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◆旭川の木彫りお墨付きを 歴史100年の条件クリア 「伝統的工芸品」申請へ

2007-05-06 07:52:00 | アイヌ民族関連
北海道新聞(05/06 07:52)

「伝統的工芸品」指定へ期待のかかる木彫工芸品=旭川市内の工房

 【旭川】旭川市は本年度、地場の木彫工芸品にお墨付きを得ようと道内で初めて、国の「伝統的工芸品」指定を目指す取り組みを本格化させる。北海道土産の定番・木彫りクマを広めるなど、道内の木彫産業をけん引してきた旭川だけに、市は「北海道ウタリ協会と協調して指定にこぎつけたい」と意気込んでいる。

 「伝統的工芸品」は、一九七四年制定の法律に基づき経済産業相が指定する制度。加賀友禅(石川)や南部鉄瓶(岩手)など全国で二百十品目が指定されている。しかし、指定条件の一つの「産業として百年以上の歴史」が障害になり、道内からの指定はまだない。

 旭川市工芸センターによると、旭川ではアイヌ民族の木彫りが一九○○年ごろから商品化され、戦後は観光産業として発展。七○年代には生産額が年間十億円を超えた。

 しかし、おみやげ需要の多様化で二○○五年には八千五百万円まで減り、木彫工芸品作りに携わる人も、現在は二十社三十人にとどまるという。

 数年前から指定を模索していた同市だが、木彫工芸品の伝統が百年を確実に超えたことから、あらためて取り組むことに。「伝統的工芸品」になれば知名度が上がり、優良工芸品のお墨付きも付く。新商品開発や後継者育成へ補助金制度の活用も可能になり「指定で、産業衰退に歯止めをかけたい」と同センター。

 指定申請は協同組合などの事業者団体に限られるため、市は前段作業として本年度、申請に必要な木彫工芸品の実態調査を行う。

 これを受けて今秋にも、十年以上前から指定に向けて独自で調査、研究している道ウタリ協会と協議し、申請団体の新設など具体的な手続きを確認する方針だ。

 同センターは「知名度を向上させ、担い手育成に弾みをつけたい。団体設立を含め道ウタリ協会と綿密に連携したい」。旭川市在住の木彫作家で道ウタリ協会理事の川上哲さん(57)は「道内の木彫産業はアイヌ文化が源流にあるが、作品の普及を考えるとアイヌ民族だけで存続は難しい。関係者が意見交換し、足並みをそろえる必要がある」と話している。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/24293.php


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