弦のビビり、気がつくと耳に付く。そうはいっても、このギターを弾くしかないわけで、今度の弦交換のときにすこし駒を動かしてみよう。
無伴奏バイオリンパルティータ1番サラバンド・ブーレは最後のドゥーブルに取り組んでいるが、これはくせ者である。
楽譜を見た限りではほとんど単旋律で、「うん大丈夫」と楽勝気分ではじめるとえらく難しい。
ブーレの和音進行を分散して弾いている感じなのであるが、予想も付かない分散の仕方で、普通の運指や右手の弾き方が通用しない。
阿部保夫編をメインに佐々木忠編を参考にしてやっている。運指が非常に巧妙に効率よく考えられている楽譜であるが、それでも楽譜どおりに弾くには相当速度を落とさないと弾けない。
このドゥーブルは少し早めに弾いて音を重ねるようにした方が和音が響き、その流れの中に上中下の声部が感じられてくる。
これがバッハだ!
これを、希望通りの速さで弾けるようになるには相当な修行が必要である。
どうしてこんなに根をつめてやっているのだろうと、自分でもわからないが、だいたい何を始めてもがむしゃらにやってしまう性格があってどうしようもない。
若いころにこの調子で勉強していれば、今頃は博士だったかもしれないし、社会人になってから仕事にこの性格を生かせたら、もっと出世していただろうが、どうも勉強とか仕事にはこの性格はスイッチが入らなかった。
まあ、これも人生だ。時間は未来にしか進まないから、後悔してもしょうがない。