世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

強迫観念に追い立てられる安倍晋三 参議院選の敗北を自覚したような慌ただしい振舞い

2013年04月19日 | 日記
鳩居堂の日本のしきたり 豆知識
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●強迫観念に追い立てられる安倍晋三 参議院選の敗北を自覚したような慌ただしい振舞い

 どうも最近の安倍自民の動きが慌ただしい。本来であれば、衆議院の2/3を占め、野党など無きに等しく、横綱相撲を取って良い次元にある。また、マスメディアの世論調査を見る限り、内閣支持率は70%を超えているのだから、7月の参議院選の結果も盤石に違いない。しかし、今の安倍自民の行動を見ていると、何らかの“惧れ”を抱き、その脅迫観念に追いまくられるように、次から次と、コマネズミのように動き回っている。

 自民党内の衆議院選後の大勝を受け、政権与党に返り咲いた時点の謙虚さは影を潜め、小兵の前頭筆頭のような政治姿勢にチェンジした。従来の自民党領袖の考えは、参議院選終了までは、安倍晋三の右派カラーは抑え気味に、経済再生に邁進する予定だった筈なのである。特に、念願の訪米を果たし、TPP交渉参加を表明した辺りから、安全運転を放棄する姿勢が顕著になった。日中韓FTA交渉は座礁してしまい、TPPのみが大きく前進している。勿論、日毎夜毎、TPPが売国協定である正体は暴露されつつある。TPP推進論の朝日新聞でさえ、以下のような報道で、日本への影響を危惧し始めた。

≪ TPP交渉、NZ・豪・カナダが条件 「例外なし」要求

 【池尻和生、藤田知也】「環太平洋経済連携協定」(TPP)の交渉に参加表明した日本に対し、米国以外の国々も交渉条件を示していることがわかった。農業国のニュージーランドやオーストラリア、カナダが「すべての品目を交渉の対象にする」「高い自由化を実現する」などと求め、カナダは米国のように日本車にかける税金(関税)を残すことも主張している。
 複数の交渉関係者が明らかにした。日本はTPP交渉で農産物にかける関税を守りたいと訴える方針だが、日本に農産物を売りたい農業国の理解を得るのは難しくなるおそれがある。
 日本は交渉参加のために、すでに参加している11カ国から承認を受ける必要があり、米国のほか、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ペルーの手続きが終わっていない。
 米政府とは12日に合意し、近く米議会に日本の参加を認めるよう通告される。残る4カ国も近く交渉参加を認める見通しだが、TPP交渉に向けて日本に求める条件を示した。
 ニュージーランドとオーストラリアは「すべての品目を交渉のテーブルに載せる」「交渉を遅らせない」「高い水準の自由貿易を実現する野心がある」の3点を挙げ、「保証 (assurance)」を求めた。
 カナダは同様の要求に加え、日本車への関税を残すことも主張した。 日米合意では、米国が日本車にかける関税を残し、その期間を「最大限後ろ倒しする」ことになった。米自動車メーカーの工場があるカナダも同じ対応を求めている。
 日本は「コメ」「麦」「乳製品」「牛肉・豚肉」「砂糖やデンプンなど甘味資源作物」の5品目を関税撤廃の「例外」にしようとしている。日米合意では、日本の農産物と米国の自動車を「センシティビティー」(重要項目)と位置づけ、お互いに関税を守る可能性を認め合った。
 しかし、農業国が日本に関税撤廃を求める「包囲網」をつくるおそれもある。また、米国も日本に「すべての品目を交渉対象にする」と求めたうえで、日本の農産物を重要項目にする代わりに自動車の関税を残すという譲歩を引き出した。ほかの国も同様に譲歩を求める可能性がある。
 TPP交渉の参加国は20日からインドネシアで開かれる「アジア太平洋経済協力会議」(APEC)にあわせてTPP閣僚会議を開く。この場で日本の交渉参加を話し合う見通しだ。
 日本は早ければ7月から交渉に参加し、年内の交渉妥結(事実上の合意)に向けて各国と話し合う。≫( 朝日新聞デジタル)

  TPP交渉参加が、安倍政権の米国依存、霞が関依存、大企業依存を鮮明にした。アベノミクスなる小泉竹中政権回帰の経済路線は、如何にも成功裡に進捗しているようにマスメディアが演出しているが、心ある識者であれば、この時代に逆行するような強者の理論が、一般の国民や経済的に困窮する人々を切り捨てる経済政策であることは、充分に認識している。つまり、アベノミクスは最終的に大失敗に終わる可能性が高いことを示している。

 北朝鮮を含む“日中外交”は、完全にロックされ、二進も三進も行かなくなっている。“対露外交”も捗々しい成果を得る可能性は低く、北方領土問題を大きく前進させると云うよりは、経済協力とロシア資源のバーター取引程度でお茶を濁すことになりそうだ。あれだけ米国依存(隷米)の姿勢を示してしまった以上、プーチンも安倍と多くを語るのは得策でないと判断した可能性が高くなった。

 TPP交渉が「米国の完全勝利、日本の完全敗北」の結果になったのは、誰もが認めるところになった。米国に続き、豪州・二―ジーランド・カナダが寄ってたかって、日本の農業市場の開放を声高に語りだせば、農業従事者の多くを敵に回す確率は、確実になった。アベノミクスも、一時の勢いは影を潜め、徐々に、その副作用が金融市場にも現れ、愚民たちの中からも、その後遺症への心配が話題に登り始めたと見て良いだろう。対中貿易も一時の落ち込みからは回復したが、5割の回復が限界となっている。

 以上のような問題が影響したかどうか別にして、最近の地方の首長選では、マスメディアが叩きだす内閣支持率、政党支持率から考えると信じられないような選挙結果が続いている。このような流れは、実は、昨年の野田佳彦による、自爆テロ解散の恩恵に浴しただけの自民党大勝利の時点から始まっていたのだろう。たかだか十数パーセントの支持で、2/3の議席を獲得したマジックは、その後は綻びが出るだけの運命にあったのかもしれない。ゆえに、自民党領袖は、安倍のタカ派姿勢を戒め、国民の味方を装うべきとしたのだが、現実には、そのマヤカシが国民に悟られつつあると云う状況なのだろう。

 自民党としては、出来る事ならマヤカシ路線回帰に力を注ぎたいところなのだろうが、米国依存、大企業依存が国民の知るところとなった以上、マヤカシ政策が限界点に達し、後戻り不可な状況に追い込まれたと言える。こうなると、“毒を喰らわば皿までも”の心境になるのは、一夜にして可能な決心なのである。それゆえに、参議院選まで封印する筈だった改憲路線を鮮明にしたり、「0増5減」だけの強行で、選挙無効のハプニングだけは避けようと必死になりだした。早い話が、マスメディアのプロパガンダ報道一色にも関わらず、安倍晋三自身が、自分の内閣はヤバイかも?と気づいた結果、今さら遠慮している余裕はない、クタバル前に“やれることはやっておきたい”欲望が抑えきれなくなったと見るのが妥当だろう。


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