世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●腑に落ちない今上天皇の「譲位」報道 侍従長の復讐劇か?

2016年07月30日 | 日記
貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書)
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講談社

 

安倍
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●腑に落ちない今上天皇の「譲位」報道 侍従長の復讐劇か?

 今上天皇の「生前退位(譲位)」のNHKや共同通信の報道に何の根拠もなければ、昨日報道されたように、(早ければ、来月8日にも、現在の「お気持ち」を表明)と云う追記事が報じられることはないだろう。時事通信の記事、或いは政府の「生前退位」報道に関するスタンスは、極めて消極的だと認識できる。無論、時事の記事は、安倍官邸バイアスが色濃く掛かっているので、すべてを鵜呑みには出来ないが、表向き、菅官房長官の発言からも、我々は関わりたくない、と云う態度が滲み出ている。 「合区」の憲法改正など、国民的熟議が成立しそうもなく、国民は、皇室典範の改正論議に優先順位を与えるだろう。

 このような国民の雰囲気が醸成されることは、改憲に舵を切った、安倍官邸にとっては、まさに、青天霹靂だったに相違ない。先の「譲位報道」の時、宮内庁幹部は、こぞって「そのような事実はない」と強く否定していた。しかし、再び、宮内庁関係者が登場して、事実無根の話ではないとして、毎日が報道している。NHKはじめ、他のマスメディアは、必ずしも大きく紙面を割くことはなさそうだ。ネットサイトにおいても、トピック扱いはしていない。7月13日に比べると、嫌に扱いが些末な事柄のような扱いになっているが、宮内庁が、正式には何も決まっていないと断言しているので、またまた新聞辞令風味、情報源は特定されていない。

 ≪ 生前退位  8月8日軸に検討 陛下「お気持ち」表明
 生前退位の意向を宮内庁関係者に示している天皇陛下が、自らのお気持ちを国民に表明される日程について、同庁は8月8日を軸に検討している。同庁はできるだけ早い時期に実現するよう調整。既に固まっている公務や政治日程を外し、この日が有力になっている。生前退位は、象徴天皇の制度の根幹を見直すことにつながり、陛下のお気持ちが国民に伝えられることで議論が本格化することになりそうだ。
 宮内庁は、お気持ちを表明する機会として、12月23日の誕生日にあわせた記者会見などを選択肢として検討していた。しかし今月13日に陛下の生前退位の意向が一斉に報じられ、より早い8月に表明の場を設ける方向で再検討した。
 8月は、3日に内閣改造が予定され、陛下は閣僚の認証式に臨むことになる。6日の広島の原爆の日、9日の長崎の原爆の日、15日の終戦の日を避け、長野・軽井沢などで静養する下旬の時期も外すと、表明の日程は8日が有力になるという。
 お気持ちを表明する方法は、ビデオメッセージやテレビ中継などを候補に慎重に検討している。ビデオメッセージによる国民への語りかけは、2011年3月の東日本大震災に際して実施されたことがある。テレビ中継で行う場合、記者の同席も検討される。
 天皇は国政に関する権能を有しないと憲法で規定されていることを踏まえ、表明されるお気持ちの内容は、国の制度の変更を直接促すものにならないようにする。このため「退位」などの具体的な文言は避けられる見通しだ。高齢となることで天皇としての務めを十分に果たすことができなくなることへの思いが率直に語られるとみられる。
 天皇陛下は今月23日、皇太子さまと秋篠宮さま、長女の黒田清子さんを御所に招いて昼食をとった。その際、お気持ちの表明に関しても話されたとみられる。  ≫【毎日新聞:高島博之、山田奈緒】

≪ 憲法抵触を懸念=生前退位「お気持ち」表明で-政府
政府は、天皇陛下が生前退位に関して来月上旬にも「お気持ち」を表明される方向で調整が進んでいることを受け、天皇の政治的行為を禁じた憲法4条に抵触する事態を招かないか懸念している。生前退位の制度化をめぐっても、政府内では慎重論が依然根強いのが実情だ。
 政府高官は29日、天皇のお気持ち表明について「何かしら自身の思いを話されるのではないか。こちらが止められることではない」と述べ、政治性を帯びず、心情の発信にとどまるならやむを得ないとの認識を示した。
 憲法4条は「天皇は憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」と規定。内閣の助言と承認に基づいて行う首相任命や閣僚認証、法律公布、大赦などの国事行為を除き、一切の政治的行動を認めていない。
  仮に生前退位を制度化する場合、法律の一つである皇室典範の改正が必要となる。陛下が改正を直接的に促したと受け取られれば、憲法4条に抵触しかねない。 別の政府高官は「陛下からお求めいただくことも、こちらから勝手に動くこともできない」と、極めて慎重な姿勢を示す。 ≫(時事通信)


 「生前退位(譲位)」のリーク報道の経緯から、情報源が、宮内庁表勢力でないことは窺える。天皇の「お気持ち」が、報道の事実と合致しているからと言って、宮内庁表勢力が情報発信源であるとは限らない。天皇の側近や宮内庁幹部、皇室の誰かが、「生前退位(譲位)」に関する情報源なのは確かだ。以下は、佐藤優の推量だが、河相周夫侍従長ではなかろうかと指摘している。同氏は、外務官僚に対して、幾分目が斜視傾向にあるので、すべて的確かどうか定かではない、目のつけどころは悪くないだろう。民主主義のすべてと言われる“デュ・プロセス・オブ・ロー(due process of law)”を口を酸っぱくして語っているが、その点は正論だ。


≪佐藤優が斬る!「天皇陛下『生前退位』リーク報道は、ココがおかしい」
【 7月14日、ほぼすべての新聞社が“天皇陛下「生前退位」のご意向示す”と一面トップで報じ、日本中に激震が走った。この報道に関し各所でさまざまな憶測がされるなか、佐藤優氏は「この話自体が、完全におかしい」と主張。その真意を明かす。】

■新聞の倫理が問われている
西川文野: 天皇陛下が生前退位のご意向を示されていることについて、政府は早ければ来年の通常国会で皇室典範の改正を含めた法整備を行う方向で調整に入りました。これは複数の政府関係者が明らかにしたものです。現在の皇室典範には生前退位の定めがないための措置で、政府は今年の12月23日の天皇誕生日を目途に骨子案をまとめたい考えです。 一方、天皇陛下が生前退位のご意向を周囲に示されたことを巡り、宮内庁が近く陛下に自らお気持ちを表明してもらう方向で検討していることがわかりま した。「宮内庁関係者」の話でわかったもので、政府として陛下の考えを広く国民に理解してもらって初めて議論がスタートできると判断し、異例の対応をとることにしたと見られます。
野村邦丸(以下邦丸): 昨日(7月14日)も伊藤惇夫さんにお話をしていただいたんですが、なるほどなと思うのは、天皇のご意向というものが、たとえば政府を動かすということになると、政治にはかかわらないという大原則から、これは憲法に触れる可能性もある。
佐藤優(以下佐藤): 完全に憲法に触れています。
邦丸: はい。
佐藤: それから今回、話が完全におかしいです。
邦丸: どこが、おかしいのでしょうか。
佐藤: どうしてかというと、宮内庁長官も宮内庁次長もその日のうちに「陛下は憲法上、制度や国政に関する発言はしていない」「生前退位について官邸と相談しているということはない」と否定していますよね。この否定記事は朝日新聞には小さく出ていましたが、ほかすべて、「ご意向がある」ということが一面に出ているんですね。その場合は、ニュースソースを明示しないといけないんです。
邦丸: はい。
佐藤: それを明示せずに「宮内庁関係者」としている。宮内庁は組織ですよね。組織は一体で、その最高責任者が「発言はしていない」「相談しているということはない」と言っているのならば、新聞各紙は「ない」ことを一面で報じていることになるわけですよね。 その場合は情報源が「宮内庁関係者」という匿名ではダメなんです。なぜかというと、宮内庁の長官が「否定していること」が事実だ、宮内庁長官はウソ をついている、とすべての新聞が報じていることになるわけですから、その根拠となる情報源が匿名の下に隠れてはいけないんですよ。
佐藤: 私は宮内庁長官や宮内庁次長がウソをつくことはないと考えています。ただ、宮内庁にはもう一つのルートがあるんです。いわゆる奥の院と言われている侍従長です。
邦丸: はい。侍従長というのは陛下のすぐそばにいつもいらっしゃる。
佐藤: そうです。表には出てこないことになっている現在の侍従長は、元外務事務次官の河相周夫(かわい・ちかお)さんです。長官と次長が「否定していることが事実ではない」というのなら、新聞はその裏を取らなければ記事にはできません。少なくともこの侍従長に当てて、実名でそれを書かなくてはいけないんです。
邦丸: なるほど。
佐藤: そうじゃないと、たとえば仮に「どうやら憲法改正のご意向があられるようだ」という形のニュースがどこからともなく宮内庁関係者から出るとする。そして宮内庁長官と次長がそれを否定しているとする。しかし、本当はそういうご意向があるんだということで憲法改正に動くとは考えられないわけですよ。 いわゆる天の声をこういう形で出すことで物事を進めようとしているのは、今の一部の宮内庁の人たち──つまり、外務省出身の人たちの動きだと思いますけれど、国家の民主的な統制からすると、ものすごく違和感がありますね。 陛下は内閣の助言と承認によって動かれるんですけれども、もし、憲法改正のご意向を持っておられるんだったら、内閣が責任を持って、宮内庁長官の会見で「陛下には、ご意向がある」として、それを踏まえて内閣の立場として菅官房長官が説明すればいいんです。 ですから、ご意向を示してもらう機会は、内閣が内閣の意志でつくる。それができるはずなんです。しかし、なぜ、これがリークで始まるのか。 また、なぜ宮内庁長官と次長が公式に否定していることが新聞のトップニュースになって、それが事実として動いていくのか。私はここのところで新聞の倫理が問われたと思います。新聞の人たちはニュースソースを知っているわけですから。 宮内庁長官が「ノーコメント」とか「公には申し上げられません」と否定していないのだったらいいんですが、明確に「そのような事実はない」と言って いるんですから、「ない」と言っていることを「ある」と報道したことに対して、誰も違和感を覚えないということは、マスコミが政府に「ウソをついても構わないんですよ」と言っているのと同じことなんですよね。
■なぜニュースソースを明かさないのか?
邦丸: 陛下が周囲に生前退位のご意向をもらしていらっしゃるという、その「周囲」というのは、たとえばの話、今の侍従長さんということなんですか。
佐藤: わからない。
邦丸: これはわからない。
佐藤: しかし、マスコミは、こういう重要な問題は宮内庁長官と宮内庁次長のほうに聞いて、もう一方の重要なポスト、つまり侍従長に公式な見解を求めないというのはおかしいんです。 宮内庁長官と次長が「違う」と言っている以上は、そういう話は「ない」ということですよね。これは、政府の立場、国家の立場ですね。われわれは納税 者です。われわれは国民の知る権利を持っていますが、それは「真実」を知る権利なんですね。「生前退位のご意向もないし、検討もされていない」というのが政府の立場だったら、それが真実のはずなんです。
佐藤: テレビや 新聞は自分たちの取材によって、それと違う話が「真実」だということを確信しているから、そう報じているわけでしょ。たとえば、外務案件だったら、外務大臣と外務省事務次官が否定しているのに、日本外交はこういうことをやります、と新聞の一面に出て、その情報源が「外務省筋」だったらダメでしょ。
邦丸: ダメですね。
佐藤: その場合、誰が言っているか明記しなくてはいけませんよね。だから、マスコミの人たちはよく考えてほしいんですけれど、こういう報道を続けていていいんですか。 情報源との信頼関係で、次から情報が入らなくなるということを心配しているんだと思うけれど、そんなことはありません。 私は皇室典範の改正に賛成ですよ。陛下がそういうご意向を持たれているなら、やったほうがいい。しかし、なぜこういうようなリークという方法で国民 世論を動かすのでしょうか。民主主義は「手続き」です。仮に内容がいいものであったとしても、おかしな手続きをしている時は、誰かがきちんと異議を申し立てないと、そこから民主主義が崩れてしまいます。

■最大の「違和感」
邦丸: 早ければ来年の通常国会で皇室典範の改正を含めた法整備を行う。これのためにいろんなところにリークしていくわけですか。
佐藤: もちろん、そうです。
邦丸: これは憲法にもかかわってくる。
佐藤: 憲法にかかわってきます。最も重要なのは、皇太子には誰がなられるのかということです。今の法体制では、天皇が生前退位されると皇太子が空位ということになるんですね。そうなると、もう一度、女帝論が出てくるという話なんですね。
邦丸: 女性皇太子、女性天皇についての議論ですね。
佐藤: ですから、その辺のことも含めて非常に大きな話なんですよ。最初から「会見で非常に重要なご意向を発表します」と告知して、そこでご意向を発表していただく。あるいは、こういうご意向があることを踏まえての内閣の判断として、国民に公式の場で伝えるということが、なぜできないのか。私はすごく不思議に思うんです。 さらに、そういうことに対して違和感を持つことなく報道が進んでいくという事態に、非常に危うさを覚えるんですよ。内容さえよければそれでいいということではなくて、民主主義は手続きなのであり、その手続きに問題があるのにそのまま報道が進んでいます。
邦丸: 手続きという面で言うと、例えば、侍従長さんが「天皇陛下から聞いたご意向というのがあるんだよ」とリークしたと仮定します。では、そのリークの目的は何なのでしょうか。
佐藤: 二つあるでしょうね。一つは、世論の反応を見たい。世論の反応がGOなら進める。二つ目は、世論はGOだろうということを前提とした環境整備。 つまり、こういうことです。いずれにせよ、ここのところにおいては憲法問題が出てくる可能性がある。なぜならば、天皇は国政に関する権限を有してい ない。国事に関するすべての行為は内閣の助言によって行うという建前になっているならば、天皇陛下がご意志を持っておられるという問題で何かが動くということは、憲法体制との整合性の問題がある。 だから、とにかく「事実」として動かしてしまおう。国民の声としてそれが必要だということになれば、憲法問題は回避できる──こういうふうに考えるということは、一般論ですが、外務官僚のやりそうなことですよ。
邦丸: なるほど。
佐藤: だから、 宮内庁の長官と次長は官僚として極めて真っ当な対応をしているわけです。仮に、ご意向を漏らされたのだとしても、内閣の助言と承認がない限りにおいては、 どのようなご意向を聞いていても、それは存在しないことになるんです。その点を、宮内庁の長官と次長はものすごくよく守っているんですよ。 あの人たちが、一方で「実はこういうことを考えています」と言って、もう一方でウソをついているとは私は思えない。これは完全に役人生命にかかわる から、そういうことはしない。となると、その二人以外にどこかにそういうことをしている人がいて、完全に匿名の陰に隠れて大きな国家意思を動かそうとしているんですよ。だから私は、非常に違和感を覚える。

■アンフェアな事態に気づかないマスコミ
佐藤: マスコミにしても、普段は「この情報源が私だということは言わないでくださいよ。今後、重要なこともお話しできなくなっちゃうから」と言われたら、取材源の秘匿は守らなくてはいけない。ところが、これは宮内庁の長官と次長が否定している話なんだから、それにもかかわらず否定されている内容が「真実」だと報道する時は、国民はその匿名の情報源をどうやって信用しろというんですか。検証の方法がない。おかしいですよ、こんな報道は。
邦丸: はい。
佐藤: それならば、宮内庁の「誰」が言ったと、固有名詞が入らなければダメなんです。この情報を報道した人は、流したことの責任を取ってもらわないと。
邦丸: 近く陛下自らお気持ちを表明してもらう方向で検討しているという。
佐藤: 宮内庁は「組織」ですから、組織自体は語れないですから、組織の人間の誰かがそう語っているんですよ。 邦丸: 宮内庁長官が指示したことなのでしょうか。ニュース原稿を見ていると、「宮内庁が近く陛下自らお気持ちを表明してもらう方向で検討していることがわかりました」ということなんですが。
佐藤: マスコミは宮内庁長官には当てられますから、宮内庁長官は公のことは答えると思いますよ。しかし、宮内庁長官は「検討した事実はない」と否定しているわけですからね。
邦丸: この辺がちょっと矛盾しますよね。
佐藤: だから、宮内庁Aと宮内庁Bがあるということになっているんですよ。宮内庁Aは公式に全面否定している、しかし、宮内庁Bの話が事実なんだということになっているんだけれど、その宮内庁Bは匿名の陰に隠れてやっているわけですよね。アンフェアだと思いませんか。
邦丸: 思いますね。
佐藤: しかも、侍従長の場合は『文藝春秋』に「侍従長・河相周夫」の名前で随行記を寄稿しているわけですよ。ですから、侍従長だから語れないというのであれば、それならなぜ、『文藝春秋』には名前を出して寄稿しているんですか、という話になる。 一つの役所なんですから、宮内庁のなかできちんと責任をもって対応して、こういう重要なことは憲法体制に疑義がない体制で進めてほしい。私は率直にこう思うんです。
邦丸: はい。
佐藤: 内容はいいんです。でも、内容はいいものであっても、民主主義は手続きなんですよね。こういう手続きを許してしまう、つまり、役所が公式に否定しているにもかかわらず、その役所筋から流れていることによって大きな物事が動いて、法律の改正になって、憲法にもかかわることになってくるという、こういうようなことがこの国で行われていいのか。
邦丸: アンフェアですよね。
佐藤: 私はそう思います。しかも、新聞にその指摘がほとんどないでしょ。そういう問題意識が新聞記者の照会にないんですよ。「なんでこのタイミングなんですか?」という 照会ばかりなんですね。ですから私はいくつか取材を受けてきちんとていねいにコメントしたんですが、『AERA』だけには来週掲載されますが、ほかは使ってくれていないんですよ。 この「手続き」の問題だということをなぜみんなが議論しないのか、不思議なんです。気づいていないのは危ないと思います。みんなで大変危険な赤信号を渡り始めているんだと思います。
 ≫(現代ビジネス>オトナの生活>佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol.089(2016年7月27日配信)より)


 佐藤優の話に出てくる、河相周夫侍従長なる人物について、どうも知っておく必要がありそうだ。Wikipediaによると、以下のように記している。それにしても、河相侍従長の反乱だとすると、正直、民主主義の仕組みと云うもの、どこかに、意図的に行動すると、民主的な手続きを端折ることが出来ると云うことかもしれない。安倍官邸の閣議決定が好例だが、今回の譲位報道も、“デュ・プロセス・オブ・ロー(due process of law)”は無視されている。たった10カ月に満たない事務次官を経験すれば、その誰にもぶつけられない怒りは、マグマ溜まりのようにグツグツと煮えたぎっていた可能性は否定できない。ただ、佐藤優は、例の事件において、河相から冷たい仕打ちを受けたようなので、割り引いて読む必要はある。


≪ 河相周夫
(かわい ちかお、1952年11月22日 - )は、日本の外交官。侍従長(第9代)。
経歴
外務省北米局長、外務省総合外交政策局長、内閣官房副長官補、外務事務次官、外務省顧問、式部官長などを歴任した。
人物
東京都出身。1975年一橋大学経済学部を卒業し、外務省に入省する。2005年外務省北米局長就任。2006年4月にクリストファー・ヒル国務次官補と東京都内のホテルで会談し、BSE問題に絡み米国産牛肉の全面輸入禁止措置がとられていることにつき、ヒル次官補から早期解禁を要求されたのに対し、米国の検査体制整備がなされない限り、輸入解禁はできない旨を答えた。
同年6月にも、ヒル国務次官補と外務省で会談し、朝鮮民主主義人民共和国に対するミサイル防衛でアメリカ軍と連携を強化する方針を確認した。 2012年9月11日付外務事務次官就任。同年靖国神社・日本大使館放火事件犯人に対し引き渡し拒絶決定がなされたことに関し、申カク秀駐日大韓民国大使に遺憾である旨の抗議及び要請を行った。
2012年9月24日、沖縄県尖閣諸島問題を話し合うため、中国を訪問し、同25日、張志軍中華人民共和国外交部筆頭副部長と4時間に渡り会談した。双方は協議継続で一致したものの、議論は平行線のままで、関係改善の糸口を見いだすには至らなかった。
2013年1月に訪米、ウィリアム・ジョセフ・バーンズアメリカ合衆国国務副長官、ダニエル・ラッセルアメリカ国家安全保障会議アジア上級部長と安倍晋三首相の2月訪米への調整を行った。
2013年6月、通常2年以上の在職期間となる外務事務次官職を10ヶ月弱で退任。次官就任前から作家の佐藤優による批判をたびたび受けており、佐藤はこの次官退任劇についても安倍晋三内閣総理大臣による事実上の更迭であるとしているが、同月に小笠原倫明総務事務次官、真砂靖財務事務次官、金子順一厚生労働事務次官、坂篤郎日本郵政社長が、いずれも就任1年を満たずに退任した他、7月には森口泰孝文部科学事務次官も退任し、さらにこれに先立って3月に金沢博範防衛事務次官も退任、2012年12月には梅本和義内閣官房副長官補が就任1ヶ月ほどで退任していたなど、次官級職員の異例の退任が相次ぐ中での人事だった。外務省顧問等を経て、2014年(平成26年)9月1日、宮内庁式部官長。同年12月、皇后美智子のベルギー行啓に随行した他、2015年(平成27年)4月の今上天皇・皇后のパラオ行幸啓を事務方として取り仕切った[8]。 2015年5月1日から侍従長 ≫(Wikipedia抜粋)


 外務事務次官の地位に就きながら、その期間が通常2年であるにも拘らず、就任期間10カ月の事務次官と云う不名誉な称号を安倍官邸によって与えられた、現河相侍従長である。2013年は野田佳彦の「民主党売却解散」の翌年なのだが、当時事務次官であった河相侍従長は、民主党の選んだ事務次官全員の人事洗い出しが行われ、官僚粛清人事が横行した時の犠牲者の一人でもあった。能力的に問題点もあったようだが、安倍官邸主導官僚人事の犠牲者だとも言える。佐藤に言わせると、「義理を欠き」「人情を欠き」「恥をかく」ことが平気で出来ると云う「サンカク官僚」人物評になるが(笑)、当然、権力欲の強い人であれば、安倍官邸の人事に大いに不満を抱いていてもおかしくはない。

 仮に、丸谷才一の『たつた一人の反乱』ではないが、ボーイ・ソプラノで、「生前退位(譲位」情報を発信したとなると、トンデモナイ茶番劇によって、我々国民は、天皇の地位を個人的怨念によって振り回されたことになる。河相侍従長は、必ずしもアメリカとの関係が悪いわけでもないが、ロシア系にも強かった側面もあるので、外務省には珍しく、画策系な資質を持っているようだ。この「生前退位(譲位」情報は、今後も真実はどうだったのか、判らず仕舞いに坦々とことは流れていくのだろうが、奥歯にものが挟まったような違和感は拭えない。また、侍従長犯人説が有力だが、皇室の誰かと云う説にも、それなりに説得力はあるだろう。まあ、事実関係がある以上、ものごとは手順を踏むことになるのだろう。報道と云うもの、まさに、時と場合には騒乱罪のような罪を犯す。

 

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