39ギター

35年ぶりに弾き始めたクラシックギター
神経痛と戦いながら
どこまでバッハに迫れるか
蝶も花もアーチェリーもあるよ

人間は皆未完のまま消えてしまう

2012-02-12 15:08:27 | バッハ

こんにちは
いい天気の日曜日なのに何をしていたかというと、団地の管理組合の臨時総会と言うことで、10時から13時半まで冷たい椅子に座ってどちらかというとつまらないことを聴いてきました。
まあ自分も共同所有者なのですからくだらないことではないのですが、役員の皆さんが一生懸命作って下さった議案に些細なことでケチをつける人がいたりして、そのことがくだらない会議という印象を付けてしまいます。
団地の管理組合を法人化するという話で、もう何年も前から話し合われ計画され練られてきたものですから、この際すんなりと可決すれば良いものを何か言いたい人が目立ちたい気持ちからか、つまらんことを言い出すそんなパターンで昼ご飯も食べずに腹ぺこでやっとのことで採決したと言うことです。
・・・
と言うことで14時過ぎに温かいそばを腹一杯食べて、やっと自分の時間になりました。
今日のクラシックは、

バッハ:フーガの技法、他 バッハ:フーガの技法、他
価格:¥ 2,400(税込)
発売日:2007-10-24

指揮:カール・ミュンヒンガー
シュトゥットガルト室内管弦楽団
です。
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この曲はバッハの最後の作品。
1740年代前半に着手され、視力を全く失った最後まで、およそ10年にわたって書き続けられ、最後のフーガは結局未完に終わりました。
対位法の音楽史上最高の作品です。
大きな変奏曲とも言えるこの作品は楽器の指定が無く、古くはチェンバロ、ピアノ、オルガンで演奏されましたが20世紀前半からアンサンブルのための編曲版による演奏が多くなりました。そのなかでミュンヒンガーによるこの編曲版は、その精緻な構成と格調高い端正な演奏で、この曲の決定版として知られるものです。
最後の「4声の四重フーガ」は絶筆で239小節の未完であるため出版に当たって次男のエマニュエルがコラールBWV688aを追加して締めくくりとしました。
一般には地味で難解と思われる作品ですが、整然とした音楽の美しさは滋味深く、感動を覚えます。
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と言うことです。
最初に主題が演奏されそれが単純なフーガを経て転回・反行・拡大・縮小・鏡像およびそれらの組み合わせで様々な形で展開され、フーガとなりカノンとなる。

これらの展開パターンはバッハの他の曲(フーガに限らず)の至る所で見られ、僕の良く弾いている曲にもそれらの展開パターンを見つけると少しうれしくなります。

幾何学的でもあり哲学的でもあり宇宙の神秘さえも感じることの出来る最高の作品で、これを管弦楽でここまで仕上げたミュンヒンガーの功績は作曲し直したと言っても過言ではないかもしれない。
「音楽の捧げもの」も大好きですが、その次にこれですかねえ。
僕の葬式では音楽の捧げものの終曲「6声のリチェルカーレ」を流しながら最後の別れをしてもらうよう指定していますが、フーガの技法の終曲「4声の四重フーガ」も良いかもしれないですね。
人間は皆未完のまま消えてしまう、人生の哀れと言った感じです。