~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

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ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

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『河童と蛙』

2011年08月30日 | 日々徒然
この夏は中学生に、福島生まれの草野心平さんの詩をたくさん読みました。
どちらかというと、春の詩が多かったですが、
草野さんといえば「蛙」ですよね。

この詩は、大好きで、よく語っています。
河童も蛙も、面白い声でないています。
楽しそうに遊んでいます。
声に出して読むと、一緒に遊びに加われるのです。
中学生のみんなにも声に出して読んでもらいました。

私の思い出の中にも、そんな声がこだましてます。
夏は蛙の大合唱の中で育ち、
河童の遊ぶひょうたん池でよく歌ってました。




河童と蛙 草野心平



るんるん るるんぶ

るるんぶ るるん

つんつん つるんぶ

つるんぶ つるん

 

河童の皿を月すべり。

じゃぶじゃぶ水をじゃぶつかせ。

かほだけ出して。

踊ってる。

 

るんるん るるんぶ

るるんぶ るるん

つんつん つるんぶ

つるんぶ つるん

 

大河童沼のぐるりの山は。

ぐるりの山は息をのみ。

あしだの手だのふりまはし。

月もじゃぼじゃぼ沸いてゐる。

 

るんるん るるんぶ

るるんぶ るるん

つんつん つるんぶ

つるんぶ つるん

 

立った。立った。水の上。

河童がいきなりぶるるっとたち。

天のあたりをねめまはし。

それから。そのまま。

 

るんるん るるんぶ

るるんぶ るるん

つんつん つるんぶ

つるんぶ つるん

 

もうその唄もきこえない。

沼の底から泡がいくつかあがってきた。

兎と杵の休火山などもはっきり映し。

月だけひとり。

動かない。

 

ぐぶうと一と声。

蛙がないた。



八月が終わろうとしています。
この詩も、来夏、またね。

でも、心はいつも、


るんるん るるんぶ

るるんぶ るるん

つんつん つるんぶ

つるんぶ つるん

楽しくないていたいな


やえ