世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●なぜ官邸は、柳瀬審議官の国会招致、逃げ切りに自信があるのか

2018年05月03日 | 日記
没落するキャリア官僚――エリート性の研究
クリエーター情報なし
明石書店

 

安倍官邸 「権力」の正体 (角川新書)
クリエーター情報なし
KADOKAWA

 

官邸支配
クリエーター情報なし
イースト・プレス


●なぜ官邸は、柳瀬審議官の国会招致、逃げ切りに自信があるのか


柳瀬審議官の国会招致が既定路線になった。状況証拠だけに限らず、内閣府からのメールでも、柳瀬秘書官(当時)が、首相官邸で、加計学園の事務局長と愛媛県、今治市職員と面会した事実が公になり、国会の正常化を睨ん、党の意向が影響したのか、憲法論議が進まない苛立ちの表れなのか、いずれにしても、国会は正常化の緒に就こうとしている。

理屈の上では、この柳瀬審議官の国会招致(参考人か証人喚問か未定)が実現すれば、時系列的に考えると、安倍が17年1月20日に、加計学園獣医学部の話を初めて知ったという発言との整合性に疑念が湧き、そもそも国家戦略特区で「加計ありき」が官邸内で画策されていたと事実認定されそうな雲行きなのだが、安倍は一向に痛痒する気配を見せていない。

安倍は、柳瀬秘書官(当時)の国会招致に関して、「柳瀬氏は国会に呼ばれれば、しっかりと誠実にお答えする。知っていることをすべて明らかにしてもらいたい」と人ごとのように語っている。ここが問題だ。あの嘘つきが、嘘を突きとおせると判断したストーリーが出来上がっているのと考えるのが妥当だ。柳瀬審議官自身も、今回の中東訪問、先の訪米時にも、影武者のように随行しており、オドオドした様子も見せていないので、かくたるストーリーが出来上がっていることを窺わせる。

では、そのストーリーとは、どのような骨格なのか、そこを推理しておく必要が、追求の野党側には求められる。そして、その考えうるストーリーを想定した上で、その瑕疵を追及する能力が試されている。ストーリーの筋立てとしては、加計学園の事務局長には会ったが、愛媛県、今治市の職員も同席したいた件は、あくまで、知らなかったか記憶がないで押し通すのだろう。県や市までが同席した認識の下で、加計事務局長と会ったのでは、「構造改革特区」から「国家戦略特区」制度へのレクチャーを施したと認定されてしまう惧れがあるからだ。

おそらく、柳瀬審議官は、加計学園の事務局長の“陳情”は受けた記憶がある、と云う答弁を展開するものと思われる。県や市が、官邸に呼ばれた経緯が問題だが、おそらく、加計学園経由で、県と市に官邸訪問の連絡が入ったのではないのだろうか。少なくとも、柳瀬氏や藤原氏が、県や市に、直接官邸に訪問するよう連絡したとは思えないからである。そう云う流れで考えると、柳瀬秘書官(当時)は、加計学園の事務局長の“陳情”を受けただけで、それ以上でも以下でもなく、そのような陳情を受けるのも、秘書官の日常的雑務のひとつであった。そのような方向のストーリーになるのだろう。

このストーリーであれば、加計学園関係者とは会ったが、県や市の職員が同席していたとは認識していなかったと主張できる。このストーリーそのものも微妙だが、県や市の職員が同席を認識していたとなると、「国家戦略特区」制度へのレクチャーと受けとめられかねないので、二名は加計関係者だと思ったで強弁する可能性が高い。名刺の交換もしていない点が、柳瀬氏の言動を証拠づけている。加計関係者だけであれば、日常的に行われる雑事の“陳情”に落とし込めるわけだ。

ゆえに、あくまで“陳情”なので、ご意向承りましたということだが、個人的感覚としては、国家戦略特区の制度を利用した方が筋が好いのではないかと、ついリップサービスした記憶はあります。ただ、その方法等について、詳細にレクチャーすることはあり得ないし、まして「首相案件」などと軽々に申し上げた記憶はありません、そんなところだろうか。仮定の話になるが、「首相案件」という語句が生まれたのは、国家戦略特が国家戦略特区諮問会議(議長・安倍首相)と云う意味で使われたのではないのかと思う。

まぁ、仮に柳瀬審議官が、上述のような流れで話をすれば、次には、柳瀬氏を訪ねる直前に面会していた藤原豊・内閣府地方創生推進室次長(当時)の証言が必要になってくるのだろう。愛媛県職員が作成した文書によると、その時、藤原氏は「構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」と発言と書いてある点が、次の疑念になってくるのではないのか。しかし、ICレコーダーの録音でもしていない限り、発言内容の、言った言わないは水掛け論になるので、官僚連中は、完璧に口を拭うのではないかと危惧する。

また、安倍首相が、17年1月20日に加計の獣医学部申請を初めて知った件も、柳瀬氏が、首相に伝えるほども問題ではなかったと主張すれば、辻褄が合わないわけではない。筆者個人は、愛媛県職員の作成した文書が作りものだとは到底思えないので、柳瀬氏や藤原氏、安倍首相が嘘を言っているのは確実だと思うが、安倍は生まれつきの嘘つきの名人であり、柳瀬氏や藤原氏は官僚として嘘のつき方を学んで訓練してきた人物なので、なにかブレークスルー出来る物的証拠が欲しいところだ。

朝日、毎日、或いは週刊誌が、柳瀬氏や藤原氏の発言内容を追認できる、何らかの直接的証拠か、傍証を、国会招致日に合わせて、特ダネ報道してくれれば良いのだが、現時点だけの物証では、国会における議員の追求能力では、限界があるだろう。筆者のストーリーが当たっているかどうか別にして、官邸側は柳瀬氏は国会での証言を乗り切れると自信満々なのだから、確実に逃げ切りのストーリーがあるのだろう。おそらく、偽証罪適用の証人喚問には、与党は絶対に応じない方針だ。そのことからも、嘘を言いますのでよろしく、と官邸側は宣言している。下手をすると、愛媛県職員が嘘又は勘違いの作文をした方向で、罪をなすりつけられる危険まで出てきた。なにせ、セクハラ福田を庇い、セクハラされた方を犯罪者に仕立てようという集団なのだから……。


≪柳瀬氏、加計学園との面会認める方針 与党が答弁容認へ
加計学園の獣医学部新設をめぐり、与党は、柳瀬唯夫・元首相秘書官が2015年4月に首相官邸で学園関係者らと面会したことを認めることで国会の正常化を図る検討に入った。大型連休明けに柳瀬氏の国会招致を立憲民主党など野党6党に提案して審議復帰を呼びかける考えだ。
 柳瀬氏が学園関係者との面会を認めれば、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学園の獣医学部新設計画を首相側近が早くから知っていた可能性が出てくる。学園の計画を初めて知ったのは17年1月20日としてきた首相のこれまでの答弁も揺らぎかねず、「加計ありき」との批判が再燃することは避けられない。
 政府・与党の複数の幹部が2日、柳瀬氏と学園関係者が面会したことは認めざるを得ないと判断した。自民党幹部は「柳瀬氏が加計学園の関係者と会った際、愛媛県や今治市の職員が同席していた可能性はある。過去の答弁とは矛盾しない」と説明した。実際、県、市の職員が官邸を訪れた際、学園関係者が同行していたとされる。
 柳瀬氏が県職員らと面会した際に「首相案件」と述べたと記した文書を愛媛県が作成していたことが判明した直後の先月10日、柳瀬氏は「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはない」とのコメントを発表した。
 ところがその後、同県文書と同じ文言の文書が農林水産省に残っていたことが判明。文部科学省では、県職員らが首相官邸を訪れて柳瀬氏と面会する予定を伝える内閣府からのメールが見つかった。
 立憲の辻元清美国会対策委員長は2日、「一番良いのは証人喚問だが、早く追及した方がいい気持ちもある」と述べ、証人喚問にこだわらない考えを示した。野党6党は審議復帰するかを連休明けに検討する。
 ≫(朝日新聞デジタル:笹川翔平)


戦争する国の道徳 安保・沖縄・福島 (幻冬舎新書)
クリエーター情報なし
幻冬舎

 

国家と官僚 こうして、国民は「無視」される(祥伝社新書)
クリエーター情報なし
祥伝社

 

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ (中公新書)
クリエーター情報なし
中央公論新社
『政治』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
« ●谷内、どうするんだ!“蚊帳... | トップ | ●人質司法とみせしめ司法 佐... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事