グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

サコンタロの声がきこえる・・・。

2015-11-30 22:01:58 | Weblog
サコンタロの声がきこえる・・・。


・・・

 恵みの大雨の翌日。
 流れる水音にまじって、どこからともなくきこえる音。

 サコンタロだ。
 流れる水音にまじって、聞こえるサコンタロの「声」。

 骨を食むような、骨を噛むような、「声」。
 その声は、一定の時間を置いて、規則的に発せられる。

 そんな幻聴をきいたのは、薩摩の国。
 加治佐川の川港〔川湊〕の河口から上流を眺めたとき。

 さほど広くはない。    川の上流を望む

 が、川幅に広葉樹林が迫るこの川 に響く、「声」。
 夜間、事情を知らずに、この声を聞いた人には不気味
 にひびいたであろう、その「声」。

 しかし、その声こそは、火山灰から成る痩せた薩摩の
 土に希望をもたらしたものであったのだ。

・・・

などと、ホラー調ではじめてみましたが、みなさまはサコンタロ
をご存知でしょうか。

サコンタロとは流れる水を動力とした製粉機。水を利用したシー
ソーの仕組みで、たとえば臼にいれたモミなどを突いて精米する
便利な道具なのです。
そうですね、いうならば でっかいシシオドシといったら理解さ
れやすいかもしれません。

そして江戸時代。

この加治佐川の河口の山川港からのぼった上流には、薩摩藩の手
による秘密の工場があったのです。
その工場の設立初期にはたくさんのサコンタロ[のちには水車]
が、秘密裏に獣の骨を砕いて粉にしていたといいます。

 なぜ獣の骨は砕かれて粉にされていたのか。
 なぜ工場は秘密にされていたのか。
 食用としての獣が多くなかったはずの江戸時代に
 砕けれるほどの大量の獣の骨はどこから集められたのか・・・・

そんな謎を解く話は次回に。


◎ 薩摩藩って、すごいですよね。これまた秘密の
  寒天工場の回は、こちら。 薩摩焼のはなしは、こちら

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜