愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

現代国際社会で「日本の存立が脅かされる事態」は起こるか!?起ると主張する安倍=読売・産経・富山新聞には憲法9条平和主義を使う気全くナシ!国内の自然の脅威に関心全くナシ!

2018-09-20 | 戦争法廃止

平和憲法の枠組みとは何か!

曖昧な主張が自衛隊の海外派兵推進を招いている!

憲法平和主義とは何か!

国際紛争を解決する手段として使うのは

非軍事的非暴力的平和的手段である!

平和外交の徹底化である!

対話と交流の徹底化である!

本来の意図をサボり、脅威を煽り肝心要を形骸化させるな!

安保法がもたらす過度の米国傾斜や軍事への偏重は、安全保障上の緊張を高めるばかりだ。

政府が取り組むべきは、平和憲法の枠組みの中での国際貢献の在り方を再定義することである。

その上で安保法の必要性や問題点の洗い出しが欠かせない。法の廃止も決してためらってはならない。

日本防衛のための必要最小限の実力組織として自衛隊が発足したが、

専守防衛に徹し、他国同士の戦争には加わらない九条の精神を一内閣の判断で独善的に変えていいわけがない。

愛媛新聞社説  安保法成立3年 自衛隊派遣の既成事実化許すな  2018年9月19日

https://www.ehime-np.co.jp/online/editorial/

自衛隊の任務を大幅に拡大した安全保障関連法の成立から3年となった。この間政府は、米軍艦艇への「武器等防護」や洋上給油といった対米支援を柱として、国民に詳しい説明も行わないまま、法の実績づくりを推し進めてきた。恣意(しい)的判断で自衛隊が運用されるのではないかとのこれまでの懸念が現実となったことを強く危惧する。

集団的自衛権の行使を可能にした安保法は憲法に抵触するとの疑念は深く、日本がかつての道に戻るのではないかとの警戒も国内外に根強い。それでも政府が自衛隊の活動拡大に固執するのは、安倍晋三首相が9条への自衛隊明記をもくろむ改憲への地ならしが狙いであることは明らかで、看過できない

この3年で国際情勢は大きく変化している。安保法がもたらす過度の米国傾斜や軍事への偏重は、安全保障上の緊張を高めるばかりだ。政府が取り組むべきは、平和憲法の枠組みの中での国際貢献の在り方を再定義することである。その上で安保法の必要性や問題点の洗い出しが欠かせない。法の廃止も決してためらってはならない。

安保法を巡っては新たに、法施行で可能となった「国際連携平和安全活動」を初適用し、イスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をするエジプト・シナイ半島の「多国籍軍・監視団」(MFO)への陸上自衛隊員派遣を検討していることが明らかになった。安全が確保できると判断すれば、年明け以降に司令部要員として陸自幹部数人を派遣する意向だ。将来的には部隊派遣も視野に入れている。

「積極的平和主義」を掲げる安倍政権だが、昨年5月に南スーダンの国連平和維持活動(PKO)から撤収して以降、PKOへの部隊派遣は途絶えたままだ。現地政府と反政府勢力の大規模戦闘に陸自隊員が巻き込まれる寸前だった南スーダンをはじめ、PKOはアフリカ各地の危険地帯での展開が多い。防衛省・自衛隊が派遣に二の足を踏むのも当然である。

そうした中で、以前から米国に参加を打診されていたMFOは、政府にとって「渡りに船」だったと言える。エジプト・イスラエル関係は比較的安定しているとされ、「派遣ありき」の官邸、外務省と、「隊員の安全第一」の防衛省・自衛隊の思惑が一致した格好だ。

しかし、MFOは国連が統括しない活動だ。結果的に一部の勢力・組織の軍事支援に利用される危険がある。中立・公平な活動が担保できるのか慎重な議論が不可欠だ。

現地の治安も不透明な部分が大きい。過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓うグループがエジプト軍や治安部隊へ攻撃を仕掛けている。「過激派の根絶は困難」とする専門家もおり、不測の事態に巻き込まれるリスクは拭えない。政府の事情のみをもって、なし崩し的に派遣の検討を進めることは断じて許されない。

読売新聞 安保関連法3年/日米同盟の対処能力を高めよ 2018/9/20

日米同盟の抑止力を向上させるとともに、国際社会の平和と安定に貢献することが重要である。不断の努力を重ねなければならない安全保障関連法が成立から3年を迎えた。安保関連法の柱は、日本の存立が脅かされる事態が発生した際に、集団的自衛権の限定的な行使を認めたことだ。危機に備え、平時での米軍への後方支援活動も拡大した。共同対処能力を高めるうえで、意義は大きい。海上自衛隊はこの間、米艦船への給油活動などを行い、航空自衛隊は米爆撃機を防護した。ハワイ周辺海域では今夏、米海軍主催の環太平洋合同演習の一環で日米共同訓練が行われた。2年に1度の訓練には、陸上自衛隊も参加し、米軍と共同で対艦戦闘訓練などを実施した。日米の訓練が憲法に抵触しかねない、といった過剰な制約が是正されたと言える。様々な事態を想定し、日米同盟の実効性を高める取り組みが欠かせない。防衛省は、南シナ海で海上自衛隊の潜水艦が護衛艦とともに訓練を行ったと発表した。南シナ海の軍事拠点化を進める中国に対し、米国は「航行の自由作戦」で対抗する。英国も艦船を派遣した。海上交通路(シーレーン)の確保は、日本にとって極めて重要だ。自衛隊は欧米やアジア諸国との連携を強め、中国に自制を促さなければならない。関連法のもう一つの柱は、自衛隊の国際貢献の幅を広げたことである。国連平和維持活動(PKO)とは異なる多国籍軍に協力する道を開いた。機動的な対処を可能にする狙いがある。政府は、エジプト東部シナイ半島で活動する多国籍軍監視団(MFO)への陸自隊員の派遣を検討している。MFOは、エジプトとイスラエルの国境周辺で停戦監視などにあたっている。司令部要員数人を送る方向だ。自衛隊が新たな活動に従事することは、政府が掲げる積極的平和主義の具体化につながろう。日本は現在、PKOに部隊を派遣していない。国力に見合う人的貢献を積極的に模索すべきだ。南スーダンのPKOに派遣された陸自の部隊には「駆けつけ警護」などの任務が付された。実施する機会がないまま撤収したが、救援を求める人を助けられなかった法の不備を改めた意味は重い。国際社会の安定に貢献し、日本の信頼を高める。それにより、国益を守ることが大切だ。(引用ここまで)

読売新聞 富士山噴火対策/リスクの見極めがまず大切だ 2018/9/18

 起こり得る巨大災害のリスクを放置しておいてはならない。日本の象徴・富士山についても同様だ。活動中の火山である。万一の噴火がどのような災害を引き起こすのか。見極めておくことが、まずは大切だろう中央防災会議の作業部会が、富士山の噴火による首都圏への影響の検討を始めた。専門家の議論を踏まえて、大量の火山灰が降った時のリスクや、取り得る減災対策を1年程度でまとめるという。先端技術で支えられた大都市が大規模噴火に見舞われた例は、世界的にない。予測データに基づく実証的な検討が重要になる。国内の火山の多くは、活動期が50万年以上だ。これに対して、富士山は10万年前に形成が始まったと考えられる。比較的短期間で最高峰になった。その原動力は、地下に供給されるマグマだ。過去3200年間に100回以上、噴火している。山頂や山麓には、火口が70以上も確認されている。大半は小規模の噴火とみられているが、少なくとも7回は、大規模だったとみられる。最大だったのは、864~866年の貞観噴火だ。14億立方メートルの溶岩が麓の湖を分断した。1707年の宝永噴火が、これに次ぐ。溶岩換算で7億立方メートルの火山灰が噴出した。これが現在の東京都心にまで飛散して、積もった。作業部会は、これらの事例をベースに検討を進める。最大規模を想定するのは当然だろう。内閣府や麓の山梨県などは、富士山の噴火履歴を踏まえて、2004年に、溶岩流、火砕流などによる周辺への影響を地図化した初のハザードマップを策定した。だが、研究の進展とともに、より深刻な事態が指摘され始めた。代表例が、火口の新たな痕跡の発見だ。これまで噴火を想定していた範囲の外でも確認された。最新の研究成果を対策に反映させることが肝心である。関係自治体は既に、ハザードマップの再検討に着手している。火山灰の拡散に関しても、宝永噴火の精密な分析例が増えた。噴出は16日間続いたが、その量や風向きなどを考慮すると、同規模の噴火で首都圏に、当時より多くの降灰がある恐れが判明した内閣府が集めた国内外の降灰の事例では、約10センチで道路は車が走れなくなる。約5センチで上水道が被害を受ける。約1センチでも送電線への付着で停電が発生する。首都の中枢機能を守る方法はないのか。知見を結集したい。(引用ここまで)

 

 産経新聞 海自の潜水艦演習/南シナ海の「自由」を守れ 2018/9/20

法の支配に基づく自由で平和な南シナ海を実現するために、日本が積極的な役割を果たし続ける意思の具現化である。
海上自衛隊が、南シナ海の公海で、潜水艦「くろしお」とヘリ空母型の「かが」など護衛艦部隊による、潜水艦戦を想定した演習を実施したと発表した。
15年以上前から行ってきたが、公表は初めてだ。安倍晋三首相は、「特定の国を念頭に置いたものではない」と語ったが、国際法に反して南シナ海支配をもくろむ中国を牽制(けんせい)した演習であるのは明らかだ
中国外務省報道官は「域外の関係国は慎重に行動し、地域の平和と安定を損なわないよう求める」と反発した。南シナ海情勢が安定に向かっているからだという。
二重のウソをついている。平和と安定を損なっているのは中国のほうである南シナ海で人工島を造成し、軍事基地化を進める中国の行動は国際法に反すると、ハーグの仲裁裁判所が2016年に裁定した。それでも人工島を領土と強弁し、ミサイルなどを配備して南シナ海支配を固めようとしている。
日米など多くの国が経済上、軍事上の海上交通路(シーレーン)とする南シナ海は、インド太平洋地域の繁栄の基盤である。だからこそ多くの国が、中国の行動に懸念を示してきた。米国は「航行の自由」作戦を展開し、中国の不当な南シナ海支配を認めない姿勢を示してきた。英国とフランス、オーストラリアは同作戦支持を表明し、海軍艦船や航空機を南シナ海へ派遣してきた。海自が沿岸国のベトナムやフィリピンに寄港したり、演習を行ったりしたのは、米英仏豪各国などと足並みをそろえる意味合いがある。
「くろしお」は演習後、ベトナムに寄港した。護衛艦部隊も東南アジア周辺海域で長期訓練を行った。中国の圧力にさらされる沿岸国など東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国に法と正義を貫くよう励ますものだ。
米中関係の悪化から中国は対日接近を図っている。その折に日本が南シナ海問題についてクギを刺した意義は大きい。
自衛隊とりわけ海自にはこれからも、外交上のメッセージを伝える重要な役割を十分に果たしてほしい。(引用ここまで)

富山新聞 南シナ海の訓練/シーレーン守る意思表示 2018/9/19

海上自衛隊の潜水艦「くろしお」が南シナ海で訓練を行ったと防衛省が発表した。練習艦ではなく、実際に任務に就いている海自潜水艦が南シナ海で訓練するのは初めてである。
通常は極秘とされる潜水艦の訓練をあえて公表することで、南シナ海全体の実効支配をもくろむ中国をけん制するとともに、日本の生命線である海上交通路(シーレーン)防衛の意思を明確に示すものといえる。
中国は「地域の平和安定を損なうべきではない」と反発しているが、南シナ海の海洋秩序を乱しているのは、国際法を無視して軍事拠点化を進める中国にほかならない。多くの日本商船が航行する南シナ海の安全が脅かされる事態を見過ごすことはできない。
中国の領有権主張は認められないとして、米軍は南シナ海に軍艦を派遣する「航行の自由」作戦を展開しているが、英海軍も最近、中国が実効支配する西沙(英語名パラセル)諸島付近に艦船を送り込んだと報じられている
英海軍艦船はベトナム南部のホーチミンに向かう途中に西沙諸島海域を航行したというが、今回、護衛艦「かが」などと訓練を実施した海自潜水艦も、ベトナム中部の軍事要衝カムラン湾の国際港に初めて寄港した。
外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を定期的に開催して防衛協力を強める日英両国が、南シナ海領有権問題の当事国であるベトナムとの関係を強めながら、対中安保で呼吸を合わせていることをうかがわせる動きである。
南シナ海から太平洋へ行動を広げる中国海軍には、オーストラリアニュージーランドも警戒を強めている。両国を中心とするオセアニアの地域協力機構「太平洋諸島フォーラム」は今月初めの年次総会で、安保分野での協力拡大をうたった新たな宣言を採択した。新安保宣言は、経済援助で太平洋島しょ国への影響力を強める中国に対抗する狙いであり、オーストラリアが議論を主導した。
日本のシーレーン防衛には、オーストラリア太平洋島しょ国との連携強化も欠かせない。 (引用ここまで)

朝日  安保法3年/「実績」作りに走る危険 2018/9/19

東京 安保法成立3年/「専守防衛」踏み外すな  2018/9/19

安全保障関連法の成立から三年。今、私たちの眼前にあるのは戦後日本が貫いてきた「専守防衛」を踏み外し、憲法九条が蔑(ないがし)ろにされている現実だ。
安倍晋三首相率いる内閣が「平和安全法制」と称し、強行した安保関連法の成立から、きょう九月十九日で三年を迎えた。
安倍氏は、連続三選を目指す自民党総裁選の演説会などで、安保法について「日米はお互いに助け合うことのできる同盟になった。助け合うことのできる同盟は、その絆を強くするのは当然だ」と、その意義を強調し続け、支持を呼び掛けている。
「助け合う同盟」とは、集団的自衛権を部分的ながら日本も行使できるようになったことを指す
おさらいになるが、集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が攻撃されていないにもかかわらず実力で阻止する権利のことだ。
日本の歴代内閣は憲法九条に基づいて、集団的自衛権について、主権国家として有してはいるが、その行使は憲法上、許されないとの解釈を堅持してきた。
この解釈を変え、集団的自衛権の行使を一部容認したのが二〇一四年七月一日、安倍内閣の閣議決定であり、安保法はこの閣議決定を基に策定された。
戦争放棄と戦力不保持の憲法九条が、日本国民だけで三百十万人の犠牲を出し、交戦国にとどまらず、近隣諸国にも多大な犠牲を強いた先の大戦に対する痛切な反省に基づくのは論をまたない
日本防衛のための必要最小限の実力組織として自衛隊が発足したが、専守防衛に徹し、他国同士の戦争には加わらない九条の精神を一内閣の判断で独善的に変えていいわけがない。安保法の違憲性は引き続き問われるべきだろう。
にもかかわらず、国会での追及は手ぬるいと言わざるを得ない。安保法成立当時の最大野党、民主党は分裂し、野党共闘にも影を落としている。安保法廃止を求める野党各党はいま一度結束して、憲法論争に果敢に挑むべきである。
安倍政権が成立後の三年間に進めたのは、安保法の既成事実化と自衛隊の活動領域の拡大、その裏付けとなる防衛費増額である
ここ数日、自衛隊をめぐる報道が相次いだ。その一つが、政府が秋田、山口両県への配備を計画する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、だ。北朝鮮が、米空軍が戦略爆撃機を配備する米領グアム島に弾道ミサイルを発射した場合、日本の地上イージスが迎撃することもあり得ると、防衛省が認めたという。日本を守る名目で導入される防衛装備品が、米国を防衛する集団的自衛権の行使にも使われて当然という、安保法に基づく日米の軍事的一体化を象徴する事例だ。安倍内閣はまた、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団」(MFO)に、陸上自衛隊の幹部自衛官数人を、司令部要員として派遣することを検討しているという。国際平和への貢献は必要だとしても、国連が統括しない米国中心の軍事的活動だ。参加打診は以前からあったとされるが、なぜ今、という疑問は拭い去れない。国連以外の国際機関の要請でも自衛隊を派遣できるようになった安保法の適用事例拡大に主眼があるのでは、と疑わざるを得ない。海上自衛隊の潜水艦とヘリコプター搭載型護衛艦が十三日に、南シナ海で対潜水艦戦の訓練を初めて実施したことも看過できない。南シナ海は、日本にとっても重要な海上交通路であり、中国が一方的に権利を主張し、軍事拠点化を進めることは、航行の安全確保の観点からも認められない。首相は「特定の国を想定したものではない」とするものの、中国けん制の意図があるのだろう。
かといって中国をはじめ各国が領有権を主張し合う「係争地」に乗り込んでの訓練が緊張を高めるのは当然だ。それが、武力による威嚇を、国際紛争解決の手段としては放棄した日本の役割なのか。
自民総裁選で優位が伝えられる安倍氏は自衛隊の存在を明記する九条改憲を訴え、連続三選を果たした後、今秋の臨時国会に自民党改憲案を提出し、二〇年中の改正憲法施行を目指すと明言した。
しかし、集団的自衛権の行使など安保法の違憲性を問わず、その活動を行う自衛隊の存在を憲法に明記すれば、他国同士の戦争には参加しない九条の精神を、さらに変質させることになりかねない。
眼前で起きる安保法の既成事実化や自衛隊の活動拡大を放置していいのか。平和国家の道を歩んできた戦後日本の試練でもある。(引用ここまで)

京都新聞 多国籍軍に陸自/国会で十分な議論要 2018/9/19

政府が、安全保障関連法の施行で可能になった「国際連携平和安全活動」を初適用し、エジプトで活動する「多国籍軍・監視団」(MFO)に陸上自衛隊員の派遣を検討している。安全が確保できると判断すれば年明けにも司令部要員として陸自幹部数人を派遣する意向という。
国際連携平和安全活動は安保法に含まれる改正国連平和維持活動(PKO)協力法に基づくものだ。同法では国連が統括しなくても国際機関などの要請に応じて自衛隊を派遣することを認めている。だが、国連の指揮下にない活動は戦争中や戦後の軍事支援として利用される危険性もある。中立・公平性がより求められるだけに、派遣の是非についてはさまざまな観点からの議論が不可欠だ。
自衛隊の海外活動を巡っては昨年5月に南スーダン撤収後、PKOへの部隊派遣が途絶えている。
MFOはエジプト・イスラエル平和条約に基づき1982年からエジプトのシナイ半島に展開する。両国軍の停戦監視が主要任務で米英などから約1200人が派遣されている。
軍事活動は行われておらず、両国関係も比較的安定している。アフリカ各地に多い危険なPKOに比べ、安全な地域とされる
今回検討が急浮上した背景には、安倍晋三政権が掲げる「積極的平和主義」の下で海外活動を増やしたい官邸・外務省と、「隊員の安全第一」の防衛省・自衛隊の思惑が一致したことがある。
安保法制で新設された国際連携平和安全活動はこれまで適用例はなく、政権の実績づくりの狙いも垣間見える
活動ではPKO参加5原則が準用される。要件を満たさなければ即時撤退も盛り込まれている。
だが、陸自部隊が2012~17年に活動した南スーダンでは期間中、2回の戦闘があったのに、日本政府は「武力紛争にはあたらない」として活動を継続させた。陸自派遣では、原則がないがしろにされる例や日報問題など不祥事が相次いだ。新任務でこうした事態が起きないよう、これまでの活動をきちんと検証する必要がある。気になるのは「まず派遣ありき」の政府の姿勢だ。自衛隊の活動分野が従来の国連の枠組みから多国籍部隊へと広がることになる。将来的には部隊派遣も想定されているだけに、国会でしっかりした議論を求めたい。十分な検討なしに、自衛隊派遣を続けることは容認できない。(引用ここまで)

熊本日日 陸自の多国籍軍派遣/なし崩し的拡大は問題だ 2018/9/19

政府が、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦を監視する米国中心の「多国籍軍・監視団」(MFO)に陸上自衛隊員の派遣を検討していることが分かった。決まれば、2016年3月施行の安全保障関連法で可能になった「国際連携平和安全活動」の初の任務となる。
安倍政権が掲げる「積極的平和主義」の下、自衛隊の海外活動を何としても増やしたい官邸や外務省の意向が強く反映された派遣といえよう。
ただしMFOは、PKO(国連平和維持活動)と違って国連が統括しない。平和維持のための活動が、当事者には軍事支援と見なされる危険性もはらんでいる。隊員の安全、派遣の是非などを慎重に検討する必要がある。
安保法に含まれる改正PKO協力法は、PKOと活動が似ているものの国連が統括せず、国際機関などの要請で自衛隊を派遣する国際連携平和安全活動を初めて認めた。参加には当事者間の停戦合意などPKO5原則が必要だ。
MFOは、中東戦争後のエジプト・イスラエル平和条約(1979年)に基づき82年からシナイ半島に展開。両軍の活動調査、停戦監視などを行うために、米、英、仏など12カ国から約1200人の軍人が派遣されている。
一方、自衛隊の海外派遣は2017年5月に南スーダンPKOから陸自が撤収。現在は09年から続くアフリカ東部ソマリア沖での海自、陸自による海賊対処活動と、南スーダンPKOへの陸自幹部数人の司令部要員にとどまる。
こうした中、「目に見える国際貢献」を掲げる安倍政権は新たな派遣先を模索。ただ、世界14カ所で行われているPKOはコンゴ、マリなどアフリカ各地での危険な活動が多いのが実情だ。最終的に情勢が比較的安定し、以前から米国に参加を打診されてきたMFOが浮上したようだ。
政府は官邸、外務省、防衛省による調査団を年内にも派遣。安全が確保できると判断されれば年明け以降に司令部要員として、陸自幹部数人を派遣する予定という。今回は司令部要員だが、次の段階として陸自の部隊派遣を迫られる場面が出てくるかもしれない。
集団的自衛権の行使を可能にし「米国のための法律」(防衛省幹部)とも指摘される安保法は、自衛隊と米軍との運用一体化を推進する原動力となっている。昨年5月には海自護衛艦が平時に米海軍の艦艇を守る「武器等防護」を初めて行った。
安保法と直接の関係はないものの、南シナ海やインド洋にかけての海域には昨年に続き海自の艦艇が長期派遣され、米海軍などとともに行動。潜水艦が参加した訓練も行われた。自衛隊の活動分野は急激に広がっている
しかし、安保法への国民の賛否は二分されたままだ。なし崩し的な活動拡大は許されない。派遣の必要性や現地の治安、隊員の安全といった議論の中身と決定までのプロセスを国民に示すべきだ。(引用ここまで)