世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

財政再建からみる日本人の心の習慣と悪癖 素直な国民は狡賢いとも言う

2011年07月25日 | 日記
人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
水野 和夫
日本経済新聞出版社



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財政再建からみる日本人の心の習慣と悪癖 素直な国民は狡賢いとも言う


  今や財政赤字が900兆円に近づき、もう増税は待ったなしだ、と財務省中心の言説が “真実の如く” 語られ、マスメディアが “そうだそうだ” と囃したてる。IMFも必死で我が国の財政再建に異様なまでに介入して、日本の財務省の主張は世界共通の認識だと “権威” を見せつける。これだけでも不安が拭えない我が国財務省は、ムーディーズ等々の格付け企業にも働きかけ、国債の格下げ情報をリークする。経団連に至って、海外に出て行くぞ!と恫喝までする有様だ。  

特にIMFのここ数年のアドバイスなどは、IMFの正式コメントではない。そもそもIMFの主な業務内容は、貿易拡大の促進、為替の安定、加盟国の国際収支不均衡を是正するために資金を融資するなど、国際通貨体制の安定に努める。また、各国の経済状況をレポートする「世界経済見通し」を公表している。加盟国が出資して基金を作り、通貨危機や経済危機を 未然に防ぐためなど必要なときはそこから外貨を借りることができると云う機関だから、金を借りるどころか、大口の資金をIMFに出資している我が国に向かって “ああせい、こうせい” と口を挟む根拠はゼロなのである。

日本の腐れマスメディアがIMFで「日本は消費税上げるべし」何て議題が重要な会議で語られたように報道をしているが、本来の業務とはかけ離れた討議であり、一笑にふす情報だ。IMFには、出資額に応じて財務省は多くの財務官僚スタッフを投入しており、ワンフロア―を占拠する人数なのだそうだ。(笑)その “ジャパン・フロアー”  での"財務省による、財務省の為だけにする会議” で「日本は消費税上げるべし」が討議されただけのことだろう、バカバカしい。

しかし、我が国の国民の多くが、世界的権威のIMFにまで忠告されたのね!格づけ会社もそう見ているのね。与謝野さんも言っていたわ、新聞テレビも言っているわよねって按配で、信じこむ。我が国の国民には “権威” を信じて疑わない国民性のようなものがあるのだろう。 “誰々が言っていた” で自分の考えを正論のように装うのも、国民的特徴だし、自己の責任を回避する癖がある。この国民性を悪いと指摘する事は難しい。どちらかといえば、扱いやすい “愛する国民性” なのだから。

しかし、“この愛する国民性”が悪意のある人々に狙われたら、イチコロなのも事実だ。 この“愛する国民性”と云うものは、“権威”を利用したり、信じる習慣性があり、「難しいことは考えない」と云う思考停止な国民を育成しているとも言える。意地悪な見方をすると、“愛する国民性”は何事も風まかせであり、他人まかせ、お上まかせと云うことだろう。

良い時は調子に乗り、行けるところまで視野狭窄で猪突猛進する。風向きが変わり、世の中の具合が悪くなると、今度は亀の如く首をひっこめ、不調な風が過ぎ去るのをじっと待つ。極めて農耕民族的だ。 甲羅の中には、万が一に備えて、栄養分(貯蓄)を蓄えているので、それをチビチビ費消し、次のチャンスを待つ。或る意味で“強か”とも言えるし“ずる賢い”。なんだか圧政に苦しんでいた封建社会の農民の生き方をデジャブのように見てくる。苛烈な年貢に苦しめられても、何処からとなく米稗味噌などが口に運ばれ、糊口をしのいでいた。日本人が「貯蓄好き」なのは、案外封建制度の名残なのかもしれない。

我が国の財政赤字が900兆である事の将来的問題点を喧伝する言説は聞き飽きたが、本当に日本国の純負債総額がいくらあるのか、積立預金はないのか、国家は勿論霞が関の関係団体・独立法人等々に移動させ隠している資産がどの位なのか、その辺の論議が国民に示される事もなく、 “権威” の言説や学芸会のような “事業仕分け” を拠り所に、なんでも良いから “増税だ” と云う話に納得すること自体、悪である。

ここまで外堀を埋め、ヒステリックに歳入増を意図する政官財学マスメディアの姿勢は異様に映る。歳出と税収のバランスを欠いているのは事実だが、歳出に多大な漏れ、国家的仕組みの欠陥があると云う次元に議論が及ばないのは奇異である。15年間放置しているデフレ状態も異様の一言だ。

この「歳出に多大な漏れ、国家的仕組みの欠陥」を是正しようとしたのが小沢一郎だ。小沢の“中央から地方”の考えには、官僚制度の大改革と財務体質の抜本的改革が含まれていたと思われる。 勿論、小沢の思ったようにマクロ経済が機能するかどうかは判らない。しかし、それをさせないが為に、あれだけの国策捜査を行い、与党民主党に大混乱を起こさせた事実を観察すると、当たり前だが既得権益者にとって、そのような大改革をされては、権益のすべてが暴露され、尚且つ、それ以降の飯のタネがなくなる事を意味していたのだろう。

そういう点から考えても、マクロ経済的に成功するかどうか別にしても、既得権益者の権益が暴露されるだけでも国家にとって前進と考えることも出来る。 もともと、マクロ経済と云うもの、“あちらを立てればこちらが立たず”と云った按配の経済理論であって、大きな意味で哲学の選択の問題なのだと思う。丁度、今回の原発問題と近似している課題なのだ。GDP10%の財政赤字だとか言われるが、本来9%超えても破綻デフォルトと言われる財政赤字でも日本は生きている。通貨の信頼が揺らいでいるとは、口が裂けても言えない。どういう事なのだ?経済学者などは、嘘中の嘘・統計データをひけらかし、煙に巻こうとするのだが、根本的疑問への回答を出す奴はいない。

筆者、数日前に「小沢一郎、そろそろ記者会見を!」とコラムで訴えたが、偶然だが自由報道協会主催で7月28日(木曜日)に記者会見が行われる事となった。
≪小沢一郎衆議院議員とカレル・ヴァン・ウォルフレン氏による公開討論会、および小沢一郎衆議院議員の記者会見を行ないます。
16時〜17時が来日中のオランダ人ジャーナリスト、ウォルフレン氏と小沢一郎議員による公開討論会。 17時〜18時が会場の記者からの質問を受け付ける記者会見となる予定です。[時間]2011年7月28日(木)16時開始予定(受付15時〜)[会場]国会周辺にて調整中 ※決定後、参加希望者にお知らせいたします。[主催]自由報道協会≫

ニコニコ動画、USTREAM等々で生中継される予定だ。直近の民主党幹部による「民主党崩壊宣言」のような言い回しに、小沢がどのような考えを披露するか、石川公判への言及があるか、代表選への対応や解散、新党や如何になど、何処まで発言するか注目だ。朝日や読売の記者らも恥を忍んで、申し込んだらどうなのだ。こそこそ中継観ているものではないぞ(笑)

バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる
高橋 洋一
光文社




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