顔回の一期一会

時の徒然なるままに

炉火緋し

2013-11-11 10:43:27 | 好日

11月に入り、そこここで初雪の便りが届きます。

窓から見渡せる手稲の山々も薄化粧をはじめました。

 

そんなある日、炉開きがありました。

八十八夜からお茶摘みがはじまり、行程を得て壺に収めておきます。

それを初めて、新茶として壺より出していただきます。

茶の世界のお正月とでもいいましょうか。

この日のお軸は、「壺中日月長」 玄道御老師のお筆です。

床には、新茶を収めていた壺が飾られます。

紐が結ばれています。(正面、真、向って右横、行、左横、草)

床柱には、今日に相応しく、顔回の花入れに、吉祥草、沙羅双樹の照葉が

水に繋げてあります。

どれもお目出度いお仕度です。

昔の囲炉裏の名残りで、炉が開かれます。

少しでも暖かく、お客様へ火を近付けます。

お部屋を暖かくして、火が見えるだけで、ホッとした感じがします。

お香も今までの、白壇、沈香ではなくて練香を使用します。

香合も、焼物にかわります。

織部の弾香合です。(お香銘は松重)

お菓子は、子孫繁栄、無病息災を祈念する中国のしきたり

から来る亥子餅で、日本でも平安時代から玄猪として、儀式があったようです。

こうして、新茶と新しい設えでお客様をお迎えします。

元気で、炉開を迎えられた喜びを、亭主とお客様共に分かちあいます。

 

長い冬を迎え、無病息災を祈る気持ちは、何方にも大切なことであります。

一時の楽しい時間を過ごし幸せな気分で、帰宅しました。