グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

春先に野菜を食害する生物といえば。

2015-04-14 03:41:38 | Weblog
春先に野菜を食害する生物といえば。

作っている苗や定植したばかりの、とくにアブラナ科の野菜の苗が、何者
かの被害をうけて葉の部分に大きな穴があいたり、先端部分がまるごと無
くなったり〔!〕することが 春先のこの時期には よくあります。せっ
かく苗に仕立てたり、あるいは植えたばかりの苗がやられちゃったら、が
っかりしてしまいますよね。
でも、さあ、もうひとがんばり、かわいい野菜やお花のためにも、加害す
る生物を見分けて対策をたてましょう。

さて、そんな春先の時期のアブラナ科の野菜を食害する生物とは、いった
い何者なのでしょう。

温度があがる夏場であれとすれば、苗を食害する生物としてネキリムシや
コナガも疑われます。しかし、いまはまだ春。まして今年は雨が多い。し
たがって暖かくなってから活動しはじめる昆虫類ではなく、むしろ

  越冬して春を迎える生物
  雨がちの気候下でも活発に動ける生物
  比較的低温であっても活動することができる生物

が主となって、野菜を加害している。さらに今年のような春の長雨が続く
気候下でも活発に活動できる生物ということもおおきなポイントにつなが
ります。

ということで、春先にアブラナ科の野菜を食害する生物として、まずまっ
さきに考えられるのは、そう ナメクジ類 ということになりそうです。
そんな春先のアブラナ科野菜類の大敵であるナメクジ対策についてのおは
なしは 次回にて。

・・・と話しを終えるまえに、日本の代表的な種である、つぎの3種のご
紹介はすませておきますね。

  ナメクジ

 年に一回の発生。3-6月に40粒ほど産卵。孵化した幼生は秋まで
 に成熟し、土中や積んだものの下などで越冬。

  ノハラナメクジ

 年2回の発生。3月から活動。1頭で300粒!ほどの卵を産み、秋ま
 でに成熟。春の卵から孵った幼生が秋には産卵できるので、注意が必要。
 ナメクジと同様に越冬。

  コウラナメクジ

 幼生で冬を越し、3月ころから活動開始。繁殖力が強いのが特徴。
 秋に成体となり、60粒ほど産卵。秋に孵化し、しばらく植物を加害し
 たのち、越冬に入ります。冬でも、暖かい雨の日には、潜伏場所からで
 てきて活動する


この3種、いずれも越冬してくるのでほんとに厄介・・というか厄貝/笑。


◎  被害が大きくなるのは、まずはなんといっても 湿りがちな場所
  が圃場のまわりにある場合です。
  たとえば、家に囲まれて陰になる所が多い場所。用水が流れてい
  る場所。野菜クズや落ち葉などの有機物残さの多い場所。それに
  周囲が荒地になっている場所などなどとなります。
  

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染