世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

小沢無罪判決、控訴もなく確定判決に 判決に籠められた暗示と今後の政局

2012年04月27日 | 日記

 

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小沢無罪判決、控訴もなく確定判決に 判決に籠められた暗示と今後の政局


 26日の東京地裁・大善裁判長の判決は、極めて予定調和が色濃くにじみ出た判決だった。ただ、まず初めに結論ありきから、判決要旨を組み立てる判決文構成になっている。おそらく9分9厘、最高裁事務総局が介在した判決と推認できる。小沢一郎の無罪は動かし難いが、出来る限り裁判に関わった組織や人々に悪い影響が及びにくい判決で、善意に取れば良く出来た判決文である。悪く言えば、臭いものに蓋をしながら、公正公平を装った判決だともいえる。

 今回の判決から察するに、裁判所は検察官役の弁護士らに対して、あんた達は善戦したよ!立派に職責を果たした。言い分も取り入れた、しかし共謀罪を立証するには証拠がなさ過ぎる。今回以上の新たな証拠でも発見しない限り、勝ち目はない。つまり、控訴などしないようによく相談しなさい、と暗示している。故に公訴棄却と云う恥の判決は出さなかったのだから、善しとしなさいと諭している。或る意味では、これ以上裁判の継続は司法が望んでいないんだぞ!と脅してさえいるかもしれない。

 何故そのような判決と暗示まで大善裁判長が言及したかと云うと、そこに最高裁事務総局の重大なる意志が籠められているからである。検察審査会の審査のブラック・ボックス以外に、審査とは異なる別のブラック・ボックスがあり、最高裁自体がそこに触れて欲しくないからだろう。おそらく、裏資金の類だろう。特に、現在は修正されているのだ、平成20年まで、裁判所職員人件費と検察審査会職員人件費が二重計上され、3億円以上の架空人件費を計上していた可能性がある。この疑惑は、平野貞夫氏が指摘しているが、この二重計上裏金作りが、何十年間か続いていた可能性を考えると、100億円レベルの裏金を最高裁事務総局が捻出していたことになる。

 この忌々しき情報を民主党のクーデター系法律家に握られたとすると、半ばキンタマを握られたようなもので、検察審査会2度議決を捏造するなど、罪の部類とは考えられなかったに違いない。上記のような事がなかったとしても、検察審査会法や検察審査会の運営実態などに、厳しい国政のメスが入れば、デタラメや杜撰の数々が露呈し、最高裁の威信にさえ関わる事態になると危機感を抱いた結果だろう。当然のことだが、もう一見落着したい!のひと言を判決で語ったようなものである。

 それでも、あの登石裁判長の推認のオンパレード判決は維持できる判決になっている。頼みもしないのに、大善裁判長は念押しのように石川議員らの虚偽記載を追認している。石川議員がコメントを求められ憮然たる顔をしていたのは、「そんなに手放しで歓べる判決じゃない!」と文句を垂れている顔つきだった。気持、非常によく判る。しかし、検察に対しては厳しい注文をつける事も忘れてはいない。検察の下請け機関と揶揄されている裁判所の威信を取り戻そうと云う、“行きがけの駄賃”のような図々しさも垣間見える判決だ。多分歴史に残る“判決文”だろう。

 筆者の見立で話を進めると、検察官役の弁護士らの控訴はなく、判決は一審で確定するだろう。控訴の決定は5月11日になっている。小沢一郎も、指定弁護士が控訴を見送って判決が確定するまでは、記者会見はしない、と言っているようなので、勝っても兜は緩めていない。さて、それでは今後の政局が如何なる経緯を示すのかに興味は移る。まず初めに起きることは小沢の「党員資格停止」の解除だ。輿石幹事長は連休明けに、その手続きに入ると確信的に言っている。前原がチャチャを入れているようだが、馬耳東風の趣だ。連休明けに常任幹事会を開き、四の五の揉めている間に、11日が来て控訴断念の情報が出るものと思われる。また、野党からは「説明責任」の馬鹿の一つ覚えが連呼されるだろうが、輿石の腹は「無罪の結論なのだから不要」「「本人はいろんな場所で説明責任を果たしている。『まだ足りない』という人は、本人に直接聞けばいい」とケンモホロロ。

 こうなると、小沢支持グループの勢いがつくだけでなく、日和見的な立場で逃げ腰だった連中が、反小沢グループから極力距離を置こうと蠢くに違いない。(笑)そうなると、民主党の勢力図はがらりと変わる。アバウトだが衆議院300人、参議院100人の計400人の国会議員の中で、あきらかな反小沢議員は100人程度、親小沢議員が220人、それでも風見鶏が80人という按配になる。もう反小沢グループが民主党で実権を握ることは不可能になる。反小沢の中でも金魚の糞グループがいるので、本気で小沢に逆らい続ける議員は50人居るか居ないかではなかろうか。

 このような状況になるであろう民主党内において、その党内基盤を知ってでも、野田佳彦が消費増税法案を通過させようとすることは、殆ど不可能な事になる。小沢が3月初めに野田との会談の条件として“消費税増税に関する与野党協議会の設置”による継続審議にでも応じない限り、野田は座して死を待つか、強引に衆議院で採決し、頓死することになる。(総辞職)そんな事をさせるわけにはいかないのが財務省・勝栄二郎だろう。そこで浮上するのが、あらためて自民党谷垣と手を組むことに限定されてきた。話を蒸し返すわけだが、幾人かの自民党幹部の金銭スキャンダルを握っているであろう霞が関は、容易に諦めないだろう。ここで増税案が通らないと、10年以上、増税は俎上にも登らないことになる。

 此処まで書いて行くと、“行政官僚のクーデター”以外、野田が生き残る道はない。反小沢の急先鋒・松下政経塾議員、政治ゴロと呼ばれる仙谷・枝野・前原・安住・小宮山らに残された道は、この“行政官僚のクーデター”が成功裏に終わる時のみ、と云う事になる。東京地検特捜部のはみ出し者のクーデターでは飽き足らず、反小沢勢力と谷垣自民党勢力が“行政官僚のクーデター”に加担した場合のみ、生き残る可能性が残される。

 それでは、谷垣自民党が財務省・勝栄二郎の画策に、再び乗るかどうかの検証が必要になる。当然、財務省と自民党だけで話し合いが行われるわけではなく、自民党のしかるべき幹部と、民主党のしかるべき幹部が、完璧に双方を信じるところまで行きつかないと、纏まるものも纏まらない。自民の大島とか森等と民主の岡田・仙谷・前原等が勝が御膳立てした“増税法案賛成と話し合い解散”のセットの話をチャンとまとめる能力があるかと云う疑問だ。筆者は、岡田・仙谷・前原の3人が正当に話をまとめたと云う事実をまったく聞いていない。壊すことに長けた政治屋、到底一国の政局を左右する微妙な談合が成立する可能性はないとみている。

 こう云う問題は、大連立に繋がる話だから、党全体を俯瞰し、政治目的に双方信頼感がある場合にのみ成立する。これが成功直前まで行ったのは、小沢一郎と福田康夫の二人のような政党政治家同士の時にしか、成功は覚束ないものである。小沢と福田に比べ、野田と谷垣では、月とスッポン。到底あり得ない話だ。まして、野田は岡田は信用しているが、仙谷と前原は信用していない。谷垣も大島を信用していない。(笑)メッセンジャーが仮に話をまとめても、野田と谷垣が信じるかどうかも判らない。

 マスメディアの馬鹿どもが、色々弄り回すほど、簡単に解散総選挙を選択する素地はない。連立含みの法案成立の闇取引は、公明党を不快にする危険がつきまとう。自民党内からも造反が出る可能性があるし、民主党側からも当然出る。今度は、民主・自民の造反数勘定と云う難儀な問題まで起きてくる。野田が不退転の決意で消費増税法案を強行したかったけど頓挫した。しかし、小沢の条件を受け入れれば、成立の眼は残される。つまり、約束を反故にもしていないし、増税も先送りする。そして静かに一民主党議員として余生を過ごせることになる。野田の不退転なんてものは、シロアリ退治の発言同様、大言壮語の性癖だと云う事で一見落着だ。

 予定稿をコピペしたような糞マスメディアの社説が並んでいる。いちいち論評する気も起きない。朝日新聞:「小沢氏無罪判決―政治的けじめ、どうつける」、読売新聞:「小沢氏無罪 復権の前にやることがある」、毎日新聞:「小沢元代表無罪 なお政治的責任は重い」、日経新聞:「無罪判決を“小沢政局”につなげるな」と必死である。行政改革、司法改革、電波オークション、新聞とテレビ経営分割等々、小沢一郎の日本構造改革に対する抵抗は今後も続くだろう。検察司法、霞が関官僚、最高裁事務総局、マスメディア、経団連、自民党、米国。しかしそれでも、小沢は闘う。国民の理解が政治家の政治活動活力の源泉である。今後も、つたないコラムであるが、小沢一郎の政治活動を阻害する勢力には、一遍の寸借なく噛みつくコラムが継続できることを歓んで、今夜は休ませて頂く。オヤスミナサイ!




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