世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●米の保護主義と戦争経済の目論見 破れかぶれ安倍にフィット?

2018年04月12日 | 日記

枝野幸男の真価
クリエーター情報なし
毎日新聞出版

 

現代思想 2018年2月号 特集=保守とリベラル ―ねじれる対立軸―
クリエーター情報なし
青土社

 

面従腹背
前川 喜平
毎日新聞出版


●米の保護主義と戦争経済の目論見 破れかぶれ安倍にフィット?


現代ビジネスの3年近く前の内田樹と水野和夫の対談を読んでいた。時間軸で、幾分ピントがずれている部分もあるが、ほぼ正しい。国会では、あいも変わらず安倍や担当官僚らの強弁が繰り広げられているが、常識的には、政権維持は、かなり難しい段階に入ってきた。官邸は全力で、森友事件、防衛省日報隠ぺい、加計学園事件、厚労省働き方改革問題、その他国家戦略特区絡みの多くの疑念ある案件‥等、政治行政のどこを突いても膿が出るような状況なので、いずれ、安倍官邸は精も根も尽きるのではないのだろうか。

加計問題で、正面から矢面に立たされ、詰め腹を切らされた格好の前川喜平前文科省事務次官が語るように、和泉補佐官が総理の言葉を伝聞するようなかたちで「今治の獣医学部を早く作れ」。内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長(当時)からは、「これは官邸の最高レベルが言ってる」などと恫喝とも懐柔ともみられる発言を受けていた。また、萩生田官房副長官は「総理は30年4月開設とお尻を切ってる」と発言している。そうして、今回の愛媛県側のメモについては、特区が決定する前に官邸に呼ばれて「首相に一番近い秘書官が『首相案件だ』と言っているんだから、首相に言われたとしか考えられない」と述べた。

まぁ、愛媛県側の関係者が、上述のような状況の中、官邸に呼ばれて、首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)から「本件は、首相案件」と言われた事実を忘備録として残した事実を、虚偽の忘備録だと抗弁するのは、あまりにも無理な話だ。無茶苦茶にも限度はあるわけで、この辺で、自民党は、与党でいたいのであれば、官邸の火消しではなく、自民党として火消しの動きを活発にするのが定石である。

野党連携は、連合による野心が執拗につきまとい、民進党と希望の党の新党構想でグタグタしているが、最終的には立憲民主党の枝野幸男代表をトップにした、野党連携は実現させざるを得ないわけなので、解散総選挙が前倒しにでもなれば、突如新党を離党して、立憲民主党に馳せ参じることも、想定内の出来事だ。その時点になれば、大塚、玉木らも、新党を分党するという選択をせざるを得なくなる筈だ。仮に、その時点でも目を覚まさない新党なら、いく分長いスパンになるが、立憲は、立憲と原発廃止の旗幟を鮮明にして野党共闘を実現すればいい。選挙の洗礼を受けるたびに、新党は見る影もなくなるのだから。

ところで、内田・水野対談でも出ていたが“アベノミクス”はどこに行ってしまったのだろう(笑)。金融経済政策は日銀黒田に丸投げしたような状況を作っているわけだが、いずれの日にか、黒田日銀総裁もトカゲの尻尾にされてしまうのだろう。19年秋に、消費税10%が実現してしまったら、個人消費の下落は、手のつけようはなくなる。

水野和夫が言う通り、資本主義のトレンドは終活期に入って久しいわけで、手変え品変え、延命治療に精を出しているというのが現状だ。衣食住がほぼ行き渡り、世界的な生産過剰状態が続き、生産されるものが根本的にダンピングしてゆく世界では、自由貿易が衰退して、保護主義貿易が主流にならざるを得なくなる。政治家は、国内経済を豊かにするパフォーマンスが必要になるわけで、経済成長の自然増が望めない以上、保護主義的になるのは時代の要請だ。

ゆえに、幾分、トランプ大統領の保護主義的関税強化も、時代の先取りだと云うことも出来る。ただ、アメリカは、本当の意味で、歴史的撤退論を考えるだけの歴史的土台がない国家なので、英国のように、将来を見据えてという考えだとは言い切れない。単なる、イカレ男のパフォーマンスの可能性もある。また、戦争経済を夢見ている面もあるので、気味が悪い。悪魔男ジョン・ボルトンを、大統領補佐官に任命したのだから、白昼夢とは言い切れない。

誰が撃ったか判らない神経ガスミサイルを、シリア・アサド大統領だと決めつけて、米英仏連合で、シリアをミサイル攻撃すると、トランプ大統領がツイッターで宣言した。この呟きでは、ロシアへの警告も忘れず、最新鋭ミサイルで攻撃するからなと、大統領として、考えられない戦火拡大宣言のようなことに興じている。北朝鮮に、アメリカを甘く見たら、シリアになるぞ、という脅しも意識しているのだろうが、プーチンを怒らせるのことが、妥当なものなのか、微妙である。

アメリカの動きは、保護主義貿易と戦争経済主義に舵を切った兆候も見られるわけだ。最近の日本駐留米軍の動きは活発で、頻繁に事故や故障等々を起こしているのは、緊急体制を敷いていることを窺わせる。シリア攻撃の目的は、戦略的には、ロシアをシリアに釘付けにして、北朝鮮攻撃というシナリオもあるわけで、こなると戦争経済華やかになり、安倍勢力も、内政の不備を、覆い隠そうと、緊急事態条項のような解釈を現行法で行い、閣議決定してしまい、暴走する危険もゼロではないような気がする。安倍官邸なら、やりそうだ。



 ≪【特別対談】内田樹×水野和夫 
資本主義の限界とニッポンの未来〜経済が縮み続ける時代をいかに生きるか 日本は好景気って、本当なのだろうか—。ニュースを見ながら、ふと疑問に思ったことが誰にでもあるだろう。転換期を迎えている経済の「仕組み」について、思想家と経済学者が語り合った。

■中国バブル崩壊は必然
内田樹 水野先生とは、前々からお話ししたいと思っていたんです。先生は昨年ベストセラーになった『資本主義の終焉と歴史の危機』で、いま資本主義が限界を迎えていることを、経済史を紐解きながら説明されていた。
株式市場の動向や企業の四半期決算など、狭い範囲の、短い期間の情報に振り回される経済学者が多いなか、先生は時間的にも空間的にも「ビッグデザイン」を描かれていて、新鮮でした。

水野和夫 現在の世界では、いたるところで過剰生産に陥り、これまでのような経済成長はもはや見込めません。これは13世紀以来、8世紀に及ぶ資本主義の歴史でも初めてのこと。世界経済は、歴史上の転換点にあると書いたのが、拙著でした。

内田 水野先生のお話からは、資本主義が限界を迎えた世界の「これから」について、しっかりと考えないといけないと思わされます。
 しかし現実には、一般の人たちでさえ、経済成長政策に期待を馳せ、毎日の株価に一喜一憂している。カネ儲けばかり考えているようです。

水野 そうですね。資本主義が行き詰まる一方で、カネ儲けに躍起になる人々が溢れている。
 そんな世界の象徴が、中国経済です。大きな歴史の流れの中で、中国がバブルの崩壊過程にあるのは間違いないでしょう。
 '80年代の日本では、株や不動産の異常な高騰とともに、実体経済よりも過剰生産に陥った結果、バブルが崩壊しました。中国の現状はさらに過剰です。一例を挙げると、中国のGDPは世界の1割なのに、粗鋼生産は5割も占めています。

内田 中国に限らず、消費動向というものは幻想だと思うんです。日本のバブルの時も、時給750円のラーメン屋のアルバイト店員が全額ローンを組んで、ロレックスの腕時計をはめていたものです。
 それは、将来的に収入が増え続けるという幻想に基づいた消費行動で、本人の実力とは無関係。だからやがてどこかで行き詰まる。「爆買い」に走っている中国も同じです。

水野 中国がAIIB(アジアインフラ投資銀行)を設立するのも、「カネを貸すから中国製の鉄を買ってビルでも建てろ」ということでしょう。バブル時の日本の金融機関がそうだったように、AIIBはグローバルな規模で不良債権を抱える危険が高いと見ています。

内田 それでも世界の国々が擦り寄るのは、「鉄火場」がそこにしかないからでしょう。

水野 要は、世界中どこを探しても成長市場などなくなってしまったということです。'90年代以降の世界経済は、「3年に1度バブルが起こり、それが崩壊する」ことを繰り返してなんとか維持しているだけ。中国の場合は、リーマン・ショック後の不況を4兆元(約80兆円)という大公共投資でなんとか救ったわけです。

内田 バブルの後始末をするには、次のバブルをしかけるしかない。

水野 ええ、しかも次のバブルは前回より大きくなければいけない。

内田 ほとんど「バブルの覚醒剤中毒」ですね。もちろん、その中国バブルが崩壊すれば、日本にとっても他人事ではない。

水野 中国人富裕層による日本国内での消費も、打撃が避けられない。中国人の購入で高値を維持してきたタワーマンション市場にもブレーキがかかります。投資ファンドの人たちのように、「下げ」でも儲けられればいいのでしょうが、それほどしたたかな日本人は少ないですからね。

 ■株価が上がれば幸せか
内田 その投資ファンドの格好の餌食になっているのがアベノミクスなわけですが、正直言って、株価は上がっているものの、好況だという実感はありません。

水野 黒田東彦総裁の号令のもと、日銀がマネーの量を2倍に増やしたことで為替は円安になり、株価は2倍になりましたが、結局はそれだけ。景気はよくなっていません。

内田 不思議なのは、景気がいいという実感はないけれど、株価が上がっているからよしとしようというムードがあること。株価と生活はほとんど関係ないですよね。

水野 私はNHKのニュースで毎日、株価を伝えるようになったのがいけないと思うんですよ。

内田 昔は、プロレスの結果なんかを報道していたのに(笑)。

水野 株価の上がり下がりに必要以上に注目が集まり、株価が経済の状況を示していると錯覚してしまった。'87年のNTT上場が、国民が株に一気に興味を持ったきっかけだったように思えます。

内田 今年秋に予定されている「ゆうちょ銀行」の上場でも、同じことが起こるかもしれませんね。

水野 でも、株価なんて、普通に暮らしている人は知らんぷりをしていればいい。いくら株価が上がったところで、一人あたりの実質賃金は25ヵ月間連続で低下していたんですよ。バブル時は給料が上がりましたが、いまはまったく違う。

内田 いまは年金も株で運用しているから、「株が上がれば国民全員幸せ」という状況にされている。しかしそれも困りモノです。全国民が、知らない間に賭場に引きずり込まれているようなものです。

水野 幸い株価が上がっているからいいのですが、相場は上がれば必ず下がります。相場が崩れたら、損をした分の年金は税金で補填するしかない。

 ■「いらないモノ」を作っている
内田 株で儲けているのは一部の金持ちだけなのに、株のバブルが弾けると国民全員の懐から持って行かれる。なぜ、国はそこまでして国民にリスクを取らせたがるのでしょうかね。

水野 先にも言いましたが、世界のどこを見ても「成長市場」がないわけですから、いまあるところからむしり取ることでしか、経済を維持できなくなっているのです。労働法を改正して裁量労働を拡大しようとしたり、雇用の流動化を図ったりしているのも、賃金を下げていくための仕組み作りでしょう。

内田 まず、一部が金持ちになると格差が生まれるものの、高所得者層の経済活動が活発化すれば、やがて低所得者層にも富が行き渡ると言われます。ですが、そんな見込みはないですよね。

水野 むしろ貧乏な人をさらに貧乏にさせることで、お金持ちは自分たちの地位を維持することを考えているわけですから。

内田 一部の欲深い経営者たちが自分たちの利益を増大するために、アベノミクスや労働法改正を支持するのはわかります。でも、生活が苦しくなっている国民の中にも、そんな安倍政権の政策を支持する人が一定数いて、高支持率を生み出していた。これは理解しがたかったですね。

水野 しかし、最近は支持率も低下傾向が続いていますね。

内田 国民がすでに安倍政権に飽きてきていますから。7月15日の衆議院特別委員会での安保法制の強行採決は、再登板後の安倍政権のピークになるんじゃないでしょうか。なにしろ憲法学者たちが違憲だと言っているのに、説明もろくにしないまま強行採決した。これほどの暴挙は、なかなかできるものではない。

水野 たしかに安保の話を持ち出したころから、経済政策に対する期待も低下した感があります。最近はアベノミクスという言葉を聞くことすらありません。 安倍総理のこれまでのパターンでは、こういう場合、景気刺激策によって経済面での支持回復を図りたいところなのでしょうが、それももう難しい。東京オリンピックをアベノミクス「第四の矢」だと発言したのも、結局他に手がないことの裏返しでしょう。

内田 消費が伸びない、多くの中小企業が不振に喘いでいるという長年の課題も、解決する兆しはないですよね。周りを見渡しても消費者が求めていないものばかり作っている気がします。

水野 いまの世界が陥っている過剰生産は、マルクスの言う資本主義の「宿命」です。
世の中が貧しいときは、供給する側が需要を作れる。つまり、モノがあれば買う人がいるからそれでも経済が維持できるのですが、資源が行き渡り、成熟した社会では無理。それでも企業は仕事をしないといけないから、いらないものでも作るしかない。

内田 以前、ある電機メーカーの人から、「半年に1回新製品を出して、その度にコストを削減するのがノルマだ」と聞きました。それが当たり前の社会は間違っていませんか。

水野 これからは、企業が利益至上主義からゆっくりと脱却していくのではと私は考えています。企業の付加価値は、人件費と資本維持の減価償却費、あとは利益。仮に利益を出さなくていいと決めれば、人件費は今の1・5倍にできるし、雇用も増やせるのです。
利益が増えないと株価が上がらないから株主は怒るでしょう。「俺たちはリスクをとっているんだ」と言うかもしれません。しかし、預金者だって金利はほとんどゼロ。しかも、預金は金融機関を通じて国債を買わされているから、株主以上にリスクも取っている。

内田 会社は利益を追求するものだと考えていますが、そもそもは、人が生きるために会社がある。そう考えるべきですね。

■国債は放っておけ
水野 企業が利益を出さないと税収も減り、1000兆円にもなる国の借金が返せないという意見があります。
しかし、国債は国にとっては借金ですが、国民からすると資産です。国民の預金で銀行は国債を買っているわけですから。国民が資産として持ち続けるなら、国債は永久にそのままでいいわけです。

内田 なるほど。

水野 資本主義が限界を迎えるいま、これからは世界的に「撤退戦略」が問われます。日本も経済規模が縮小するなかで、どう生きていくかを考えないといけません。経済史の視点で言えば、その参考になるのは戦後のイギリスでしょう。

内田 7つの海を制したイギリスが、戦後わずか10年の間に一つの島国にまで落とし込んでいった。それで社会保障負担の増加や国民の勤労意欲の低下という「英国病」が起きたわけですが、むしろそれくらいでよく耐えたと言える。

水野 イギリスは'90年代以降、再び経済成長することができたわけですが、これからの世界の国々が迎えるのはそのまま縮み続ける将来です。

内田 その縮み続ける経済を考える上で、日本の一つの未来の形は、やはり地方回帰だと思います。
その動きはすでに若い人を中心に広まっていて、2012年には9000人が自治体の移住支援を利用している。制度を利用せずに移住した人まで含めれば2万人以上という説もある。彼らは「地方で一旗揚げよう」というのではなく、「農業で食べていければそれでいい」と考えているんです。東京では食えないリスクがあるけど、農業をやっている限り、飯は食えますからね。

水野 カネ儲けばかり考えるのではなく、「縮んで豊かになる」思想が必要とされています。

*うちだ・たつる/'50年生まれ。神戸女学院大学文学部名誉教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。著書に『聖地巡礼 熊野紀行』(釈徹宗との共著)、『日本の反知性主義』(編著)など

*みずの・かずお/'53年生まれ。経済学者。日本大学国際関係学部教授。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストを経て、内閣府大臣官房審議官、内閣官房内閣審議官を歴任
  ≫(現代ビジネス:「週刊現代」2015年8月15日・22日合併号より)

共謀 トランプとロシアをつなぐ黒い人脈とカネ
ルーク・ハーディング
集英社

 

わが輩は保守本流である 保守本流から日本政治への警鐘
クリエーター情報なし
五月書房新社

 

面従腹背
前川 喜平
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