世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●「成長戦略」から「脱成長戦略」 国のかたち、本格議論を

2018年12月08日 | 日記


●「成長戦略」から「脱成長戦略」 国のかたち、本格議論を 

以下の古賀茂明の「官々愕々」は2014年4月のコラムだ。古賀氏は当然、「成長戦略」の何たるかについて語ろうとしているわけだが、それも一理だが、哲学的見地、合理的見地から考える限り、成長することが「善」で、縮小後退することが「悪」という観念的枠組みからは抜け出ていない点が気にかかる。たしかに、菅官房長官と竹中平蔵らが率いるグローバル経済勢力のタッグが描く安倍官邸の「成長戦略」には、どのような国のかたちをイメージしているのか皆目わからない。つうまり、根本的認識不足は明らかだ。ただ、景気の良い話を総花的に語ることで、目先を変えようとしているだけも明らかだ。

最近ではトンと聞かなくなった「アベノミクス」は既に官邸では“禁句”になっていると思われる。打ち出した成長戦略の個別評価では、4割が未達だそうだが、根本的には10割未達の方が救いだ。つまり、安倍政権の、すべての道はGDP向上にありと云う、大戦時の関東軍のような目標立てだけで、目標が達成した後、国のかたちは斯く斯く然々と云うイメージがなかったのと同様で、彼らには基本設計図がないのである。設計図はないのだが、次々アイディアだけは竹中平蔵グループから提供されるので、成長戦略のキャッチフレーズだけは、次々と生まれる。

学者として実績もなく、新興企業の経営に身を委ねる竹中平蔵のような連中が率いるグローバル経済勢力の手先のようにさえ見える男たちは、なにが目的で、日本と云う国にダニのように吸いつき、血を吸うだけなのか、肉体をバラバラにしようとしているのか、小泉純一郎以降、この竹中平蔵が政権のどこかで、悪魔のような計画、いや、アイディアを提供しているのはたしかだ。小泉以降と云うことだから、市場原理的自由主義経済のエージェントであり、公家の憑りついた茶坊主のような風貌に騙されてるわけにはいかん。今に日本は、小泉以降のグローバル経済に下降線を迎え、あらたな世界経済の方向性が定まらない過渡期なのだ。

このような時代の過渡期においては、哲学的問答が必要なのだ。つまり、論壇や、思想家、宗教家、文系学者が活躍していなければならない時代なのだ。なぜならば、二本の別れ道に道標はないわけで、右の道の方が今までの本線のように見える。しかし、左に草生す山道がある。旅人は、思考がない場合、自動的に右に行く。しかし、左の山道を越えたところに、なだらかな平原が広がっていると云う想像に至る人々が殆どいないのが、今の日本の哀しき現状だ。

つまり、少なくとも二本の道が目の前にある。眼でさえ見える二本の道の存在すら吟味せずに、今まで通り、太そうな道を行くのは、只の馬鹿に過ぎない。まずは、左右の道の匂いくらい嗅いでみるべきだ。馬鹿の一つ覚えのように「成長戦略」と言っておけば。バカな有権者は歓ぶ。その言葉を実現しているように見せるために、国土強靭化計画、武器、原発輸出、リニア新幹線、働き方改革、移民法導入、水道法改正、カジノIR推進、東京五輪、大阪万博‥等、最終的には不可逆的悪行もあり、日本の国土はズタズタに引き裂かれそうだ。


≪官々愕々 成長戦略は「武器・原発・外国人」
三度目の正直という言葉はあるが、3回続けて失敗した後、四度目の正直を期待してよいのかどうか。
ジャンプに挑戦する葛西紀明選手の話だったら、皆信じるが、安倍晋三総理の話だと言ったらどうだろう。
安倍総理の3度の挑戦とは何か。 アベノミクスの第一の矢である金融緩和で株高と円安が進み、一気に景気浮揚への期待が高まったのが昨年の初め。第二の矢である機動的財政出動、すなわち、借金頼みの公共事業バラマキによって、建設分野ではバブルが起きるほどの好況につなげた。しかし、この2本の矢には限界がある。そこでアベノミクス第三の矢、成長戦略に期待が集まった。

成長戦略は、効果が出るまでに時間がかかる。本来は第一の矢として最初に放つべきだったが、安倍総理最初のチャレンジは政権発足後半年の昨年6月。鳴り物入りで発表したが中身がなくて、発表の最中に株価大暴落という大失態となった。安倍総理の成長戦略への期待がガタ落ちになった瞬間だ。

慌てた官邸は、「実は、この成長戦略は本物ではない、本物は秋に出す」と言い訳し、秋の臨時国会は、「成長戦略国会」と銘打った。しかし、2度目の挑戦も何も出てこないまま終わってしまった。

今年の通常国会は、安倍政権によって「好循環実現国会」と名づけられた。「『成長戦略』が不十分なわけではない。成長への好循環につなげるための最後の一押しが足りないだけだ。それを今国会でやる」という言い訳のための命名である。 しかし、'13年度補正と'14年度本予算は、ただのバラマキばかり。3度目の挑戦の目玉となる「国家戦略特区」も中途半端なもので終わった。これで、日本の成長率が上がるという識者はいない。

第三の矢に期待できなければ、第一、第二の矢しかない。しかし、おカネはジャブジャブにして、国の借金をどんどん増やしても、人手不足で公共事業の消化もままならない。企業も、投資する資金はあっても付加価値を高めるイノベーションがないので、結局、コストカットへと再び向かう。公共事業のためにも民間企業のためにも安い労働力が必要ということになり、建設分野への外国人労働者活用の拡大が決まった。

人々の生活の質を高めるためには、高い給料をもらえる職場の創出が最重要だ。その意味では、付加価値の低い分野で、人手不足という理由だけで外国人を大量流入させるのは、本筋から外れた一時しのぎでしかない。このままでは、昔のように公共事業に頼る経済に逆戻りするだけである。

そこで、対策はないのか、と考えたわけではないだろうが、ここへ来て武器輸出と原発輸出の動きが加速している。武器輸出三原則廃止で、武器輸出が原則禁止から原則解禁となったことで、水面下の動きが一気に表面化して来た。米国だけだと思ったら大間違い。英、仏、豪、印、フィリピン、ベトナム、トルコなどいたるところで企業間、政府間で武器や武器技術輸出の相談が始まっている。 原発輸出も、トルコやUAEとの原子力協定が衆議院を通過し、さらに加速されていく。

今や、日本の成長戦略の三本柱は、「武器と原発と外国人」になった感すらある。

一頃三本柱と言われた、医療、農業、電力の3分野はどうなったのか。利権にまみれた自民党族議員と官僚達は、引き続き、本丸は死守するつもりだ。 「岩盤規制を打ち破るドリルの刃になる」という安倍総理の言葉。4度目の挑戦は、6月に出る成長戦略だが、「四度目の正直」を信じる気には、どうしてもなれない。
 ≫(現代ビジネス:官々愕々:古賀 茂明)


家にあるものは、何でもいいから“メルカリ”に出品してみようと思われるような国家になってきた。成長を望むのが悪いとは言わないが、根拠なく願望は、挫折を伴うもので、国家を動かすには不適な意思決定だ。本質的で、根本的な方向性も定めずに、“風が吹けば桶屋が儲かる”と云った低俗な発想、思いつきだけで、泳ぎ切れる世界ではなくなっていると云う認識が欠如している。20代30代の国民の多くは、現状が維持されれば良い、これ以上、良くも悪くもならなくて良いのが彼らだ。彼らは、身に滲みて定常経済を望んでいる。無論、そんな言葉を知らずにだ。

中国の人口、あくなき学びの姿勢、本質的に利巧な漢民族。国連の常任理事国にして核保有国。このような国と経済で張りあう?どうにも判らない。おそらく、日本人の方が中国人より優れていると云うスリコミ精神が仇になっているように思える。中国と同一土俵で競り合うとか、アメリカとも張りあうとか、同じ土俵に立っていると云う、これこそが認識不足の最たるものだ。彼らがアメフトで競っているのであれば、日本は茶道や能、アニメ、京都・奈良で張りあえば良い。つまりは、同一次元で、やいのやいの主張することは愚かなのだ。そう云う意味で、安倍政権の経済政策、成長戦略は、ことごとく、計画した時点で間違っている。

*以下に、朝日の安倍成長戦略未達検証記事と、日本経済新聞の来夏以降打ちだされるトンチンカン成長戦略の情報がある。まあ、どちらにせよ根本的に間違っているのだから、間違いを重ねるのみだが、読んでおいて損でもない。


≪成長戦略、目標4割未達 安倍政権の目玉も 16年重点施策
 2016年の政府の成長戦略で、重点施策として掲げられた134項目の4割が目標に達していないことが1日、明らかになった。安倍政権が目玉施策として取り組む「人づくり革命」や「生産性革命」に関する分野でも未達成が目立つ。
 この日開かれた政府の未来投資会議で、成長戦略の達成状況をまとめた報告書が示された。大半の施策は20年度ごろを最終的な目標達成時期としており、今回は中間評価として今年1月時点の進み具合を自己評価した。134項目のうち、最終目標の達成に向けて順調に進んでいるとして「達成」とされたのは60項目(約45%)。一方、40%にあたる54項目が「達成」には至らず、進捗(しんちょく)が不十分だった。
 成長率の引き上げには、労働生産性の向上が欠かせないが、サービス産業は20年までに伸び率2・0%との目標を掲げるものの、16年は0・2%にとどまった。
 人手不足が深刻な介護現場での活用が期待されているロボット介護機器の市場規模も、20年で500億円との目標に対し、15年は24・4億円だった。政権が進める「リカレント教育(学び直し)」も道半ばだ。大学や専門学校で学ぶ社会人の受講者数は16年9月時点で約12万人と、18年に24万人にするとの目標の半分にとどまる。世界ランキングでも苦戦している。イノベーション(技術革新)の世界ランキングは、13~14年の5位から17~18年は8位に後退。世界銀行のビジネス環境ランキングも13年の15位から18年は24位と下げた。
 一方で「達成」となったのは、17年度までに新たに企業1万社の海外展開をすることや、訪日外国人旅行者数を20年に4千万人に増やすなどの目標だった。
 大和総研の神田慶司シニアエコノミストは「表面的な評価だけでなく、達成できない原因を十分に精査し、優先順位をつけて政策に取り組む必要がある」と指摘する。  (松浦祐子)  

 ■成長戦略で未達とされた主な施策  
<施策> 中小企業・小規模事業者の業績  
<最終目標> 2020年までに黒字企業140万社  
<実績> 約92.3万社(16年度)   
  *  
<施策> サービス産業の労働生産性  
<最終目標> 20年までに伸び率2.0%  
<実績> 0.2%(16年)   
  *  
<施策> ロボット介護機器の市場規模  
<最終目標> 20年に約500億円、30年に約2600億円  
<実績> 24.4億円(15年)   
  *  
<施策> ロボットの国内生産市場規模  
<最終目標> 20年で製造分野1.2兆円、非製造分野で1.2兆円  
<実績> 製造分野で約7160億円(16年)、非製造分野で約1239億円(15年)   
  *  
<施策> 農地活用  
<最終目標> 23年までに全農地面積の8割を担い手が活用  
<実績> 54.0%(16年度末)   
  *  
<施策> イノベーション世界ランキング  
<最終目標> 17年度末までに世界第1位  
<実績> 8位(17~18年)   
  *  
<施策> 世界大学ランキング  
<最終目標> 23年まででトップ100に10校以上  
<実績> 6校(17年)   
  *  
<施策> 40歳未満の大学本務教員の数  
<最終目標> 20年度末までに1割増(4万8139人に)  
<実績> 4万3452人(16年度中間公表)   
  *  
<施策> 企業から大学などへの投資  
<最終目標> 25年までに3倍増(3453億円に)  
<実績> 1244億円(16年度)   
  *  
<施策> パートを除く転職入職率  
<最終目標> 18年までに9%  
<実績> 8.0%(16年)    
 *  
<施策> 大学・専門学校などでの社会人受講者数  
<最終目標> 18年で24万人  
<実績> 約12万人(16年9月)    
 *  <施策> 普通教室への無線LANの整備  
<最終目標> 20年度までに100%  
<実績> 33.2%(16年度)    
 *  
<施策> 世界銀行のビジネス環境ランキング  
<最終目標> 20年までに3位以内  
<実績> 24位(18年)
 ≫(朝日新聞デジタル)


≪成長戦略仕切り直し 技術革新・雇用・地方を柱に
  政府、来夏めど実行計画
政府が5日に開く未来投資会議は、新しい成長戦略の議論のキックオフとなる。イノベーションと雇用、地方対策の3つを柱に細部を詰め、2019年夏をめどに今後3年間の工程表を含む実行計画をまとめる。19年10月の消費増税や20年の東京五輪後の景気の下振れに備え、日本経済の成長力を底上げすることが課題になりそうだ。

アベノミクスは第一の矢である金融政策と第二の矢の財政政策、そして第三の矢の成長戦略からなる。市場は第一と第二の矢については一定の評価をしてきたが、足元では日銀は金融緩和の修正に動いており、財政状況は依然として厳しい。第一、第二の矢にはこれ以上頼れず、政府は第三の矢のてこ入れに動く。

19年10月には消費税増税が予定され、20年夏の東京五輪後には需要が落ち込む見通しだ。世界経済は米中の貿易戦争や新興国経済の不透明感から必ずしも先行きは明るくない。

こうした環境変化を乗り越えられるよう、日本経済を強化するのが狙い。そのために少子高齢化や人手不足という課題を解決して労働生産性を引き上げ、持続的な経済成長の実現をめざす。

イノベーションの推進をうたう第4次産業革命では、人工知能(AI)やロボットなどを活用し、労働生産性の向上につなげたい考え。フィンテック分野では、個人間でスマホだけで簡単に送金できるような規制緩和に踏み込む。現行は上限が100万円でこの引き上げを検討する。

オンライン診療の保険適用となる診療科の拡大も取り上げる。現状は生活習慣病などに限られており、どこまで対象を広げられるか議論する。オンラインでの服薬指導を全国に拡大するかについても課題として挙げた。タクシーの相乗り導入のため、法令上のルールを整備するほか、自家用車での有償運送をやりやすくする方策も検討する。

労働分野では雇用の裾野拡大に加え、市場の流動化を推進する。65歳以上への継続雇用で労働力を確保するほか、人生100年時代を見据え、中途採用の拡大や新卒一括採用の見直しも進める。官民の協議会を立ち上げて、どういう制度が望ましいかを議論する。

ただ負担増や給付の削減など社会保障の痛みを伴う改革には踏み込まない見通しだ。当面は病気の予防などを通じて、健康寿命の延伸に力を入れる。内閣官房幹部は「(社会保障改革は)来年夏以降に話すことになる」と話す。統一地方選や参院選を控え、国民に痛みを求める政策は手をつけにくいとの判断だ。

地方対策では、人口減少を背景にした経済の停滞に懸念がある。中核都市の機能強化と、東京など大都市への一極集中の是正をとりあげる。地方での外国人労働力の活用や、限界集落など人口急減地域の活性化など話し合う。

安倍政権はこれまで6回の成長戦略をつくってきた。だが回を重ねるごとに「政策が小粒」との批判が出て、目玉政策の不在が指摘されている。成長戦略に盛り込んでも、達成できていない政策も少なくない。実効性のある政策をしっかりと実現して経済成長につなげられるかがカギとなる。
 ≫(日本経済新聞)

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