グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

トマトハウスの外は極寒・・・。

2013-12-19 17:22:51 | Weblog
トマトハウスの外は極寒・・・。

漁師や船乗りの仕事が危険であることのたとえで“板子(いたご)一枚下
(した)は地獄
” というものがあります。
そのような表現で、この時期のビニールハウスによる施設栽培の生育環
境の厳しさ を表現するとしたならば

 “ビニール数枚の外は極寒
 “ビニール数枚の外にはペギラ

みたいな、そんなたとえであっても納得できるのが、生産現場にいるも
のとしての実感となります〔厳冬シーズンなった今は、なおさらで〕。 


 ハウス近景.jpg


このような厳しい気象条件のなか、施設栽培では、まずは第一にハウス
内の温度を確保することに最大限の努力が払われています。 

なんといってもそのハウス内で栽培されているのは、冬の露地栽培では
栽培できないトマトやキュウリ、ピーマンといった作物 なのですから
それは当然のことですよね。

と書くと、

 施設栽培には暖房機があるのだから暖房すればいいだけの話しなのに

と、思われる方も多いとは思います。たしかにそうなのです。が、暖房
を焚くには、燃料となる重油がいる
という問題が出てきます。そう、作
物の生育を良くするためには暖房は不可欠の要素ではありますが、焚き
すぎると経費がかかる
という問題がすぐに頭をもたげてくるのです。

極端に言えばですが・・・たとえば10アールあたりの経営収支において
同じ時期に、同程度の収量と品質の収穫があった場合には

 燃料代は100万円かかった

というよりも、

 燃料代は50万円ですんだ

というほうが、確実に収益があがっていることになりますものね。
そこで重油の節約/省エネ技術が、重要視されてくるというわけです。

さて、そんなハウス栽培においての保温技術ですが、

 ■ かん水は、晴天時の午前中の早い時間に行なう
 ■ 強風時の換気には、ハウス屋根のビニールは風下側を開ける
 ■ 暖房機のハウスダクト〔暖気の通る道〕を適切に配置する
 ■ 翌朝冷え込みが強いとされる場合に、夜間温度を高めに設定する


などといった〔なるべく重油を焚かないように努力したうえでの〕
対策が定番となっていますよ。

というわけで今回は、ハウス栽培は真冬に行なわれているという事実
を、まずは認識していただく回
 ということになりました。

◎ 30年ほど前にはリットル30円台だった重油が、いまやリッル
  100円!ちかくに
も〔円安もありますし〕。
  農家の所得が減少している原因のひとつとして、当然のこととし
  てこの燃料経費の増大があげられています。こんな情勢のなかで、
  農家さんが経営者として重油の節約を考えられるのは、至極当然
  の事なのです。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染