グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

サツマイモの病気、南九州から熊本福岡長崎へ。

2020-12-11 16:33:22 | Weblog
​​サツマイモの病気、南九州から熊本福岡長崎へ。
鹿児島・宮崎・沖縄の3県で国内の栽培面積および生産量の約5割
を占めるほどに、南九州の風土・気候に適して栽培されていたはず
のサツマイモ。そのサツマイモを狙いすましたかのように発生し、
猛威をふるっているサツマイモもと腐ぐされ病のはなしをしたのが
前回[こちら]でしたが・・・
この サツマイモもと腐ぐされ病の最大の特徴は、この病気のもつ
伝播力の強さです。

なにせ沖縄において初めてこの病気が確認されたのが2018年、
それも11月のことなのですから。まだ、それからまる2年しか経
過していない。それでいて前回の回から1日おくれの8日に鹿児島
県から発表された10月時点の羅病被害においては
 
 鹿児島県は7日、サツマイモ基腐(もとぐされ)病の被害が10
 月時点で、全作付面積約1万ヘクタールの5割以上に広がってい
 ると明らかにした。農産園芸課によると、2018年に県内で初
 めて確認されてから最大。被害農場は、少しでもつるが枯れるな
 どの症状が見られたケースを含むものの南薩地域(約3千ヘクタ
 ール)は7割超、大隅地域(約5500ヘクタール)が5割強、
 熊毛地域(約1600ヘクタール)は約4割で被害が確認された

という広大な被害面積にのぼっているようなのです。

さらに 心配されているのが、この病気の​北進​です。 ”新奇な病
害虫を発見した場合または重要な病害虫の発生動向に特異な現象が
認められる場合に都道府県より発表されるもの”が特殊報といわれ
るものなのですが、

      

10月に熊本県と福岡県、11月に長崎県で出されたサツマイモ基
腐病発見にともなう特殊報の新聞発表記事がこちら となります。

・・・特殊報がでたばかりの熊本県福岡県長崎県の発生状況は い
まはまだ僅少なものとはおもいます。が、消毒薬や予防薬はなんと
か登録された基腐病ですが、いまだ発病した場合の進行を抑える農
薬が存在しない
現状であるだけに、関係する都道府県及び農業界で
はこの病気の北進拡大がおおいに心配されはじめています。

次回の対応策の回へとつづく。


晴れ 個人的な感想なのですが・・・沖縄での初確認から丸2年
  もたたないうちにサツマイモの栽培に適している風土であ
  るサツマイモ王国の鹿児島県をこれほどの規模で蹂躙して
  しまう病いというのは・・・そう、あのバナナのパナマ病
  [こちら]を連想させられ、甘いもの好き&薩摩焼酎ファン
  としては、ひょっとして現在の品種がなくなっちゃったり
  したらと杞憂してしまうことも しばしばな今日このごろ。。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜