世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

うだる熱波、腐り出した五臓六腑 日本で民主主義が機能する日は来るのだろうか

2013年07月12日 | 日記
経済成長って、本当に必要なの?
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●うだる熱波、腐り出した五臓六腑 日本で民主主義が機能する日は来るのだろうか

 ダイエーが意地と踏ん張りで、鰻のかば焼きを値引きセールするらしい。成熟した内需関連の企業の奮闘は結構目立つ。新規の内需関連企業の場合、ベンチャー精神が逞しい所為なのか、ブラックっぽい臭いが、未だプンプンしているが、彼らもいずれの日にか洗練されて行くのだろう。それに比べ、既存の製造業は、政府への要求が多過ぎる。自らの選択で、グローバル経済下での企業運営をしているのだから、つべこべ言わず地球上でガチンコ勝負をすれば良いだけなのに、あれやこれやとオネダリや小言がお過ぎる。黙ってヤレヤ!

 相当ヤバイ問題が、福島原発で起きているようだ。マスメディアも国民も、福島の放射能に関し、見ざる聞かざる言わざる状態でロックしているようだが、以下のような現象は、おぞましい事実を示唆しているのかも知れない。メルトスルーした核燃料が、格納容器の底のコンクリートを侵食し、地下にダダ漏れを起こし始めたのかもしれない。小出氏が一番怖れていた現実が始まった可能性を疑うべきである。水は概ね低きに流れるから、目に見える現象は軽微だが、海の汚染は、甚大なものになる可能性がありそうだ。太平洋の海水が、どれ程希釈してくれるものか、筆者には判らん。

 ≪ 東京電力は11日、福島第一原子力発電所3号機タービン建屋近くにある深さ約30メートルの立て坑内の汚染水を調べたところ、国が定めた許容限度の約100万倍にあたる放射性セシウム137を検出したと発表した。
 港湾付近の井戸から放射性物質が検出されている問題で、原子力規制委員会は、立て坑の汚染水の漏えいを原因の一つではないかと考えており、汚染水を早急に抜き取るよう指示している。
 調査は10日に行われ、水深1メートルの場所で、セシウム137が1リットル当たり1億ベクレルだった。6月までに調査が行われた2、4号機の立て坑内の濃度と比べ、10~1000倍高い。
 また、東電は海から約25メートルの井戸で7日に採取した地下水から、ストロンチウム90が同1200ベクレル検出されたと発表した。≫(読売新聞)

 自民党に福島原発の対応を任せても、隠蔽に次ぐ隠蔽作業をするだけだろう。民主党も同じだった。どう考えても、私企業に原発の放射能への対応や収束を任せるべきではないのは、常識だろう。幾ら総括原価方式で、経費が幾らか掛かっても良いとはいえ、全国民の非難の中で、真実をありのままに語ることなど、私企業では絶対に出来ない。この辺は、あきらかに小沢の認識が正しい。国の予算が破綻しても、真実に沿った、国家レベルの取り組みは不可避だろう。しかし、それをやらないのが、日本の統治機構なんだね(笑)。

 中国との関係悪化は、安倍晋三がシャッポにいる限り修復不可能と読んだ政府は、せめて韓国との関係だけでもなんとかしようと躍起だ。斎木昭隆外務事務次官が金奎顕第1次官と会談し、斎木事務次官は「友好的な雰囲気の中で率直、建設的な意見交換ができた」と有意義な時間を強調したが、金事務次官は「両国関係の発展のためには、まず日本が歴史問題の解決へ、誠意をもって対応し、信頼を回復することが重要だ」と主張している。なんとか日韓首脳会談を果たしたいのだろうが、早い話断られたと云うことだ。菅官房長官などは、韓国と特段急ぐ懸案もないので、急ぐ必要もない等と強がっている。

 米調査機関ピュー・リサーチ・センターの最近の調査によると、安倍晋三の印象は85%が好ましくない人物と評価している。日本に対して好印象を 持つ人は中国で4%、韓国で22%。5年前の調査では、中国人の21%、韓国人の47%が日本に良い印象を抱いており、対日感情の悪化は顕著。マレーシア、インドネシア、豪州、フィリピンでは、前回も今回も、日本に好印象を持つ人は8割程度に上り、中韓との差が歴然。米国が米中韓で話を決めていこうと腹を決める気分になるのも当然だろう。北東アジアの孤児にならない為に、ロシア、モンゴルと親愛外交だが、中韓とこの調子では、そもそも論で窮地に立っているのだろう。

 気がつかなかったが、TPP7月の交渉会合は、最後のセレモニーに顔が出せるレベルで、工業品や農産品の 関税撤廃を扱う「市場アクセス」分野の協議に間に合わないことになったそうである。交渉会合は「市場アクセス」「投資」「知的財産」など分野別に日程を振り分けて議論を進めるらしいが、まぁ米国との事前交渉の中で、一方的に押しつけられる市場開放命令の方が劇薬だろうから、TPP交渉の席に就こうが就くまいが、結果は同じかも知れない。何だか、“貫一お宮”の関係を彷彿とさせ、苦笑いするしかなさそうだ。

 日銀の黒田総裁が「思った通りだ!」と喜色満面なようである。2年半ぶりに景気判断を「回復」と表現できたことを自画自賛している。その表現を決めたのは黒田自身なのだから、ニュースにもなりゃしない。マインドがすべて好いと言い、改善の遅れが指摘される雇用者所得についても、「いずれ上がる」と藪医者のような返事をしている。その間、それを国民は信じて、俺の治療を信じ、治療費を歓んで支払えと言っている。しかし、最後の最後になって、懸念材料が一つだけあると前置きし、中国経済、特にシャドーバンキング問題がある、と一言つけ加えた。これが、すべてのエクスキューズだと捉えるのが、大人のニュースの読み方だ。つまり、長期金利の上昇も含め、自らの金融政策が上手く行かない時は、中国の所為だと転ぶ前から杖を出した。

 ここ数日の流れを見ていても感じることだが、日本人と民主主義は馴染むのだろうか、と疑問に思うことが数限りなく起こっている。小沢は、民主主義が未だ定着し切れていないと見ているようだが、09年の政権交代にしても、“空気”のなせる技で、デモクラシーな思考経路で起きた現象だとは言い切れない。現在、自民党が政権を握っている事実も、デモクラシー的な国民のプロセスから生まれたとは言い難い。結局は、政治が、政治が出来ず、旧態依然の官僚機構と欧米支配の枠から一歩も出ていない。明治維新以降、この構図は歴史的にみると、まったく変わっていない。あぁ今日も蒸し暑い、ゆで蛙になりそうだ。

変貌する民主主義 (ちくま新書)
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