世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

第二自民党は“みんなの党”から“橋下維新党”へ 「国民連合」(オリーブの木)の確実な歩み

2012年08月31日 | 日記
「超日本」宣言─わが政権構想
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第二自民党は“みんなの党”から“橋下維新党”へ 「国民連合」(オリーブの木)の確実な歩み


 1980年代に吹き荒れたジャパン・バッシング。それからジャパン・パッシング、ナッシングと変異してきたのだが、最近はミッシング(missing:失われているとか、行方不明と云う意味)とまで我が国は世界的に呼ばれているそうである。どうしてこんな話が冒頭に来たかと云うと、日本の既得権益集団、霞が関、マスメディアが、最も警戒している政治勢力の存在をナッシング乃至はミッシング扱いとして、宇宙のかなたに葬り去っている現状を観察しながら思いついたからに過ぎない。 *毎日新聞が、如何にも弱小勢力の“集い”の如き扱いで、「既得権益集団、霞が関、マスメディアが、最も警戒している政治勢力」の結集に関する情報を発信している。先ずは参考に読んでいただこう。

≪ 国民連合:準備会合開かれる 維新の参加は見込みなし
 次期衆院選で「反増税」と「脱原発」を掲げる政党が連携する「国民連合」の準備会合が27日、国会内で開かれた。国民の生活が第一が呼びかけたもので、計7党・会派が参加した。生活の小沢一郎代表は、各野党が 連携して政権を目指す「オリーブの木」構想で次期衆院選に臨む方針だが、民主、自民以外の「第三極」の中核と見込まれる地域政党「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)が参加する見通しはなく、狙いが奏功するかは見通せない。
 会合には生活の山岡賢次代表代行、社民党の又市征治副党首のほか、新党きづな、新党大地・真民主、減税日本、新党日本、衆院会派「改革無所属の会」の代表者が出席。民主党内の有志として辻恵衆院議員も参加した。消費増税撤廃法案と、2022年3月11日までに原発ゼロを実現する「脱原発基本法案」の成立を統一公約とする方針などを確認した。  会合では選挙協力も議題に上がり、山岡氏は「同じ考えの人がぶつかったら勝てなくなる。おのずと選挙区調整は出てくる」と語った。ただ、減税日本代表の河村たかし名古屋市長は26日の党会合で、「まず、東京、大阪、名古屋でやるのが先ではないか」と地域政党間の連携を優先する考えを示している。準備会合の参加者内でも考えはまちまちで、多くのハードルが控えている。【光田宗義】≫(毎日新聞)

 この「国民連合」(オリーブの木構想)はあきらかに小沢一郎主導の「日本改造計画」の端緒なのだろう。何度も日本改造を試み、それなりの可能性まで到達するのだが、いま一歩の処で日本改造自体は、諸般の事情で頓挫している。必ずしも、小沢一郎の責に帰す問題ではないが、結果的には2009年における「政権交代」で起きていなければならない、我が国を支配する構造のパラダイムシフトはビクともしなかった。逆に09年の政権交代という政治現象を危機と感じた霞が関によって、ファシズム手法を持って、一層堅固な支配構造を強靭化させる方向に向かわせ、皮相的国民の醸成に加担するような悲劇的結果を齎している。

 今回の「国民連合」の集まりは、表向き、準備会の初回ということもあり、勢力によっては、取り敢えず話を聞いてみようと云う趣きもあり、バラバラ度は否めない。しかし、小沢の腹は「国民連合」(オリーブの木構想)を軸に、次期衆議院選における“選挙区区割り”等々、極めて現実的票読みが含まれており、各選挙区で“どの政党からの立候補者が優勢であり、当選確率が高いか、そして、票の食い合いが起きない選挙協力”に軸足を置いている。

 今さら、小沢一郎の国政選挙における“選挙上手”に疑問を投げかけるマスメディアや評論家もいないだろうが、憎らしいが、選挙区情報に最も長けた“日本人”が小沢一郎なのである(笑)。故に、「この立候補者なら優勢だ」がはじき出せるわけで、政治評論家連中の過去データ頼りの、大阪維新100議席以上等と云うブラフが生まれる原因になっている。橋下維新の正体が完全にバレタ(橋下徹は小泉純一郎と同じバックボーン)以上、心地よい追い風に煽られ、千路に砕け散って頂くとしようではないか。あきらかに、世界金融マフィアがバックだ。TPP参加が絶対条件と言った時点で“あれっ?”と云うことだ。

 極めて皮肉だが、橋下維新の狙いは“反既存政党”を掲げておきながら、選挙後の政権連立では“自公+維新”か“民主+維新”でと云う構想なのだ。つまり、既存政党と手に手を取り合って、市場原理主義を徹底し、強気を助け弱きを挫く日本支配を試みようとしている。糞喰らえ!まぁ、筆者が罵倒しなくても、橋下維新に集まる政治家は誘蛾灯に群れる“日本政治の毒蛾”である事は、近々詳らかになるだろう。その時、ありゃりゃ、こりゃ駄目だと云うことになる。

 小沢新党「国民の生活が第一」自身も、次期衆議院選の立候補予定者を準備している。既に最低でも可能性のある地方議員を含む100人以上の候補者を厳選している。小選挙区への立候補で全員が当選することはあり得ないが、比例区の票の掘り起こしにも繋がるだけに、200選挙区以上からの立候補者の存在が有利に働くことは、選挙制度を作ったご本人だけに周知している。期せずして起きてしまう“中小政党カオスの世界”で生き残るためには、小沢が構想したオリーブの木で、一定の協力が不可欠になる現実を、選挙が接近するに従い、多くの政党が気づくことになるだろう。筆者は日毎、この「国民連合」の存在は大きくなると推察している。

 維新に「国民連合」に参加の意志表明などされたら、おそらく混乱の火種を抱えるだけだったろう。衆議院議員半減とか、もう意味不明と云うか国家騒乱政党に近づきつつあるわけで、改革どころか、あれでは破壊のみ、子供がオモチャを分解して放り投げるような事になるだろう。民主党の菅・仙谷・前原・野田らが壊した政治だが、その比ではない。昨日「国民連合」のメカニズムが昨日早速動いた。時事が以下のように伝えている。

≪ 小沢、鈴木宗氏が協議
 新党大地・真民主の鈴木宗男代表は30日、都内の会合であいさつし、新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表と同日に次期衆院選挙への対応を協議をしたことを明らかにした。その上で「北海道1区から12区まで全部出せと小沢さんからハッパを掛けられた。小沢さんに言われた以上、考えなければいけない」と述べ、北海道内の全小選挙区での候補者擁立に意欲を示した。≫(時事通信)

 また、「生活」の比例選出衆議院議員を小選挙区へのくら替えも示唆。北海道・東日本を全面支配する強力な戦術を検討している模様だ。中々目につけどころはたしかだ。“ウロチョロ蝙蝠”のようになってしまった「みんなの党」はどうするのだろう(笑)。一時は、第三勢力とわが世の春を満喫、良い気になって反小沢を語っていた。庇を貸して完璧に橋下に母屋を乗っ取られ、第二自民党疑惑も手伝い、凋落の危機だ。正直、渡辺は半分小沢一郎の軍門に下っているのだろうが、掌返しのポーズが欲しいと云うところだろう(笑)。おそらく、小沢一郎の事だから、野田内閣不信任決議案(野党7会派)でみんなの党の渡辺を立てると云う老獪な政治手法を駆使して、面子を立てるに違いない。

 いずれにせよ、選挙が近づくに従い、有権者も“なぜ社会保障抜きの増税なのか”、“なぜ原発を推進しようとするのか”、“TPPで日本はどうなる?”と云う問題を真剣に考える時期が来るだろう。その疑問の行き着く先に、何処の政党、勢力が「正論を語っているか」気づくに違いないと筆者などは考える。その国民の疑問への受け皿政党集団が「国民連合」でなければならない。少々掴みどころに欠けるが、サイレントマジョリティー、アンチ既存政党の魂は、有権者の心の中で09年以降“生煮え”で残されている。「国民の生活が第一」そのものも、緊急政治課題3本柱に幹を接いで行けば、その政策そのものも、より明確に有権者にアピール可能となるだろう。次期衆議院選の台風の目は、もう橋下維新ではない。オリーブの木構想から生まれる「国民連合」が台風の目になる。それ以外は、維新含め既存政党に過ぎない。



間違いだらけのTPP 日本は食い物にされる (朝日新書)
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