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ニカラグア:出稼ぎを選ぶ若者たち(IPSJapan)

2006-10-02 00:00:00 | その他のニュース
【マナグアIPS=ホセ・アダン・シルヴァ、10月2日】

 ニカラグアでは過去16年間で経済的理由を伴う出稼ぎにより、約100万人が海外で暮らしている。Network of Nicaraguan Migrantsの代表マーサ・クランショウ氏は、現在の出稼ぎ労働者は90万人から100万人の間であるとしている(内訳はコスタリカに約60万人、米国に約35万人、エルサルバドルに約10万人)。

 M&R Consultoresが行った調査によると、若者の10人に6人が『働き口』と『より高い収入』を求めて母国を離れることを考えているという。同社の取締役ラウル・オブレゴン氏は「ニカラグアでは仕事を見つけることはできないが、海外では多くの機会があるため、出稼ぎ労働者からの送金で残された家族を養うことはできる」とIPSの取材に応じて語った。ニカラグアでは現在、人口500万人のうち80%が1日2ドル以下という貧困状態の生活を強いられている。

 さらに(若者の問題に取り組むNGO団体)Fundacion Desafiosが行った世論調査では、農村部の25歳未満の若者のうちほぼ4分の3が、安定した職を求めて出稼ぎを希望しているという結果が出た。また調査対象者の82%が政府からの経済的支援を受けていないと答え、奨学金を支給されている者は僅か12%だけであった。

 しかし、ニカラグア中央銀行の取締役マリオ・アラナ氏は、エンリケ・ボラーニョス大統領の5年間の任期中に失業率は5.6%にまで改善されたと公表。各団体が出した調査結果と政府側の結果とは矛盾する形となっている。

 一方で、出稼ぎ労働者が故郷に送金した金額は、着実に増加している。貧困や人口問題に詳しいユアン・カルロス・グティエレス氏は、出稼ぎ労働者による海外送金は、同国での貧困問題に対する当面の対応策であると見ている。

 クランショウ氏は、(父(または母)不在の家族の中で育つことになる)ニカラグアの40万人の子供たちの将来への不安を指摘し、同国の出稼ぎ増加の傾向に懸念を示している。またグティエレス氏も「(出稼ぎ労働者の大半を占める)24~26歳の技術力のある若年労働者の流出は、国にとっては大きな痛手となるはずだ」と語った。

 ニカラグアにおける若者の出稼ぎの現状とその問題点について報告する。(原文へ)http://ipsnews.net/news.asp?idnews=34959

翻訳/サマリー=松本宏美(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩



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