世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●流星の如く現れた「リテラ」というメディア 意図と価値

2014年09月18日 | 日記
綻(ほころ)びゆくアメリカ―歴史の転換点に生きる人々の物語
クリエーター情報なし
NHK出版


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●流星の如く現れた「リテラ」というメディア 意図と価値

  以下の伊勢崎馨氏の古賀茂明著『国家の暴走』(角川書店)に書かれていることをテーマに書かれたコラムである。このコラム自体、大変有意義なことが書かれているので、拡散の意味もあり、掲載しておくが、筆者の興味は、この流星の如く現れた「LITERA(リテラ)」というネットメディアに関してだ。

  「LITERA(リテラ)」は2014年7月に誕生した“本と雑誌の知を再発見”と銘打ち、“本と雑誌のニュースサイト”と続く。サイトに紹介されている「リテラとは」には、以下のように書かれている。

『 2014年7月にオープンした「LITERA」は、本や雑誌からニュースを掘り起こすサイトです。
 紙のメディアには、まだまだネットでは知ることのできない情報、知識がたくさん詰まっています。エッセイやインタビューでは、有名な作家やタレントが意外な本音を語り、週刊誌や実話誌ではネットでまったく話題になっていない衝撃的なスキャンダルが報道され、実用本、ビジネス本には仕事や生活に役立つ知識がいくつも載っています。
 マンガや小説から人生の悩みを解く鍵を見つけたり、何十年も前に出版された本から、今、起きている問題の本質が明らかになることもあります。
 しかも、本や雑誌の情報はネットとちがってスクリーニング、体系化のプロセスを経ており、クラスタをこえて広がる普遍性、信頼性をもっています。 「LITERA」はこうした紙メディアの情報価値をもう一度見直したいと考えています。
 本や雑誌をただ紹介するのでなく、そこから今の時代に必要な情報やネタを抽出し、新しいかたちのニュースに再編集して、配信していく。いわば、本や雑誌が専門家、コメンテーター、ディープスロートの役割を果たすニュースサイトです。
 オールドメディアとネットを結びつけ、新しいかたちのニュースを発信する「LITERA」にぜひご期待ください。 』

 経営母体は「株式会社サイゾー(Cyzo inc.)代表者:揖斐憲」になっている。「日刊サイゾー」、「サイゾーウーマン」、「メンズサイゾー」、「プレミアサイゾー」、「ハピズム」、「ビジネスジャーナル」「messy」)等の企画/制作/運営企業だが、今までの路線とも違う、新規な試みに思える。権力の横暴に屈した感があった「噂の真相」と幾分似た路線だが、既成の本や雑誌の記事を紹介(広告宣伝?)しながら、崩壊しつつある“メディアリテラシー”を再構築出来ないものか、挑戦している点は評価に値する。「噂の真相」の復刻も、一時噂に上っていたが、リテラのようなリテラシーに対する試みも有意義だろう。マスメディアや既存雑誌が、広告掲載料で舌鋒を縛られている現状では、このリテラの試みは、準オフィシャルなブロガーサイトの趣も感じる。

 最近の目についた“見出し”を眺めるだけでも、一興に値するし、興ずるだけでなく、メディアリテラシーを知らずに深めることが可能かもしれない。以下に、目についた“見出し”を抜粋しておく。

■安倍政権の朝日誤報問題スリカエ手口
■たかじん「在日」ルーツ迫る評伝
■オシャレ業界のブラックな実態
■元官僚が暴露! 安倍軍事立国の野望
■朝日の「吉田調書」誤報問題の謀略戦
■安倍内閣女性閣僚の「反女性」発言集
■朝日新聞が誤報問題のトラウマで権力批判を放棄し“読売新聞”化?
■一見、普通の人なのに……性犯罪者の頭の中はどうなっているのか!?
■「説得できない有権者は抹殺」高市早苗推薦、自民党のヒトラー本が怖すぎる
■JRでタブーになった「リニア新幹線」慎重論…「新幹線の父」の意見も封印
■デリヘルIT化で顧客情報が警察に筒抜け、30万人の風俗嬢が警察のスパイに!?
■『報道ステーション』ディレクター自殺で飛びかう原発“謀殺”説の真偽
■錦織選手に1億円!でも労働者には厳しい「ユニクロ」のブラック体質
■福島で心筋梗塞による死亡が急増!セシウム汚染との因果関係は?
■早漏は脳の問題?話題の「早漏克服本」が提唱するトレーニング法とは
■20歳年下の一般女性にメロメロ! 新婚・松尾スズキが“加トちゃん化”?


 取り上げられている話題は、ピンからキリまで、清濁併せ呑む感覚なのが、なかなか乙である。筆者の感性から理解できた、このサイトの狙いは、オッサンに時代の流れを、ガキにこの世の通念を知らせていると云うか、啓蒙的色彩も含まれているように思える。しゃっちょこばった啓蒙などは良いから、取りあえず、こういう考えもあるよ的なのが良いのだろうと思う。筆者も見習いたい「リテラ」の精神だが、どうも情緒が豊かすぎて、ついつい力んでしまう(笑)。ただ、将来のビジネス・モデルとしても、面白い試みだ。まあ今夜は、伊勢崎氏の古賀茂明本の話を愉しんでいただこう。


≪ 経産省元官僚が指摘! 安倍政権が進める「戦争をするための13本の矢」
 内閣改造で支持率アップが伝えられる安倍晋三首相。仇敵の朝日新聞を追いつめた後は拉致問題のカードも控え、向かうところ敵なしに見える。日本版 NSC、集団的自衛権容認、秘密保護法に対しても反対しているのはごく一部で、ほとんどのメディアや知識人はだんまりを決め込んでいる。
 そんな中、一貫して安倍政権を批判し続けている元官僚がいる。元経産省キャリアの古賀茂明だ。古賀は経産省でエリートコースを歩みながら、福田内閣時代に「年功序列人事の廃止」「天下り規制の強化」「事務次官廃止」など急進的な公務員制度改革に取り組んだ結果、霞ヶ関で疎んじられ、経産省から放り出されてしまったという人物だ。
 公務員改革や規制緩和、そして元経産省官僚としての責任から原発依存型政策の転換=脱原発政策を強く主張していたが、みんなの党や日本維新の会のブレーンをつとめるなど、左翼でも理想主義者でもない。
 ところが、その古賀が最近、安倍政権の安全保障政策や改憲の動きに真っ向から異を唱えているのだ。古賀の近著『国家の暴走』(角川書店)では、安倍政権の最近の動きを“加速する暴走”ととらえ、その背後に軍事立国への野望があることを指摘している。
 古賀によれば、安倍総理とそれを支えるブレーンは日本を軍事的な“列強国”にすることを最優先課題と位置づけているのだという。
 しかもその“列強国”とはたんに「戦争ができる国」というだけではない。「戦争と縁の切れない国」、「戦争なしでは生きられない国」であり、自衛や人道、そして国民を守るためではなく「自国の利益のための戦争」を行使する国だ。 「戦争が起これば武器が売れ、軍需産業は巨利を得ることができる(略)。日本を列強にしたい人達は『国民の財産を守る』との名目で若者を戦場に送り込み,子供達に苛酷な状況を強いることに、何の疑問も持たない。武器や原発を世界中に輸出し、日本の軍事的・経済的影響力を高めようとする。そこには当然、利権を貪る官僚や議員、そして軍事産業がはびこることになるのだ」
 まさかそこまで、という感じがするが、古賀によれば、安倍政権は軍事的列強に名を連ねるために具体的な政治目標を設定し、それをひとつずつクリアしていっているという。その目標はすでに達成されたものも含めて全部で13。古賀はこれを「戦争をするための13本の矢」と呼んでいるが、以下のようなものだ。
1、 日本版NSC
2、 特定秘密保護法
3、 武器輸出三原則の廃止
4、 集団的自衛権の行使容認
5、 「産めよ増やせよ」政策
6、 集団安全保障での武力行使の容認
7、 日本版CIAの創設
8、 ODAの軍事利用
9、 国防軍の保持 1
10、 軍法会議の設置
11、 基本的人権の制限
12、 徴兵制の導入
13、 核武装

 5番目までは既に決定され、11番までが議論がスタートしている。後は徴兵制と核武装——まさに悪夢のような「戦争国家」への道だ。
 いやいや、日本は戦争なんかしない。徴兵制なんかありえるはずがない。多くの人が今でもそう思っているだろう。しかし安倍政権の動きを見るとそれこそがむしろ現実を知らない楽観論だと古賀はいう。
 その根拠として古賀があげているのが、自民党の「憲法改正草案」だ。例えば11の基本的人権に関しては現行の憲法にはないこんな一文が書かれている。 「(国民の)自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」
 また集会、結社、言論出版の自由にしても同様だ。改正草案では公益や公の秩序を基本的人権の上に置き、人権を制限すると解釈できるのだ。その目的について本書ではこう結論づける。 「いざ戦争という時を想定し、国が自由に国民の権利を制限できるようにしておこう、とういう意図である」
 つまり徴兵制である。集団的自衛権の容認で自衛隊員の確保が厳しくなっていることは既に指摘されているが、そうなれば必要となるのが徴兵制だ。 「これまで政府は、自衛隊に徴兵されて無理やり戦争に行かせるようなことは憲法十八条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)違反だとし、国会でもそう答弁してきた。だが石破茂などは、『自衛隊の仕事である国防や防災活動は非常に重要なことであり、そういう仕事を苦役というのはおかしいのではないか』という議論をしてきている」
 集団的自衛権をも憲法9条の“解釈”で容認させてしまうような荒技を使う安倍政権である。憲法18条はいとも簡単に解釈改憲できると古賀はいう。
 さらに核武装に至っては、現実にその強烈な動きが、私たちの目の前で起こっている。それは安倍政権が頑までに押し進める原発再稼働だ。 「安倍政権が原発の再稼働や核燃料サイクルの維持に強くこだわる最大の理由は、核武装である可能性が高い」
 繰り返しておくが、これを語っているのは、日本共産党や集団的自衛反対のデモ隊ではない。つい数年前まで政権の内部にブレーンとして関わっていた元経産省エリート官僚なのだ。
 だが、今の新聞、テレビにはこうした古賀の警告を取り上げるような空気はまったくない。むしろ批判意見はすべて「現実を無視した無責任な反対論」という空気をつくりだして、安倍政権の政策を積極的に後押ししている。
 しかし、これも当然かもしれない。古賀によれば、すでに「チーム安倍」の中にはマスコミも安倍政権の広報機能として組み込まれているという。 「これは私の想像だが、官房機密費が周到なマスコミ対策や世論対策に使われていて、その効果が非常に大きいのではないか」 「情けないことに、マスコミの社長達は、安倍総理の公邸に呼ばれたり、携帯に電話がかかってきたりすることを喜んでいるという」
 私たちにはもはや、安倍政権の暴走を押しとどめる手だては残されていないのだろうか。 ≫(リテラ:社会―政治:伊勢崎馨)

国家の暴走 安倍政権の世論操作術 (角川oneテーマ21)
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29 コメント

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マイナンバー制 (忍者赤影)
2014-09-18 07:52:44
そういえばマイナンバー制が再来年から運用されますね。
例えば住民税を殆ど払っていないまともに働いていない若者や中年をピックアップして赤紙を効率よく送りつけることも可能になるんでしょう。

長谷川幸洋 (YAMACHAN)
2014-09-18 11:10:27
以前、長谷川幸洋の変節振りを批判されていたように記憶しています。私も以前は評価していた者ですが「たかじんのそこまで言っていいんかい」での発言やボイスでの発言は反吐が出る始末。もう一度叩いてください。
Unknown (Unknown)
2014-09-18 13:31:25
今週のそこまで言って委員会
加藤という安倍の太鼓持ちが一緒に焼き肉食ったって自慢してた
金美齢も津川雅彦もみんな安倍の太鼓持ち

政治アナリスト伊藤敦夫は自分に物をくれた政治家を尊敬すると公言する恥知らずだし
スエノブは安倍のゴルフ仲間だし、みんな安倍の太鼓持ちだよ

状況は厳しいが (夢想正宗(胴田貫))
2014-09-18 16:41:57
状況が厳しいが これを乗り越えるには 選挙で自民党政権に打ち勝つしかない 如何に愚民に対して行動を起こさせるか 目新しい話しでも衝撃的な話しでも無いが このナチスヒトラー政権同様のフアシズム政権を打破する事が出来るか 多分 これは我々より 後の若い世代の人が一番困る事で 若い世代の人が真剣に考えなければ取り返しのつかない世の中になる 基本的人権を搾取されれば非常に息苦しい世の中になる まぁ国外脱出する人も増えて来るのではないか ナチスドイツのユダヤ人排斥よろしく ゲシュタポによる共産党リベラル勢力の駆逐 生活弱者の抹殺 ナチスユーゲント同様 若者の徴兵 隣組の復活 勤労動員で軍需産業の強化
どこが右? (帰国組)
2014-10-10 08:24:17
阿部政権のどこが右なのかさっぱり理解できないんですが。日本ほど基本的人権と思想の自由が保障されている国はあまりないのに…。お友達は皆あんたの国が移民をもっと受け入れてくれたらいいのにと言ってましたがね。まさか日本国憲法が中国共産主義の覇権から日本の国土を守ってくれると本気で思っているとか…恐ろしい
Unknown (Unknown)
2014-10-13 12:32:50
( ;´Д`)(何言ってんだコイツ…)
リテラは日本には不要 (今の時期にこんなメディア)
2014-10-13 12:42:51
目にするだけで嫌悪感がでる
Unknown (田中)
2014-10-21 21:31:46
「リテラ」は基本的には左翼系。
左派よりも右派を攻撃対象にするときの方が圧倒的に多い。
いまどき左翼系なんて、時代遅れ甚だしい。
右翼系メディアを作らなくてもいいが、せめて中道系メディアであるべきだろう。
うける~www (ウリナラインターBL派)
2014-11-19 16:45:19
「リテラ」を楽しむためには、リテラシーが必要ですねって事でOK?www
Unknown (Unknown)
2014-11-29 22:03:27
「戦争国家」への道というけどね、
中国がもっとマトモな国ならこんなことする必要ないの。
物凄い勢いで軍備増強して海洋進出を強引に推し進めているの中国を前にして、日本は平和を叫んでさえいれば通用するのか?
中国に勝手なことをさせないための抑止力としての軍備なんだよ。
スイスがどうやって永世中立を守っているか調べたほうがいい。ハリネズミ状態に武装して"来るなら来いや"状態だから保ってるの。
政権を批判するだけでなく、もっと大局を見据えた論評でないとたいした評価はされないでしょう。

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