グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

まだまだ続きそうな天候不順と野菜不足。

2016-11-15 16:55:29 | Weblog
まだまだ続きそうな天候不順と野菜不足。

日本において 8月後半頃から10月頃にかけて降る長雨のこと を
“秋の長雨”といいますが、とくに南九州では11月にはいったいま
も依然としてそのような秋の長雨時のような気候[たとえば本日の
宮崎県では気温が25度以上の曇天となっています
]が継続してい
ます。

こまっているのは、農作物の生育。

曇天のもたらす日照不足の影響から農作物の生育が順調に進まない
生育不良の状態が、ずっとつづいているのです。こんな天候につい
て気象庁が発表した9月末の天気解説によれば

 台風や前線の影響により、東日本と西日本で9月中旬から記録
 的な日照不足が続いている。東日本と西日本では前線や湿った
 気流の影響で、9月11日から26日にかけての日照時間は平
 年の半分以下。なかでも日照の少ない地域で平年の4分の1ほ
 どしかない。中国地方の9月の日照時間は平年の60%で19
 46年の統計開始以降、最短を記録。近畿も68%とタイ記録
 で、四国、九州北部、沖縄は2番目、東海は3番目だった。

といったものでしたが、いまだにそのような気候に近い状態がつづ
いているのですから農作物[というか植物全体]もたまったもので
はありません。

 ● 高温が継続/寒さがこないため に 病虫害被害が多い
 ● 日照不足のために生育が悪くなり生産量が減少している

という状態に加えて、

 ● せっかく成長したとしても軟弱に育った影響で傷みも早い

といった悪循環に陥っているのも当然のことだろなと思わずにはい
られません。ちなみに、そのような植物の生長のメカニズムを図示
するとすれば

 
 日照が不足気味になる
 ↓
 日照を出来るだけ受けとめようと 
 葉が大きく・長くなる
 ↓
 葉が薄くなる
 ↓
 葉が垂れる
 ↓
 葉のもたらす影の面積が大きくなる
 ↓
 込み合って、ますます日照が少なくなる
 ↓
 光合成がうまくできず、栄養不足の状態となり
 ↓
 下葉が黄化してくる
 ↓
 下葉から病気が発生する
 ↓
 作物が軟弱に育つ
 ↓
 根が弱る
 ↓
 作物の生育がばらつく・遅れる
 ↓
 収穫作物された作物の品質が悪くなる
 

のののののの 連鎖的悪循環な生育

といったような 連鎖的な悪循環が生じる ことが 知られています。


ということで、今回は 

 晴れたとしてもせいぜい2・3日 + 4・5日おきに降雨

という、 日照不足 と 土の乾くひまのない状態が続いている南九州
地方の気象のご報告でした。・・・冬場の葉もの野菜とトマトやピーマ
ンそしてキュウリのハウス栽培の盛んな土地柄なのですが、肝心かなめ
日照が不足している状態では、ここしばらくは露地ものハウスものと
もに供給不足の状態が継続しそうです。  


晴れ そんな悪天候対策時のイネの場合の対策編 は こちら
  ハウス対策編 は こちら


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