世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

言論統制、国家管理社会 基本的人権の束縛社会がヒタヒタと近づいている予感

2013年05月30日 | 日記
「マイナンバー法」を問う (岩波ブックレット)
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●言論統制、国家管理社会 基本的人権の束縛社会がヒタヒタと近づいている予感

 週刊ポストによると、あの悪徳の代名詞とまで言われる検察の圧力で、NHKの番組「クローズアップ現代」の放送内容がドタキャンされた。表面的には、東京のNHK検察関係者の忖度行動があるようだが、真実は大阪地検の圧力にありそうだ。先ずは、件の週刊ポストの記事を参考に、波及的に我が国の自由度が、美しい欺瞞な言葉に誘導されながら、危機的状況に向かっている事実認識をしておこうと思う。

≪ NHK 大阪地検激怒で「取り調べ可視化」番組を放送延期した
 社会の深部を炙り出す報道姿勢で高い支持を得てきたNHKの『クローズアップ現代』。4月中に予定されていた同番組のテーマは「検察の取り調べ可視化」 だった。だが、放送は直前に延期され、その判断を巡ってNHK内部で火種が燻っているという。番組関係者が悔しがる。「土壇場になって放送延期になった。 現場に通達された表向きの理由は “取材が甘い” というものですが、実情は違うんです」
 発端は、NHK大阪の報道番組『かんさい熱視線』(毎週金曜夜7時30~55分)だった。関西の “いま” を切り取る同番組の4月8日放送回は、「“虚偽自白”取調室で何が」と題され、被疑者が嘘の自白をさせられてしまう取り調べの実態に迫った。番組ハイライトは、2010年9月、兄弟喧嘩の末に弟の首を絞めて窒息死させたとして兄が逮捕・起訴された事件の検証である。  大阪地検の検事が作成した調書には「隙をついて背後に回り首を絞めた」「手加減しなかった」などと書かれてあり、兄が弟の首を絞めている認識があったかのように読める。しかし取り調べの模様を記録したDVDが裁判員裁判に公開されたことで検察のストーリーは崩壊した。
 DVDには調書に署名した後に、兄が「結果的にそうなってしまった」と話すシーンが録画され、兄の証言が調書の内容と食い違うことが明らかになったの だ。
 結局、取り調べのDVDをもとに「調書は信用できない」として兄は2011年7月に無罪判決となった。その後、大阪地検が控訴を断念し、無罪が確定している。
 番組ではこのDVDを公判の証拠物を保管する担当弁護士から入手し、取調室という密室で “虚偽自白” が作られる瞬間を放映した。大手紙の在阪記者が語る。 「番組を見れば検察の “誘導” は一目瞭然です。DVDは既に公判で公開されていましたが、見たのは裁判員だけ。それをオンエアすることは、報道として大いに意義があると思います」
 大阪地検特捜部が引き起こした「村木事件」(※注)を端緒として、検察は自白に偏った捜査手法の見直しを求められている。2011年6月には法制審議会の特別部会が設置され、取り調べの可視化を始めとする司法制度改革が議論されている最中だ。検事出身の弁護士・郷原信郎氏がいう。
  「法制審議会の特別部会では、法務省や検察庁の役人も参加し、取り調べ可視化についての議論も『取調官の裁量に任せる』といった可視化の流れを骨抜きにするような案が次々でてくる。検察は反省が足りない」
 遅々として進まぬ検察改革に対して、改めて取り調べ調書の問題を炙り出したのが『かんさい熱視線』だった。だが、これに激怒したのが大阪地検である。 「番組放送はただでさえ地に落ちている大阪地検のイメージをさらに損ねた。しかも特別部会で議論されている司法改革案について法務省は来年の通常国会での 法案提出をめざしていた。当局からすればタイミングが悪すぎた」(司法関係者)
 NHK関係者が明かす。
  「実は『かんさい熱視線』の取り調べの検証特集は、『クローズアップ現代』としても放送される前提で取材が行なわれていたんです。5月上旬に放送される予定で、番組コメンテーターには村木厚子さんの起用も決まっていました」  『クロ現』の放送が延期されたのは前述の通りだ。しかし関係者によれば、オンエアに待ったをかけたのは検察ではなく、他ならぬNHK内部だったという。 NHK関係者が続ける。
 「NHK東京本社の記者が検察の激怒を知って、上層部に進言したそうです。『証拠DVDを再度放送すれば番組関係者が検察に捜査される可能性もある』として、番組中止を訴えた。当局にすり寄る記者連中と、それに反発するディレクターの対立というのはNHKではよくある構図ですが、今回はあまりにもひどい」
 NHK内部でも放送の是非を巡って激しい議論が交わされたというが、結局、放送延期というリスクヘッジがなされた。

【※注】村木厚子厚生労働省局長(当時)が郵政制度を巡って不正を働いたとして大阪地検特捜部に逮捕。大手メディアも政治家を巻き込んだ疑獄事件に発展する可能性があると報じたが、大阪地検特捜部の担当検事が証拠品のフロッピーディスクを改竄していたことが判明。村木氏は無罪となって、担当検事は証拠隠滅罪で実刑となった。≫(週刊ポスト)

 この事例は個別的に検証することで、多少検察の言い分にも一理ありそうな話題だが、ここ数年の我が国の法整備を眺めていると、官僚組織(統治管理機能)が、何らかの影に怯えたように、様々な取り締まり法規を法整備している。彼らが、何を怖れて取り締まり規定を強化しようとしているか、その辺は最後に残して、次々と成立した法律(条例含む)を眺めてみよう。

 記憶の範囲で書き出すので、時系列にはバラバラだ。暴排条例&改正暴対法、ACTA協定(偽造品の取引の防止に関する協定)、ダウンロード違法化、共通番号制度(マイナンバー制度)と呆れるばかりだ。勿論、夫々に取り締まる目的に正当性はあるのだが、取り締まり方が一網打尽型、問答無用の臭いが強く、デュー・プロセス・ローと云う法治国の原則から行くと、甚だ乱暴な権力側に有利な手段を決定している。この多くがコンピュータやIT関連である点が顕著だ。

 おそらく、官僚組織も充分に知らない世界ゆえに、極度の怖れを感じて、過度な取り締まりツールを多く入手しようとした部分もある。つまり、知らないものへの極度の怖れから発生しているのだろうが、個別に内容を吟味すると、夫々に両刃の剣な部分がある。泥縄式につくる機運が生まれた法律もあるので、いずれは、夫々の間の整合性などが問われることになるのだろう。ただ、安倍晋三や日本維新の会のような国会議員の主張が通るようになると、この法案等々は、犯罪を取り締まるものではなく、国民の基本的人権を脅かすツールとして機能し始めるのだろう。そこが、とても危険だ。

 昨日のコラム、20世紀型有識者会議の話ではないが、このような法整備の動きにしても、見えない21世紀を怖れる既得権益集団の焦りが垣間見えるのだろう。所詮、最終的には、官僚も経済界も政界も、世紀的大きなウネリに呑みこまれるのだろうが、儚い抵抗をしている、ということだ。こんな風に、達観した醒めた目でも持たないと、うかうか街も歩けない昨今だ。道路を走ればNシステムにETC。部屋を一歩出れば街角監視カメラ。コンビニも映画館もラブホもデパートも監視カメラの砲列だ。今や、警察の犯罪捜査の基本は聞き込みではなく、このカメラの映像に頼っていると云う。昨夜のNHK・クローズアップ現代で顔認証の技術が紹介されていたが、“なんだかな~”と独りごとを、つい呟いた。

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