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アイヌ伝承歌集を出版 歌い手と親交20年、楽譜に記録(朝日新聞社)

2012-07-24 00:00:00 | イベント情報・書評
アイヌ伝承歌集を出版 歌い手と親交20年、楽譜に記録
[文]林美子  [掲載]2012年07月24日

著者:千葉伸彦  出版社:クルーズ 価格:¥ 2,625

 楽譜がない音楽であるアイヌ民族の伝承歌50曲を、神奈川県に住むギタリスト、千葉伸彦さん(55)が五線譜に採り、CD付きの歌集として出版した。アイヌ民族の楽譜付き歌集は前例が非常に少ない。アイヌ民族の歌に魅せられた千葉さんが、20年以上にわたって歌い手たちと親交を結び、学んできた成果だ。
 本のタイトルは「阿寒のうた[ウポポ]」。北海道・阿寒湖畔に住む60~80代の女性5人の歌をCD2枚にし、歌詞や楽譜を収めた。アイヌ語研究家の大野徹人さんによる解説と、写真家の宇井眞紀子さんが撮影した踊りの魅力的な写真が添えられている。
 千葉さんのアイヌの歌との出会いは1989年、北海道のコンサートツアーがきっかけだ。地声と裏声が頻繁に入れ替わり、ビブラートやのどの使い方も独特。「聞いたことがない響きで、とにかくひきこまれました」。研究者の調査に同行し、自分でも調べるうちに、今回のCDに歌を収めた弟子(てし)シギ子さん(81)に出会う。歌い手を訪ね歩き、口伝えで覚えた。
 歌は五線譜にメモとして採り、論文を書き、東京でアイヌ民族の人に教えもした。阿寒の女性たちの歌の録音を依頼され、アイヌ文化振興・研究推進機構の助成を受けて本とCDにまとめた。増刷分から一般に販売している。
 アイヌの歌はCDはあっても、採譜した歌集は、60年に日本放送協会が編集した本がある程度だ。五線譜にしにくい音もあるが、「楽譜を見ながらCDを聞くことで、理解しやすくなると思う」と千葉さん。裏声やのどの操作を示す記号も細かくつけた。アイヌ民族の人たちからも「わかりやすい」と好評だ。
 「地域によって歌は異なる。各地の歌や古い時代の歌も聞き起こしていきたい」と千葉さんは言う。出版は「クルーズ」(札幌市)。2625円(税込み)。

http://book.asahi.com/booknews/update/2012072500008.html


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