世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●中露包囲網を作れず悩む欧米勢力 日本丸は面舵取り舵ジクザク航行

2014年04月28日 | 日記
亡国の安保政策――安倍政権と「積極的平和主義」の罠
クリエーター情報なし
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●中露包囲網を作れず悩む欧米勢力 日本丸は面舵取り舵ジクザク航行

 徳洲会公選法違反事件で辞職した徳田毅前衆議員の補欠選挙が行われ、自民党新人の金子万寿夫が当選した。安倍は「今まで進めてきた政策に一定の評価を頂いた。さらに景気回復、成長のため全力を尽くす」と簡単に語ったようである。金子66,000票、民・維・結・生で注目の打越明司は46,000票と善戦はしたが、二歩及ばなかった。投票率は45.99%と過去最低を記録しているので、「オリーブの木」が争点の設定如何では逆転も可能と云うことを示した点は注目に値する結果だった。

*国内政治は、しばらく凪状態が続くと思われるので、いちいちコラムの見出しにするような重要案件は見当たらない。重箱の隅をつつくような出来事は満載だが、今は、世界の直近の情勢と21世紀的世界の潮流を観察しているほうが、知的好奇心を満足させることが出来る。みんなの党の渡辺喜美は過去の人で、今さらゴシップや犯罪性を暴いても、国家の為にはならない。それよりも、日本を取り巻く世界がどのような潮流になって動いていくのか観察し、考えているほうが、国益に資する。無論、筆者のゴタクなど、何の役にも立たないことは百も承知だ(笑)。

 最近はウクライナを起点に米国軍事同盟の地域及び各国の動きや、対峙するロシアや中国ウォッチが知的水準を高めてくれるに違いないと思っている。仰臥しながらでも、世界の情勢を入手できるネット社会には感謝する。無論、ネットの情報が玉石混淆なのは当然で、その取捨選択が出来るかどうかで、同じネット社会に生きていても、得るべき知識の質量は異なってくるのだろう。筆者は主に、朝日、時事、毎日、東京のサイト主として見るが、読売・産経・日経も“何て書いているかな?”のレベルで目を通す。海外メディアでは、ロイター、WSJ、USAトゥディ、NYT、APF、ブルームバーグ、CNN,インテルファックス、ロシアの声、人民日報、中央日報、東亜日報、ロシア通信ノーボスチ、イランラジオ、中東ニュースMEIS、フィナンシャルタイムJBプレスなどだ。

 その他にも、多くのサイトの多様な考えを参考に、自分の考えをまとめるのだが、常に全部のメディアに目を通すわけではない。ただ、中国、ロシア、ウクライナ、中東などにおける事象は多様な目線を参考にすることは、非常に重要だと思っている。最近、日本と西側諸国のメディアの論調は、企業権益、西側国家利益重視のグローバル化独特の論調が増えるのは致し方ないが、目線が権益、利益目線に貫かれているので、なるほど!と云う記事が少なくなっている。しかし、それはメディア論調と云うものまで、グローバル化され、イデオロギーや国境の垣根の低さを感じさせる。

 注目のウクライナ情勢も幾分膠着状態で、CIA担当の暫定政権治安部隊がチョロチョロ東部に手出しをしているが、到底本気な行動ではなく、右派セクター勢力とCIAの戦況有利と云う状況に見せかけよう程度の動きだ。ロシアの戦闘意欲はかなり強固で、これ以上の介入は米国裏軍隊とロシア裏軍隊のウクライナ内戦に繋がる可能性がある。ウクライナ問題で見えてきたことは、世界の紛争問題には、常に20世紀後半の覇権国アメリカの影が見えている。しかし、色んな紛争の経緯を見つめていると、やはり、覇権国アメリカの力の衰えと、中国ロシアの抬頭による力比べ、知恵比べの時代に入りつつある事を感じる。

 無論、簡単に中露が覇権勢力を構築できるわけではないが、BRICsを核とする勢力の影響は増え続けるだろう。このまま、ウクライナ問題を軸に、21世紀的冷戦構造が誕生すると、金融経済で世界を席巻していたドル基軸通貨のマジックから逃れようとする基軸通貨の誕生を誘発する。その名前は耳に届いていないが、BRICsの貿易勘定で発生するものと思われる。ユーロの発生だけでも、イラつくアメリカが、次なる通貨の発生でドル基軸マジックの効力を徐々に減じていくのは必定だ。「元」と「ルーブル」の合体通貨は、ユーロ以上のダメージをアメリカに齎すだろう。このように考えながら、以下の日経の記事を読むと、日本以外の国は、21世紀の世界潮流を見つめながら、国策が行われているのが良く判る。

≪ 勘定が合わない中国の米国債保有  
  編集委員 滝田洋一
 あれっ、勘定が合わないぞ。中国はどこに米国債をしまい込んだのだろう。そんな疑問が浮かんでくる。中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の初代主席を務めた劉明康氏による、16日のワシントン市内での講演のことだ。
■7000億ドルのズレ
 劉氏は、中国の外貨準備の半分相当を米国債で運用していると明らかにした。中国の外貨準備は2014年3月末時点で3兆9500億ドルだから、その半分となると1兆9750億ドル相当となる。
  外国人投資家による米国債保有額は14年2月末時点で5兆8853億ドルなので、中国はそのうち33.6%を保有している勘定である。中国については大半 が当局による保有。だから、外国当局が持っている米国債4兆692億ドルのうち、実に48.5%を中国当局が保有している――。
 そう記しかけて、米財務省統計を見直し首をひねった。14年2月末時点の中国による米国債保有額は1兆2729億ドルとなっているのだ。劉氏の発 言通りなら1兆9750億ドルあるはずなのに、約7000億ドルも足りない。劉氏はまさか保有額を水増ししているのではあるまい。
 それにしても、中国側の発言と米国側の統計とで、7000億ドルものズレが生じるとは尋常ではない。自分たちには把握できていない、中国当局による米国債保有が円換算で70兆円もあるというのは、米財務省にとって居心地が悪かろう。
 ところが、ここ半年間のベルギー投資家による米国債の買越額は38億ドルにとどまる。今年2月のように米国債を売り越しているのに、保有額は増えているといったことも珍しくない。
 米国債を大量に購入した他国の投資家が、ベルギーを保管場所にしていると考えれば、つじつまが合う。そうした投資家のなかに、中国が含まれているとみるのは自然だろう。外貨準備で運用する米国債の一部を、ユーロクリアに預けているのだ。
■米中、心理戦の舞台に
 外国当局は保有する米国債を、普通ならニューヨーク連銀のカストディ勘定に預けている。なのに、なぜそんな面倒くさいことをするのか。
 考えられる理由はひとつ。中国は米国を腹の底では信用していないということだ。
 それはそうだろう。ウクライナ情勢の緊迫化を機に、米国は経済制裁と称してロシアの要人や企業が米国内に保有する資産を差し押さえているのだから。「いざとなれば、明日は我が身」と中国の為政者は身を引き締めたはずだ。
 今年3月にはニューヨーク連銀の保管する米国債の残高が前週比で1000億ドル以上減る週があった。ロシアが保有する米国債を米国外に移したかと話題になった。だがロシアによる米国債保有額は14年2月末で1262億ドルにすぎない。
  中国の保有する米国債は2兆ドルに迫り、しかもその3分の1に相当する7000億ドルが自分たちの目の届かないところにある。そんな現実は、米財務省に とっての嫌な感じ以外の何ものでもない。米中両国による駆け引きの場は外交や安全保障ばかりではない。ここにもひとつの心理戦の舞台がある。
 ≫(日経新聞)

 ウクライナ問題でG7の西側価値への挑戦者には、経済制裁と裏軍事力(諜報活動含む)を発動と云う制御に委ねられているが、明確な戦争を惹起できないグローバル経済構造の中では、ベターな選択なのだろうが、解決は常に玉虫色だったり、介入地域への不安定を齎すばかり、と云う皮肉な現象を起こしている。アメリカと云う巨人の衰退は、地球上に混沌をまき散らしているのだが、混沌を巻き散らかさないと、覇権を維持できないので、避けられない混沌でもある。しかし、アメリカが蘇生する確率よりも、衰退、内向き国家になる可能性の方の確率の方が高いと感じる。

 中国政府はその辺の情勢分析は、日本の何倍も上であり、アメリカの覇権に対応するべき手立てを講じていると云うことだろう。韓国に唾をつけているのも、その一環だ。ロシアとの親密さも、アメリカ覇権亡き後の世紀を俯瞰しているのだろう。彼らの思惑が当たるかどうかではなく、そのリスクに耐えうる安全弁に配慮しておく姿勢は、見習うべきである。筆者も読み切れていないが、ロシアも中国も、覇権国家になろうと云うよりも、アメリカ一国主義、西側の独善的価値観が普遍的だと嘯く世界を排除しようと試みているのだろう。

 決して、アメリカ合衆国を支配する気はない。日本を支配する気もない。ただ、西側の価値観の独善は許せないのだろう。そうでなければ、日米など西側諸国の不動産を買いまくる意味はない。以下のロイターの記事も面白い。それにしても、 安倍自民の政治が何処に向かおうとしているのか不明だ。国家の方向性が見えない。米国なにするものぞと交渉に臨んだり、中国を刺激しまくったり、ロシアとの蜜月に水を差したり、韓国ともいがみ合った儘だ。日本丸と云う客船は、舵を持っているのだろうか?

 ≪ 焦点:中国富裕層がNY不動産市場を席巻、海外勢最大の買い手に
[ニューヨーク/シドニー 25日 ロイター] - 米ニューヨーク・マンハッタンでは、不動産の海外投資家として中国人が最大のプレーヤーに浮上。一方、これまで市場を主導してきたロシアからの投資はウクライナ危機以降、米国による対ロシア制裁などで鈍化している。 中国の富裕層は、安全な投資先や欧米諸国で子どもが教育を受けるための拠点として、ニューヨークのほかにもロンドンやシドニーなど世界の主要都市で不動産市場に資金を注ぎ込んでいる。

  ニューヨーク市の物件について、ロイターが不動産仲介大手5社に海外投資家ランキングを尋ねたところ、5社すべてが販売件数および販売価格で中国人をトップに挙げた。
米国では差別防止を目的とした公正住宅法により、住宅購入者の国籍や民族的背景に関する情報を収集した公式なデータはない。 不動産専門家によると、中国人投資家の関心は主に物件が割安かどうかという点にあるという。2007─2010年の米住宅バブル崩壊で米国内の主要都市の住宅価格は魅力的な水準に下落。価格は回復しつつあるものの、世界の他の都市と比べると依然として割安だ。

 上海や香港、シンガポールなどの物件価格が高騰し、バブルの兆候が懸念されるなか、多くの中国人 投資家はこうした市場からシフトしている。英不動産大手ナイト・フランクの「世界の高級住宅価格指数」によると、香港の高級アパートは1平方フィート当た り4100─5000ドル(約42万─52万円)。一方、マンハッタンやシドニーでは約2100─2500ドルと、その半分ほど。ロンドンも割安で、1平 方フィート当たり3300─4100ドルだ。

 不動産ブローカーらによると、多くの中国人が海外不動産に投資するのは、主要な教育機関の近くに物件を所有という目的もある。こうした物件購入者の中には、子どもがまだ歩けないほど小さいときから一流校の近くに住宅を購入する人もいるという。
上海を拠点とする雑誌「胡潤百富」によると、中国人富裕層の80%以上が、子どもを海外の学校で学ばせたいと考えている。
サザビーズ・インターナショナルの米国ブローカー、ディーン・ジョーンズ氏は「中国人は最も急速に拡大している投資家層だ。不動産の最大の需要家であり、ニューヨークはその中心的な存在だ」と語った。 また、ニューヨークの有名不動産会社コーコラン・グループのパメラ・リーブマン最高経営責任者(CEO)は、数字を見る限り、市場のどの区分においても中国人の投資がロシア人を上回っていると指摘した。

<ロシアの後退>
  マンハッタンでは、最近までロシアの実業家らが高級不動産市場を主導していた。しかし、ウクライナ情勢が悪化し、政治的なつながりを持つロシアの富裕層に対する制裁を米国が強化するといった懸念などで、ロシアからの投資は少なくなっているという。
サザビーズ・インターナショナルのブローカー、ニッキー・フィールド氏は「彼らはクリミア問題が起きて以降、いなくなってしまった」と語った。 同氏は、自身の国際事業に占める中国人の比率が2014年第1・四半期に28.5%と、前年の19%から高まったと指摘。その上で「中国人からの需要のほんの一角に触れたにすぎない」との見方を示した。

 ブローカーらによると、中国人はこれまでニューヨークの100万─500万ドルの物件を、投資目的で2、3件同時に購入することが多かった。しかし、最近ではより高級な物件に手を伸ばしている。
現在、中国人に人気の物件は、セントラルパークに近い富裕層向け超高層マンション「One57」だという。
この物件は、「建築界のノーベル賞」ともいわれるプリツカー賞をフランス人として初めて受賞した建築家クリスチャン・ド・ポルザンパル ク氏が設計。価格は3ベッドルームの部屋で1885万ドル、81階の全フロアを占める部屋は5500万ドル。建物には5つ星ホテルのアメニティーがそろっている。 ナイト・フランクのパートナー、リアム・ベイリー氏は「中国人の物件購入者は今後もさらに増え、市場での存在感はもっと増すだろう」と指摘している。

<ニューヨーク以外でも>
  ナイト・フランクが実施した販売調査によると、中国人は昨年、オーストラリアのシドニーでも高級新築住宅の購入者ランキングでトップとなった。
電話取材に応じた上海のビジネスマン、Wang Jiguang氏は、シドニーにアパート1室、メルボルンでも2軒の住宅を購入。「子どもが海外で学ぶ予定で、比較的リスクの低い海外資産を子どものために用意しているところだ」と話す。 豪外国投資審査委員会(FIRB)によると、昨年の豪不動産市場への海外投資家ランキングでは、本土の中国人がトップだった。投資額は59億ドルで、不動産市場への海外からの投資全体の11.4%を占めた。

 高級不動産に特化したシドニーの不動産会社ブラック・ダイヤモンズ・プロパティー・コンシェルジェのブローカー、モニカ・チュー氏は、この1年間で同社の事業に占める中国人の割合が80%に拡大したと指摘。同氏は「高級物件に関しては国内のマーケットはほぼ存在しない」と述べる。 ロンドンも有名大学などが数多くあり、中国人にとって魅力的な投資先だ。ナイト・フランクによると、同市場で昨年、海外購入者トップに立ったのは中国人だった。100万ポンド(約1億7000万円)を超える購入物件全体に占める割合は6%と、ロシアの5.2%を上回った。 ベイリー氏は「ロシアからの投資は成熟市場で、中国からのようには伸びていない」と説明した。  ≫(ロイター:Michelle Conlin記者 Maggie Lu Yueyang記者、翻訳:佐藤久仁子、編集:橋本俊樹)

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