を利用するという手があります。

というのも、昆虫は気温の上昇とともに生命活動を開始するという性
質があるからです。たとえば日本に住む昆虫は〔もちろん種類によっ
て差はありますが
〕おおむね

 5度から10度でうごきだす〔姿をみせる

という性質がある。そんな虫たちの存在を田植えの時期の判断に活用
すればよい・・
つまり、水田のまわりに、ある種の昆虫が姿をみせてくれたら、それ
を田植えを開始しても良い時期だと判断するというわけです。

より具体的にいうならば、わたくしの判定材料に使う昆虫は、モンシ
ロチョウとキリギリスであり、たとえば

  田畑にモンシロチョウが舞い始めている
  予想より早く、孵化したてのキリギリスが田のまわりの草にいた

となると、田植えを急いでも霜害の心配はない・・・というふうに
気象を予想して、田植えを開始するするわけです。はんたいに、暖か
いように感じられたとしても

  越冬していたモンシロチョウの、舞う姿が見受けられない
  田のまわりの草に、孵化したてのキリギリスの姿がない

ということであれば、田植えの時期を先延ばしにします。

いじょう私論ではありますが、経営的に重要な意味を持つ早期水稲の
田植の時期を決定するには「虫のしらせ」を利用していますよという
おはなしでした。

さてそこで、記録的な高温がつづいている本年の南九州地方において
の、昆虫から判断する今年の田植の時期なのですが・・・

  越冬していたモンシロチョウの、舞う姿が見受けられない

とはいえ、

  予想より早く、孵化したてのキリギリスが田のまわりの草にいる

という、ある意味変則的な年であるようです。そこでわたくしの判断
としては

 田植え後の田の水位を容易に管理できる水田 であるならば、
 田植えを10日ほど早めても良い

というふうに、条件付きで考えることにいたしましたよ。


◎ ちなみにそんな高温が続くようすです・・・「日本列島は9日、
  南から暖かい空気が流れ込んだ影響で関東以西を中心に気温が
  上昇し、宮崎県高鍋町で28.5度、高知県四万十市で26.
  5度など、37地点で3月としては観測史上最高記録となった。
  気象庁によると、3月の史上最高気温だったのは、他に宮崎県
  西都市の27.5度、熊本県人吉市26.8度、群馬県伊勢崎
  市26.3度、和歌山県新宮市26.1度など。高鍋町の28.
  5度は、6月下旬並みという。」

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染