グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

悪天候こそは、腕の見せどころ[前編]。

2015-07-15 16:02:26 | Weblog
悪天候こそは、腕の見せどころ[前編]。

6月から7月上旬にかけて降り続く雨の影響で、平年の半分以下の
日照におちいってしまった宮崎県地方。ほとんどすべての作物にお
いて、長雨のもたらしている日照不足の影響がでてきています。

のの 連鎖的悪循環な生育

その日照不足の影響ですが・・・

 作物が軟弱に育つ
 ↓
 作物の身体が、長く・軟くなる
 ↓
 葉が垂れる
 ↓
 込み合って、ますます日照が少なくなる
 ↓
 光合成がうまくできず、栄養不足の状態となり
 ↓
 下葉が黄化してくる
 ↓
 下葉から病気が発生する
 ↓
 根が弱る
 ↓
 果実の生育がばらつく・遅れる
 ↓
 果実の糖度や着色が悪くなる
 
といったような連鎖的な悪循環が生じることが知られています。

この生育環境の悪化による影響を真っ先に受けている作物 ・・・
それが 3月末から4月はじめに植えつけられ、例年であれば7月
末に出荷
される早期栽培のコシヒカリ
 と いうことになります。

そういった状態の代表的な生育の水田が こちら。

 株の色がどす黒いかんじ → 出来すぎイネ アップ

一株の大きさが長くなりすぎて、株と株の間の溝がみえないほどに
生育し、葉イモチ病が発生、ところどころですでに株の倒伏がはじ
まっています。

のの できすぎネの全体

こちらが全体像ですが、生育に凸凹がある[生育差がある]のが確
認できますよ。

こうなると、なかなか実が熟れないので刈り取りが遅れ、熟期がば
らつくので収穫適期がそろわず結果的に実の品質が低下しますし、
なにより 台風などの強い風雨に遭うと ばったりと株が倒れてし
まい、ヘタすると収穫が皆無になることにもなりかねません。

後編に つづく。


◎  栄養成長期と生殖成長期が分かれているイネ・・・栽培の
  基本を学ぶ[腕を磨く]には最適な作物だ と思います。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜