世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

お天道さまから小沢への贈り物、“反増税・脱原発・反オスプレイ” 理も空気も追い風

2012年07月02日 | 日記
世界経済の大潮流 経済学の常識をくつがえす資本主義の大転換 (atプラス叢書)
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お天道さまから小沢
への贈り物、“反増税・脱原発・反オスプレイ” 理も空気も追い風


 読売新聞と云う異様な人物に支配された新聞社も今凋落の一途にあるのだろうが、徹底した愚民政策プロパガンダメディアの代名詞と言っても過言ではないだろう。以下の記事などは、如何にも小沢一郎が、橋下や石原と手を握りたいと言った事への返答のような記事だが、小沢側が一度たりとも、そのようなことは言っていない。まずは、クダラナイが読んでいただこう。

≪ 小沢新党との連携、石原氏・維新は否定的
 民主党の小沢一郎元代表が結成を目指す新党は、50人超の規模となる見通しだ。
 小沢氏が狙っているのは、次期衆院選で「小沢新党」と他の地域政党などが緩やかに連携する「オリーブの木」による政権獲得だが、展望は開けていない。
 小沢氏は、次期衆院選について「オリーブの木みたいな形でやればいい」と周辺に語っている。
 連携相手は当面、「新党大地・真民主」(鈴木宗男代表)や、地域政党である愛知県の「減税日本」(代表・河村たかし名古屋市長)、「日本一愛知の会」(会長・大村秀章知事)とみられる。
 さらに、石原慎太郎東京都知事を担ぎ出す「石原新党」や、関西圏を中心に国民的関心が高く、民主・自民2大政党と対抗する「第3極」の中核になる可能性がある「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)との連携にも、熱い期待を寄せている。
 小沢氏は28日にグループ議員を集めた会合で、「自分の皮膚感覚では、反増税で選挙をやれば国民の共感を得られる」と語ったという。原子力発電所 へのエネルギー依存の是非も争点に据えれば、「反増税・反原発」の政治勢力を結集できる、という読みも働いているようだ。
 しかし、維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は、小沢氏との連携に「政策など異なる点が多く、一緒になれない」と否定的だ。  石原都知事も、28日収録のラジオ「ニッポン放送」の番組で、「小沢氏の作る新党には誰も期待しない。(連携は)死んでも嫌だ」と語った。30日 には訪問先のシンガポールで、尖閣諸島購入計画を「やりかけた仕事だ」とし、石原氏は当面の新党結成を否定した。≫(読売新聞)

 既に拙コラムで何度となく書いているが、そもそも、石原に新党を創る器量などありはしない。正直、ストーカーのように縋りついてくる石原に、橋下もどのように対応して良いものか、迷っているようにさえ見える。橋下も読売とは深く繋がってはいるだろうが、石原・平沼を預けられたのでは、自由度を失うのは確実で、朝令暮改戦術が縦横無尽に行えなくなる。読売からの圧力と国政に進出する為の方向性の選択は、相当に悩ましい問題を抱えている。

 石原・平沼の両氏は、残念であるが永田町で自派閥勢力の育成に失敗した政治家と云う経歴を忘れてはならない。極論すれば、国政レベルの政治の舵取りをした事は無い、経験不足なのである。しかし、石原慎太郎の鼻息だけは荒く、一家言だけはあるので、相当うるさい(笑)。自説を曲げず、国民を愚弄し、謙虚さも殆ど見えない。このような政治家は、国政に打って出る「政党」を立ち上げるのは不向きだし、存在自体が、その動きを阻害し、育つ芽までも一緒に枯らす危険の方が大きい。橋下も松井も、その辺はおそらく承知しているだろう。

 筆者は、衆議院選挙が現実的になった時、橋下はコロリと主張を撤回し、小沢の新党との連携を臭わすだろう。少なくとも、彼の霞が関改革、大阪都構想はセットであり、その理念が嘘でなければ、民自公と云う政党と連携することは、官僚政治・支配を是認することであり、理念を捨てることである。気持は石原・平沼だが、政治的に連携して利が得られるのは小沢である。橋下が、そこで気持ちを大切にしたら、大阪市長以上の政治家にはなれないと云う事だ。小沢が、オリーブの木のような連携と言ったのは、つかず離れずで行きましょうと言う、大枠での連携と云う賢明な道筋を示したのである。

 政治の一寸先は闇というが、ここまで来ると、輿石幹事長の幹事長辞任とかのハプニングは起きそうにもないようだ(笑)。まぁ、輿石東なりの小沢一郎への礼儀作法と云うことなのだろう。それにしても、無目的に消費税賛成で、野党自民党は何を得ようとしているか、とんと見当もつかない。何も考えずに、野田同様に財務省の言いなりになっただけのようである。先ずは、意味不明、論理矛盾の塊りのような谷垣禎一の発言をみてみよう。

≪ 一体改革、協力見直しも=造反者処分でけん制-谷垣自民総裁
 自民党の谷垣禎一総裁は1日午前のNHK番組で、社会保障・税一体改革関連法案の衆院採決で造反した小沢一郎民主党元代表らの処分について「(法案の参院 審議に)影響してくる。誠実にやるか(どうか)によって、途中で駄目だなと思うこともある」と述べた。民主党の対応次第では法案への協力路線を見直すこともあり得るとの姿勢を示し、野田佳彦首相をけん制したものだ。 
 谷垣氏 は「(首相が小沢氏らと)分かれるのは必然という気持ちで見ている」と語り、除籍(除名)を含め厳しく処分するよう要求。一方、党を離れた小沢氏らが法案成立前に内閣不信任決議案を提出した場合に同調する可能性や、自民党が同決議案を提出する選択肢も「ないわけではない」とした。
 また、一体改革法案の再修正が民主党内で取り沙汰されていることに対し、「3党合意の根本思想を掘り崩すなら、ご破算になる」と表明。首相から衆院解散の確約が得られていないことに関しては「これからだ」と述べ、参院審議を通じて解散への道筋を付けたいとの考えを示した。≫(時事通信)

 谷垣自民党はどのような思惑で、野田民主の国民を愚弄するような「一体改革法案」に乗ったのか、そこが見えてこない。当初の谷垣自民党は、野田内閣を早期解散に追い込もうと躍起だったのである。その証拠ではないが、参議院で問責を連発し、政権を揺さぶっていた。ところが、野田に自民党の選挙公約でもあった消費増税10%に抱きつかれ、判断を惑わされた。言い出された時点であれば、このデフレ下では増税と減税がセットでなければ賛成し難い、と云う逃げの打ち様もあったのだが、財務省の耳打ち「小沢を政界から追放できますよ」に色気づいてしまった。

 此処からは、クーデターはお手の物の仙谷らの暗躍等々で、大島副総裁を通じ、自民党は意志決定機能をグチャグチャにされてしまった。今さら、3党合意がどれ程自分達の政権復帰の足枷になるか、今になって気づいたような言動が目立ってきた。残された唯一の獲物は「小沢排除」だけになったようなものである。故に、恥も外聞も忘れて「小沢の首を取れ!」と情けない主張をする羽目に陥った。穿った見方をすると、小沢・野田・輿石のネジレ対策の罠と云う見方さえ可能なほど、谷垣自民の抵抗力は弱っている。

 特例公債法案を人質に取っているといっても、この法案が通過しなくて困るのは、霞が関であり、延いては国民有権者である。チキンレースで負けるのは野党なのである。小沢グループの民主党追い出しにも関与できず、小沢が離党したからといって、今度は小沢がどんな動きをするかさえも関与できない。つまり、すべてが民主党及び小沢一郎の行動に合わせて、どちらを取るかと云う選択しか残されていない。到底自公野党の力量では不信任案など出せる筈もない。僅かに残された道も、小沢グループが野田不信任を衆議院に突きつけた時のみ存在感が発揮できる。今や、吠えるだけの駄犬と化している。本当に自民党は終わったようである。

 小沢一郎の離党云々の最終決断は今日にでも判明するわけだが、小沢一郎にしてみれば、お天道様からプレゼントを贈られた気分だろう。消費増税を、官僚のシンボル財務省主導で、既存政党がこぞって政治主導を放棄してくれた。空気感から行けば、民主も自民も庶民の敵だというイメージだ。その上、原発再稼働までが応援団として加わってきた。マスメディアが死に物狂いで報道するのが、政権に居座る幹部の情報であり、既存勢力の経団連、連合、55年体制下の学者評論家だ。国民の2~3割は、そもそも政党も官僚も国民の敵だと思っている。その上、増税保険料関連で8~10%の収入減になる庶民にとって、生活へのダメージは痛烈だ。

 このような空気感は、今あるものはすべてダメ、と云う噴き上がり現象を齎す。マスメディアに牛耳られていた言語情報空間ならいざ知らず、まさに時代はネット空間に占拠されつつあるのだ。勿論、彼らの投票率如何で、既存政党が逃げ切るという事もあり得る。小沢グループは解散総選挙を怖れているとマスメディアは一本調子に伝えているが、筆者は早目の解散ほど新勢力政党に有利と見ている。ただ、小沢は野田不信任など出す気はないだろう。それよりも、新党になれば、「増税の前にやるべきことがある」の幟の下、反増税・反原発・反オスプレイ沖縄米軍基地等々、闘うツールはお天道さまから贈られている。では、今夜はこの辺で、オヤスミナサイ!

資本主義以後の世界―日本は「文明の転換」を主導できるか
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