世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

北方領土、3.5島返還で名首相

2009年04月21日 | 日記
プーチン首相がこの5月11日に来日する。話は色々あるだろうが、麻生首相の狙いは北方領土問題と安定エネルギーの確保である。プーチンの狙いは、理屈抜きに日本の経済協力である。
資源立国のロシアは08年第1四半期までは原油や金属相場の暴騰によって大きく経済を潤わせた。しかし、サブプライム問題の影響で相場は暴落、株式相場の暴落も重なり、富はたったの半年で70%近く減少したと言われている。
こうなると、強権政治を続ける国民への餌が底を突く危険が現実になり始めている。恐怖政治の裏返しは恐怖の報復が待っているわけで、プーチン政権(敢えて言う)としては何とか手だてを打たないと拙い状況に追い込まれている。
その辺を、独特の臭覚で嗅ぎ取ったのか、誰かの入れ知恵か麻生首相がその気になった。
ペレストロイカ時代のゴルバチョフ首相が東ドイツ・べりリンの壁を解放した経済状態が二重写しになる。つまり、占有している北方領土もお金次第(あくまで経済協力という化粧が施される)では戻してくれるのではないのか?
短絡的だが、そういう発想は外交上否定出来ない。領土問題は一筋縄では行かないのだ。異常なほど難しいと言っている学者や役人の理屈は立派だが、結局何一つ解決どころか前進させていないのだ。
此処に、権力や名誉欲に一方ならぬ執着を持つ麻生首相が目をつけないはずがない。歴史に名を残したお祖父ちゃんに冥土で褒めて貰う為にも、ここは世間をあっと驚かし、最後っ屁と行きたいと考えても、なんら不思議はないのだ。
たしかに、領土問題は複雑な問題を内包しているので、一朝一夕でシャンシャンとは行かないのだろうが、道筋を見つけられただけでも、名首相と歴史的に呼ばれる可能性はある。逆に言えば、これ以外で麻生が名を残すとしても、それは「自民党最後の首相」「国家財政を焦土化させた男」「官僚に屈服した首相」「漢字の読めない首相」「首相の椅子にしがみついた男」等となる可能性が大いにある。
敵失で若干支持率を上げたものの、まだまだ心もとない。もっと確信のある名を残す方法はないのかと考えても不思議ではない。
さて、それでは「北方領土返還」という問題の世論調査の具合はどうなっているのだろう?
これが実はないのだ。あるにはあるが、平成20年政府内閣府の世論調査で、内容をざっと見たが世論調査には遠く及ばないものだった。
筆者自身、或いはその友人知人のレベルで聞いてみると、そういう問題があるという認識はあるのだが、だからどうという話に発展することはなかった。大手の新聞やマスコミが「北方領土問題」にスポットを当てない理由の多くは、この国民の「北方領土」への無関心があるのだろう。
興味のある人は逆に極端なくらい興味があるが、どうも相当少数派といっても良いようだ。
この「北方領土」の数々の問題を此処で披瀝しても意味がないので省略するが、60年以上、表向き一歩も進んでいない領土問題を麻生首相が「独創的で型にはまらないアプローチ」で「こっちは4島向こうは2島では、まったく進展しない」「役人に任せず、政治家が決断する以外に解決方法はない」
このような麻生首相の考えをフォローするように、谷内前外務次官が個人的考えとして3.5島返還論を口にした。(本人は言っていないと後日談)
各新聞社に「北方四島・世論調査」を是非やって貰いたいものである。麻生首相の対プーチン首相との交渉の重要なバックボーンにもなるはずである。
推測としては、3.5島返還なら択捉の半分も入るわけで、北方領土問題を見事に解決した名首相と呼ばれること間違いなしだと考える。この問題は漁業を含めた排他的経済水域の関係上、日本にとって驚くほどのメリットをもたらすのである。
ただし、ロシアが3.5島返還に前向きになる確率は極めて低いと考えている。まして「四島一括返還」を交渉で勝ち取ることは、「百年河清を待つ」という事になるような気がする







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