グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

一回転した台風があった。

2016-08-26 08:11:49 | Weblog
一回転した台風があった。

日本の南方で発生した台風が上陸するまでに

 貿易風に圧されてまずは西へ
 ↓
 その後、そのときどきの大きさの
 太平洋高気圧の風を受け北上し
 ↓
 偏西風に乗って東へ

という経緯をたどることが一般的です。ということで

 

節季によって変化する太平洋高気圧 の 影響を受た台風の進路 は、
この図のようになることが一般的なのですが、ときどきとんでもない
動きをする台風がまれにあります。今回の台風10号がそれですよね。

この台風の動きを見てると、ヨーヨーのトリック/技である バインド
こちら]を連想せずにはおられません。そして おもいだしました。
いちど南方に去ったあと、ふたたび九州にむけて北上してきた台風が
あったことを。今回はそんな2008年の台風のおはなしです。再掲載
ですが、「台風とクワズイモ」の回と併せて よろしかったら。

 ↓

『一回転した台風のおはなし』

もちろん最大風速が大きいとか、強い台風とかが怖いのですが、風の大
きさもさることながら、台風の「風向きの変化」と「進行速度が遅い場
合」も、また大変な災害を引き起こします。

農業で大きな被害をもたらすのが、これ。時間で変化していく「風向き
の変化」です。

台風の進行にあわせて、たとえば 北→東→南→西 の順番で 風の向
きが変化していくために 農作物がキリモミさせられ茎がねじ切られる!
のが被害を大きくする要因。そう ときには一抱えもあるおおきな樹木
さえ、この風の変化に耐えられなくなる場合もある。

そして「進行速度が遅い場合」も、大変です。

“自転車並みの速度”なら まだまし、“ほとんど停滞” などという予報
がでたら、台風常襲でなくとも ほんとに ゾッ としてしまいます。

・・・そんな停滞した台風で思い出すのは、なんといっても2008年
の シンラコウ台風 です。

この台風、なんと約45時間近く も停滞。暴風域に入っていた与那国町
の方々は、大変なことだったと思います。電柱や街灯が倒れている港湾
道路の映像が延々と映し出され続けた通行止めになった映像にはほんとに
驚かされました。

これだけではありません。

一転して動き出した台風は、台湾へ移動し、さらに60時間以上も停滞
したのですから、その超スローぶりには驚かされ続けた台風でした。さ
らに その後。
勢力を維持したまま、台湾からほぼUターンするように東方向へ進み、
鹿児島・奄美諸島付近に接近したのですから、そのわがままぶりは筋金
入りでありました(結局上陸はありませんでしたが)。

幾多の人々の心配をよそに、知らん顔でわがままに進む台風・・・

名前はシンラコウではなく、シランカオではなかったのかと思ったのは、
私1人ではなかったはずです。


晴れ  シンラコウ。名前の意味は、ミクロネシアの伝説上の神
  で、漢字表記は森拉克。というのだそうです

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染