未経験者歓迎!合気道S.A.岩本道場のブログ

普段の稽古内容を中心に更新していきます。
道場の雰囲気や指導員岩本の人柄なども感じて欲しいです。

理論と現実

2005-11-27 12:40:48 | Weblog
昨日は、代表師範の稽古日であった。
武器術と体術である。

このブログでも何度も書いているが、武器術の身体操法は、私の体術に良い影響を与えている。
例えば、「絞り」「重心の置き方」「後ろ足の張り」「体幹の使い方」etc.
頭では分かっているつもりだが、なかなか身体では体現が難しい。
これは、稽古を通じて身に付けていくしかないだろう。

また、型稽古でそれら感じた身体の使い方を意識して稽古をしてみる。
若干の違和感を感じる…
理想通りに身体を使っていなかった証拠であろう。
これも稽古で少しづつ身に付けていくことしかない。

合気道の型は、基本でありながら「ある種の理想形」として出来上がっているのではないかと思う。
『競技格闘技などはフェイントがあったりするので、いきなり力を込めて打ってこないだろう…』
『振りかぶるように打ってくる奴なんているのか?』
色々言われる事があり、それぞれに一理ある。
私個人の現段階での考えを述べさせて戴ければ、型は先に書いた「ある種の理想形」なので、技のかけ時の「最後の一部分」を切り取っていて、実際はあのシチュエーションに持っていく(様に導く?)事が大切で、故に、その一瞬を見逃さないような稽古が必要だと思う。

その「理想の最終形」と「現実への生かし方」の“のりしろ部分”が現在の稽古方ではまだまだ改良の余地があるように感じる。

当団体では、コンビネーションや組手がある。
そこで、嫌と言うほど理想を追い求めて、細かいことを言われて身につけた動き(理想)を動いている相手(現実)を前にして検証・すり合わせ(?)をしている。
実際は、なかなか上手くいかないことが多いが、それでも何かを感じることが出来る。(自分に課題を設けていれば…)

合気道の考え方や理念・理合を追い求めるには型稽古や細かな身体操法を意識する事は非常に重要で、当教室でも一番時間を割いて行う稽古である。
しかし、その理想の動きを身に付けても現実にはどうなのか?を試せなくては、もったいないことだと思う。

現実を知らないことが一番怖いことである…
合気道で言えば、少なくとも護身に繋がるものを身に付けて戴きたいと考える。
理想の動きを現実で出来るための稽古体系…試行錯誤ではあるが、私なりに取り組んでいる。

もう、数年前になるが、ある団体と交流を持ち、その団体も打撃と関節技を導入していると言うことで、当団体の試合にも参加した事があった。
私も参加して、その団体の方と対戦することとなった。
結果は、散々であった…
ルール上、判定にまでもつれ込んだが、ルールに守られた私の完璧な敗北であった…
全く持って良いとこなしであった…
当時、まだ始めたばかりで、合気道7級であったとはいえ、空手や柔道の経験もあり、そこそこいけると思っていたが、悲しいくらい動けなかった…(現実は、頭の中とは違ったのである)
自分の行っている打撃と合気道の融合について考えさせられるいい経験となった。
そして、その経験が今の稽古を考える上でも参考になっている。

当教室にも他格闘技を学んでいる人が多い。
「指導員が誰よりも強い」ということは、理想ではあるが、難しい事だと思う。
彼らの得意分野で組手を行うと、してやられる事も多い。
私の修行不足を身に染みて感じる瞬間でもある。
しかし、自分達の行っている武道の技術や理念がしっかりしたものであり、武術的にも「身を守れる術」として提供できるものであれば、自信を持って教えることは出来るし、合気道にはその価値があると思う。
後は各自の修行しだいである。

そういう(限定されてはいるが)現実を知るこが出来るのも、稽古があるから、当団体には組手があるからではないかと思う。

女性なら、実際に男性が力を入れて攻撃してきたらどのくらいの衝撃があるのか?を知るだけでも意味のあることだと思う。
当団体では、女性会員にもミットを持ってもらい、男性の打撃を受けていただく機会を設けている。
打つ方は全力で打ってはいないが、それでも力の差を感じることは出来ると思う。
そうすると、無茶なことをしようとは思わなくなる。
ここでも、「現実を知る」稽古を取り入れている。
子供なら、「どうやっても思い通りに行かず、敵わない相手がいる(例えば大人)」ということも知ってもらいたい。
弱者がどうやって生きていけるかを考えるのも広義の「護身」ではないかと考える。

「生兵法は怪我の元」と言うが、現実を常に知ることで、謙虚に無意味な争いを避ける精神も身につくと考える。
我々、武道を学ぶものは力を付けながら、現実を知り常に謙虚でありたい。

その為には、常に現実を知ることであると私は思う。
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