愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

国家の最高法規である日本国憲法の宣伝を政治的と評価する公共交通機関土佐電気鉄道の倒錯思考に大喝!

2014-04-16 | 憲法を暮らしに活かす

憲法擁護の宣伝が「政治的」とは驚き!

何が「政治的」か、説明すべき!

以下の毎日新聞を読み驚きました。「内規」を理由に断るという手法は、一見民主主義的ですが、この国の人権と民主主義に対する理解度、実践力の到達点を示しているように思います。しかし、それは、実は、とんでもない思考回路にもとづく民主主義否定をも浮き彫りにしたように思います。

それは国家の最高法規である日本国憲法によって土佐電気鉄道の経営が守られていることなど、その前提を「内規」を優先することで、憲法自身を否定しているという事実があるからです。憲法に守られているものが、憲法を否定していることに気づかないという珍事です。以下記事をお読みください。

毎日新聞 土佐電気鉄道:消える路面電車「平和憲法号」 抗議受けて 2014年04月16日 02時30分(最終更新 04月16日 05時49分)http://mainichi.jp/feature/news/20140416k0000m040182000c.html

戦争放棄や生存権の堅持を訴える「平和憲法号」。今年から運行が中止される=高知市桟橋通4の土佐電鉄本社前で2012年4月28日、最上和喜撮影

市民団体の負担で車体に「守ろう9条・25条を!!」など

 土佐電気鉄道(高知市)は、5月3日の憲法記念日に合わせて毎年走らせてきた路面電車「平和憲法号」「憲法9条号」の運行を今年から中止することを決めた。市民団体の負担で車体に「守ろう9条・25条を!!」などのメッセージが描かれ、護憲を訴えてきたが、乗客から抗議を受けて中止を決めたという。市民団体側は文言の見直しを検討するとともに運行を求めている。【最上和喜、吉田卓矢】

 平和憲法号は市民団体「平和憲法ネットワーク高知」などが2006年から、憲法9条号は高知憲法会議などが昨年から企画。9条に加えて国民の生存権を規定した25条の堅持も盛り込み、それぞれ約70万〜80万円の費用を全て街頭募金やカンパなどで賄った。同社が運行する約70両の車両に交じり、高知市など3市町で5月3日前後から約4カ月間運行してきた。

 土佐電鉄によると、昨年5月に乗客らから『憲法を守ろう』という広告は意見広告ではないか」との抗議が電話やメールで数件ずつ寄せられた。この電車を批判するブログが見つかったこともあり、対応を協議。今年3月、平和憲法ネットなどに「意見広告は内規で禁じている。『平和憲法号』なども世論が変われば意見広告ととられることもあり、政治的な問題になってしまったので運行は中止する」と通告した。

 土佐電鉄の入交聡経営企画室次長は「公共交通機関である以上、内容が意見広告であると誤解を招くような広告は好ましくなく、運行は中止せざるを得ない」と説明する。

 運行に携わってきた市民団体「県平和運動センター」の山崎秀一議長(57)は「世の中の右傾化の動きに民間企業が屈したとも言え、この流れは危険だと感じる。何とか電車を運行できるよう、文言を変えるなど手立てを考えたい」と話している。(引用ここまで

「世論が変われば」憲法擁護は「政治的」か!

ならば、戦争反対も「政治的」か!

治安維持法時代と同じではないか!

毎日よれば、広告を断った理由は、以下のとおりです。

「意見広告は内規で禁じている。『平和憲法号』なども世論が変われば意見広告ととられることもあり、政治的な問題になってしまったので運行は中止する」

公共交通機関である以上、内容が意見広告であると誤解を招くような広告は好ましくなく、運行は中止せざるを得ない

1.「世論が変われば」という前提そのものが間違いです。如何に「世論」が変わろうとも、国家の最高法規である日本国憲法は厳然として存在しているのです。

2.国家の最高法規である日本国憲法を「政治的な」問題にしたから、憲法の人権規定をないがしろにして良いのかどうか。

3.しかも憲法を「政治的」問題にしたのは、一体誰か。それは、本来憲法尊重擁護の義務を追っている日本国政府自身です。追及され、糾されなければならないのは、日本国政府自身です。

4.土佐の自由民権指導者である植木枝盛が、1881年(明治14年)に、私擬憲法の中では最も民主的、急進的な内容とされる『東洋大日本国国憲按』のなかで明記した抵抗権革命権不服従権にも反する行為と言わなければなりません。土佐の民主的伝統が生きていないことが示されてしまいました。

5.そもそも、国民の交通権を保障しなければならない「公共交通機関」も日本国政府と同様に憲法尊重擁護の義務を負っているのは当然のことなのです。

それは何故か。それは、個人の尊重・幸福追求権の保障(憲法13条)、居住・移転の自由の保障(憲法22条)、生存権の保障(憲法25条)、安価な運賃を消費者である国民に提供する消費者の権利の保障の義務など、「公共交通機関」の「責務」は、消費者基本法鉄道事業法などは、実は日本国憲法の人権規定に由来しているからです。

7.それを「政治的」として「差別」することは、憲法の表現の自由(第21条)、濫用禁止・利用責任の放棄(第12条)に違反していることは明らか、当然です。

8.このことは、「内規」自身を憲法の上に置き正当化している思想ということを意味しているのです。憲法は「憲法の条規に反する法律、命令、詔勅、及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」(憲法98条)と明記しているのです。このことを土佐電気鉄道はどこまで自覚しているのでしょうか。

それでは、土佐電気鉄道が、如何に憲法に違反しているか、憲法に対して無理解か、土佐電気鉄道のホームページで検証してみます。

「広告掲出にあたっては、原則以下基準のもと業種及びデザイン他を当社にて事前審査を行い可否を判断します」とあるように、今回の判断が、土佐電気鉄道の「基準」にもとづいて「判断」したことが判ります。 http://www.tosaden.co.jp/koukoku/rules.html

(1)法律、条例に違反もしくはその恐れのないものであること。

(2)風致、美観を損なう恐れのないものであること。

(3)政治的、思想的意図のないものであること。

(4)乗客、公衆に不快の念を与えないものであること。

(5)公序良俗に反するものではないこと。

(6)暴力団等反社会力はこれらに準ずると認められるものではないこと。

(7)その他、当社が不適当と判断するものではないこと。

適用範囲

土佐電気鉄道株式会社の運営する広告媒体及びグループ会社が運営する広告媒体。

各広告に関する主要な規制法令、条例、自主規制

広告の形態や、広告される商品・サービスの種類によっては、関連する法令や条例、及びそれぞれの業界の自主規制などで、広告表現や広告掲出の条件が規制を受ける場合があるので、広告掲出可否については当社にお問い合わせ下さい。

掲出の中止

掲出許可後、掲出にあたっての判断基準(1)~(7)に該当する状態と判断した場合は掲出を中止します。当社は、掲出中止の際生じる費用の負担の責は負いません。

車体広告  詳細はこちら>>

2014.04.08 「法令遵守と信頼回復」に向けた取り組み状況報告書

土佐電気鉄道は憲法尊重擁護の義務感覚も思想もなしでいいのか!

どうでしょうか。ここに憲法の人権思想を尊重するという規定は極めて希薄です。

1.「法令遵守」とは、国家の最高法規である日本国憲法でなければなりません。

2.「法律、条例に違反」と言いますが、その「法律、条例」そのものが憲法に違反しては成り立たないのですが、そのことについては、不問です。どれほどの自覚があったか、これだけでは不明です。

2.「風致、美観を損なう」「公序良俗に反する」「乗客、公衆に不快の念を与えないもの」「暴力団等反社会力はこれらに準ずると認められるもの」などが、憲法の「濫用禁止・利用責任の放棄」(第12条)や個人の尊重・幸福追求権の保障(憲法13条)に当てはまるというのでしょうか。であるならば、「政治的、思想的意図のないもの」との整合性はどうなんでしょうか。全く矛盾しています。

3.しかも、毎日の記事によれば、この企画は「2006年から」始まって継続していたのであって、たまたま昨年、「抗議が電話やメールで数件ずつ寄せられた。この電車を批判するブログが見つかった」というものだったのです。こちらを優先したというのはどういうことでしょうか?

4.これが、土佐電気鉄道の「基準」の示す「恐れ」であり、「当社が不適当と判断する」ということだったのです。極めて曖昧な「判断」「恐れ」と言わなければなりません。地域の「公共」の「交通機関」として、憲法を無視した土佐電気鉄道の経営方針の問題点が浮き彫りになっていないでしょうか。

5.「2006年から」継続的に行われていた「守ろう9条・25条を!!」のポスター(宣伝)が、以下の理由で、拒否されたということが、まかり通るとすれば、それは、この国の民主主義の危機を示すものと言わなければなりません。

(1)法律、条例に違反もしくはその恐れがあったから

(2)風致、美観を損なう恐れがあったから

(3)政治的、思想的意図があったから。憲法擁護を宣伝することは政治的、思想的だから

(4)乗客、公衆に不快の念を与えたから

(5)公序良俗に反するものであったから。

(6)暴力団等反社会力はこれらに準ずるものであったから。

(7)その他、当社が不適当と判断するものあったから

以下、これに関する記事をご覧ください。

「9条守れ」電車でGO/高知 8月まで走行 - 日本共産党中央委員会

路面電車 「憲法9条号」 走らせます: 高知県労働者学習協議会

jblpalagon.seesaa.net/article/356145000.html

「平和憲法号」がゆく!力走むなしく護憲派大敗 土佐電鉄 (産経新聞)2013年8月16日

【鉄道ファン必見】平和憲法号がゆく 土佐電鉄 ごめん! 力走むなしく護憲派大敗 Facebook Mini Icon 187 MSN産経ニュース 2013年8月16日(金) 12時00分

行き止まり線の旅(6)土佐電鉄 Facebook Mini Icon 5 YOMIURI ONLINE 2013年8月1日(木) 0時00分

土佐電気鉄道:消える路面電車「平和憲法号」 抗議受けて - 毎日新聞 Facebook Mini Icon 657 毎日jp 4月16日 2時30分

<土佐電気鉄道>消える路面電車「平和憲法号」 抗議受けて Facebook Mini Icon 30 Yahoo!ニュース 4月16日 2時31分

ところで、土佐電気鉄道が週刊誌の中吊り広告に対してどのように扱っているか、判りませんが、以下の広告に代表されるような政治的な発現はどう扱っているのでしょうか。

週刊ポスト 4/25号http://www.shogakukan.co.jp/magazines/detail/_sbook_2005404114

それにしても、この事実を、マスコミが大きく取り上げないのは、「政治的」と言わなければなりません。あの浦和レッズの一部のサポターの横断幕事件、アンネの日記本破棄事件、お遍路さん朝鮮人排除張り紙事件に匹敵する、いや憲法そのものを活かす運動を排除する、とんでもない事件なのに、です! 



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