愛知心臓病の会へようこそ

(一般社団法人)全国心臓病の子どもを守る会の愛知県支部のホームページです

2017年に取り組んだ会員アンケートの結果

2018-04-07 | 活動報告
愛知心臓病の会アンケートの分析  (2017年6月25日)

99名(会員の66%)から参加いただけました。年代別回答人数は
0代 10代 20代 30代 40代 50代 60代 総計
24人 35人 23人 13人 1人 2人 1人 99人

設問3 主にかかっている病院は
愛知県内で87病院(78%)の内、中京・あいち小児・名市大の3病院にかかっている方で
64人(65%)でした。県外では静岡こども5人、岐阜県総合4人が目立ちました。

設問4 居住地にかかりつけ医はいますか
かかりつけ医をもっている方は65%です。急性期病院がすべてに対応いただけるわけでは
ありません。これから一層その傾向が強まります。コミュニケ―ションが出来るかかりつけ
医をもつようにしましょう。

設問5 この1年での手術・入院などしましたか
 年代が大きくなるにつれて手術・入院が減っています。
40代以後は0件ですが、回答数が少ないこともあります

設問6 障害者手帳は持っていますか
持っている方は80名((81%)です。18歳以下で40名(71%)、19歳以上で40名(93%)
の方が持ってみえます。
愛知県では障害者手帳による医療費公費負担は3級までですが、4級でも就労の障害者枠に
カウントされる、名古屋市福祉乗車券交付、JRなど鉄道料金割引など様々な福祉サービス
が活用できます。4級でも取得されることをお勧めします。

設問7 障害者年金を受給していますか
 障害年金受給してみえる方は1級2級併せて8人、20歳以上の方(40人)の20%です。
 障害者手帳持ってみえる方のデータと併せてみると、障害者手帳以上で障害年金以下とい
う会員の生活状況概要がうかんできます。

設問8 特別児童扶養手当は受けていますか
 18歳以下の方56人の内、1級7人、2級9人の合計16人(29%)が受給されています。
 降級や打ち切りが全国的に話題となっています(守る会機関誌を参照ください)。
降級や打ち切りなどの情報がありましたら会まで連絡ください。

設問9 小児慢性特定疾病の医療費助成認定を受けていますか
18歳以下の方56人の内、受けている方が25人(45%)です。
「今後、小児慢性の対象でなくなってからの医療費が心配です」との声も寄せられています。
   小児慢性特定疾病対策の概要は、
児童福祉法に基づく制度で
1 医療費助成を義務的経費に位置付け
2 研究の推進と医療の質の向上
3 健全育成・社会参加の促進、地域関係者が一体となった自立支援の充実
                      です。
国からの医療費補助が行われ、結果として県の福祉医療費制度の支援ともなります。

  障害者手帳を持っている方のデータと18歳以下の方56人の内、障害者手帳持って
    いる方は40人(71%)。小慢の医療費助成受けている方は25人(45%)です。
    手帳と小慢を両方とも利用している方は21名(38%)、手帳だけの方19人34%)
    小慢だけの方4人(7%)でした。
     「障害者手帳を持っていても、小慢は必要」です。


設問10 学校などへの送迎や付添はしていますか
設問12 子どもの病気を理由に離職しましたか
  18歳以下の回答者56人のうち、送迎・付添している方は19人です。
  子どもの病気を理由に離職した方が11人(母親9人、父親1人、祖母1人・20%)、
  うち6人が学校などへの送迎・付添してみえます。専業主婦との回答も2人ありま
  した。
  離職可能性ありとされている人もみえます。
  自由記述回答には以下の記述もありました。
    就業しようと思っていたが、看護が多く、就業できていない。
    小学校入学の際、送迎が必要であれば父母の転職を考えている。
    もともと専業主婦ですが、学校の欠席時を考えると働き辛いと思う。
    離職はしてないが、子どもの登下校送迎の問題から正社員になるのが難しい。
    保護者の就労状況は自由記述回答から推定するしかありませんが、送迎や学校
    からの呼び出しなどが大きな影響を及ぼしています。
    女性の社会参加が言われています。子どもの病気のあるなしが社会参加の障害に
    ならないような公的支援(送迎の移動支援、医療ケアの必要な子どものいる学校
    等への看護師配置など)が求められます。

設問11 学校などとの話し合いはしていますか
  18歳以下の回答者56人のうち、学校との話し合いをしている方は44人(79%)です。
  学校などとの話し合いについての自由記述欄へのご意見は以下のようです。
  会の中での経験交流がもっとできるとよいですね。
    ◌公立保育園の発達援助枠で加配の先生についていただき園生活を送っています。
     心疾患があるので、体調面もですが、結合組織異常症の為、力が弱くバランス
     をくずしやすかったりする為、運動面でもいろいろと配慮していただいています。     来年、引越しをする予定ですが、引越し先には幼稚園・保育園ともに加配制度が
     無く、多くの園で入園を断られてしまうので、転園先を見つけるのに苦労してい
     ます。昨年4月に入園し、初めての集団生活を送っていますが、風邪や喘息、疲
     労など体調を崩すことが多く、あまりに登園日数が少ないので悩んでいます。
    ○運動会などの練習が続くと少ししんどいようです。病気のことは話していますが、
     なかなか100%は理解してもらえないようです。
    ○ワーファリン(抗血液凝固剤)を服用しているため、頭部や胸部に打撲があった
     場合は連絡していただくようお願いしています。幼稚園年少の際は、利尿薬を
     服用していたため、おむつ外れができていない時期はおむつ着用をお願いして
     いました。
    ○普段の生活では、本人がしんどい時は自分で勝手に休むので、その時はゆっく
     りそっとしておいてほしいといった内容です。
    ○心内膜炎予防のため、口の中を切ったらしっかりすすいでほしい。しゃがみこ
     んでだるそうにしているときは、無理に運動させず本人が動けるようになるま
     で待ってください
    ○先生、教頭先生などと話し合い。今は担任の先生とほぼ毎日、連絡帳でやりとり
     しています
    ○小学校の学区外通学についてなど
    ○学校は特別支援学校に通っているので担任とこまめに話ができ、配慮してもらっ
     ています。運動制限はありませんが、競争や自分の力以上に頑張らないといけ
     ないようなものは止めたり、様子をみてもらっています。
    ○主治医と学校(担任と養護)で話し合いの場をもちました。安静度についてい
     つも確認し合ってます(学校と親で)。介助アシスタントが5月から週3日つ
     いてくれることになりました。
    ○運動制限、お昼のお薬について、脱水症状の危険性、ケガなどの出血について、
     胸骨のでっぱりについてなど。友達とのかかわりについては、トラブル防止の
     ためカウンセリングの先生に相談し必要であれば見守りなどお願いしている。
    ○教頭先生、担任の先生へ、気になることがある都度相談しています。主にこちら
     から相談しています。進級の時は、前の1年間で思うことをまとめ、書面でお
     願いしています。
    ○体育授業の参加について。通学路、時間長く、通学団の歩くペースについて。
     通学時の緊急時対応のため携帯電話の携行について。鼻血等の対応について(
     抗血栓薬服のため)。
    ○細めに話をしています。野外などの対応、体育を休む時の対応、寒い時の
     対応など。
    ○体育の時あまり激しい運動をさせないようにお願いしてます。
    ○新年度になると担任と体調面についてなどお話させてもらいます。
     その後は気になることがある時に。(手術歴、薬、気を付ける事、現状など)
    ○体育、プール、持久走、校外学習などの行事の時に気を付けること、脱水に
     弱い、血が止まりにくいなど、4月に学年の先生と話している。その時々で
     困ること、心配な事があれば、連絡帳や電話で相談がある。3カ月ごとに通
     院があるので、受診前など何か相談したいことはないか先生に確認している。
    ○養護教諭、担任とは常時必要に応じて話し合っています。学校長は、代わる度
     に父母・本人で訪ね、話し合いの時間を取っていただいています。入学時
    (現在小5)市教委設置の相談室にかかったためか、毎年、個別支援計画を学校
     ・家庭で話し合って作成していただいています。
    ○小学校入学時に少し運動制限、学校での内服があったため年長時に体育の授業
     と遠足の一部を見学させてもらい、運動量の調査をした。入学の時点で必要
     ならサポートを付けた方が良いかも等の話し合いをしました。
    ○登下校(車の送迎やバス下校などの話し合い)、携帯電話の所持願い、体育の
     運動制限など、近々稲武のキャンプがあるので説明会後に話し合う予定。
    ○知的障害があるため、今は進学について先生と相談しています。
    ○中学は不登校でしたが、4月より通学できる通信制の高校に進学します。
    ○日常生活の注意点:普段の生活の様子を話し、学校生活管理指導表を提出して
     います。
    ○小学校・中学校入学時は事前に学校を訪問し、担任、学年主任などの先生方に
     病気の説明と、注意してほしい事などを相談しました。特に小学校では階段を
     考慮し、低層階の教室にしていただきました。
    ○親不知の抜歯。学校生活において、そのつど確認され、対応をお願いしている。
     入学時は学校より主治医と話がしたいと言われ、病院まで来ていただきました。



成人への設問

成人への設問8 就労していますか
  19歳~60歳までの回答は40人からい
  ただきました。うち大学生が5人ですから、就労関係の回答数は35人です。
  うち、31人(89%)が就労しています。就労していない方が3人、退職された方が
  1人です。
  就労されていたり、大学生生活されている方は、親元を離れて自立生活をされてい
  る方が多いように思われます。患者本人への啓発、情報の提供はどうなっているの
  でしょうか。
  就労している方31人のうち、かかりつけ医がいるとの回答は16人、大学生の5人の
  うち「かかりつけ医」がいるとの回答は2人です。双方でかかりつけ医のいない方
  が18人です。心臓疾患は長期慢性疾患です。医療機関とのコミュニケーションが
  とれる関係づくりが大切に思われます。

成人への設問9 勤務先との(病気の)話し合いしていますか
成人への設問10 障害者雇用枠での就労ですか
  就労している方31人のうち、勤務先との話し合いしている方は27人です。
  4人の方が話し合いしていません。一般採用で就労されている方が6人で、
  そのうちの4人が話し合いされていません。
  勤務先と病気のことでの話し合いされていない方は双方あわせて8人です。
  雇用枠は、障害者枠21人、一般採用6人、自営業1人、福祉就労3人です。
  障害者枠での就労が多く、法定雇用率の拡大、障害者手帳もっていない
  難病患者も法定雇用率に含まれるような制度改善が求められます。

成人への設問11 就労形態はどうですか
  正社員24人、パート3人、自営業1人、その他3人です。
  パートの方は一般就労の方2人、障害者枠就労の方1人でした。
  就労の継続が課題となっています。
  厚生年金保険・健康保険に加入できる短時間就労制度(週20時間以上の勤務など)
  の改善が求められます。


アンケート全体をふりかえって
  難病患者のうち障害者手帳を持っている人は2割ほどと言われていることと比較
  すれば、私たちの会の会員(81%がもっている)はかなり重症の方達だと分かり
  ました。また、3級以上の障害者手帳をもっている方に医療費公費負担される、
  県の福祉医療制度の維持・改善は共通の切実な要望です。一方で、医療の進歩に
  より、自立・就労などが大きな課題となってきている中で、少しだけその実態に
  触れることができました。成人会員への情報提供の課題もあることが分かりました。

今後の検討課題としては以下のものが考えられます。
   アンケートの有用性を高めるためには、成人会員もふくめ、回答者の拡大
   会員の転職経過や保護者の就労状況など、設問項目の検討
   会員状況の変化を把握していくためには継続的な取り組み

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