緑のカーテンとゴルわんこ

愛犬ラム(ゴールデンレトリバー)との日々のあれこれと自然や植物、
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「なぜ君は総理大臣になれないのか」バリアフリー上映会

2020年08月03日 | 映画

8月1日土曜日に、「なぜ君は総理大臣になれないのか」というドキュメンタリー映画をオンライン上映で見ました。

日本語字幕付きのバリアフリー上映会ということで、知り合いの聞こえない人から開催をお知らせいただきました。

有料のオンライン上映映画を見るのは初めての体験です。

午後7時から上映開始とありましたが、早くにセッティングして大型テレビ画面から見られるようにしました。

家族の夕飯の用意もあるので、早めにご飯を炊き6時過ぎには食事を終えて、洗い物も済ませて、さあー映画の始まりです。

チケットはクレジット決済で早めに済ませて、テレビの前に陣取りました。

ラインをつないだパソコン画面から、テレビ画面に映し出されるまですこしどきどき、ちゃんと見られるかしら?

黒い画面が出て、「間もなく始まりますのでしばらくお待ちください」と表示されて、大丈夫そうだと安心しました。

7時少し過ぎに映画が始まり、リビングの照明も消して我が家映画館の始まりです。

 

「なぜ君は総理大臣になれないのか」、素晴らしい映画でした。今、このコロナ禍の日本で、混迷を極める社会状況の中で、真に見るべき映画であり、まさに同時代的に今こそ見るべき映画だと思いました。

四国の香川県1区という選挙区から2003年に官僚をやめ出馬した32歳の青年、小川淳也氏を17年の長きにわたり、カメラを回し続け、優れたドキュメンタリー映画として完成させた大島新監督にも、拍手を送りたいと思いました。

私は政治に特に詳しいわけではなく、選挙の仕組みなどにも特に関心があるわけではありません。しかし、自分たちの生活が政治を抜きには語れないものであることは、今回のコロナウイルスをめぐるさまざまな騒動を見ていてもよくわかります。

ここ最近の選挙では、1票を入れたい人がいない、✖マークが付けられるなら投票に行く楽しみもあるのにと、ぶつぶつ文句を言いながら選挙に行っている程度の人間です。

しかし、この「なぜ君」を見た時に、私の1票を大事にしてきちんと使わなければいけないと改めて思わされました。

 

大島新監督が、この青臭い書生のような政治家、小川淳也をカメラでとらえ始めるきっかけは、新監督の奥さんが小川淳也と同級生だったからだそうです。「こんど、東大を出て総務省の官僚になっていた同級生が地元香川から選挙に出る」という話を聞き、カメラをもって取材(そこまでもいってなかった)に行ったのが始まりだそうです。

母親は地元で美容院をしている美容師さん、父親も政治とは何の関係もない家庭に育った青年が、なぜ政治家を志したか? 地盤、看板、カバン(財力)、何もない上に立候補する選挙区には、四国放送、四国新聞をバックにする自民党の公認候補がいる。不利、無理、無茶だと誰が見ても思います。結婚して、小さいお子さんがいる小川氏をエリートコースを投げうってまで立候補に突き動かしたのは、このままではいけない、将来のことを考えたら政治家になり、世の中を変えていかねばならないという強い使命感だったとのことでした。

民主党から立候補した第一回の選挙では落選、2005年の選挙ではじめて比例代表で辛くも国会議員になれましたが、それからの歩みも一筋縄ではいかない悪戦苦闘の日々でした。その間、大島新監督は回しているフィルムがどういう形で日の目を見るかわからないまま、ずっと小川氏を追い続けます。

今は安倍政権べったり、政権よりの政治評論家として知られる田崎史郎氏が思わぬ形で登場してきます。国政に参加してきた小川氏を気骨のある青年とみたのか、年になんどか酒席を共にするようになり、そこに大島新監督も同席し、お互いの思いを語りあうようになっていったのです。

思わぬ形で早々と実現してしまった民主党政権、その後の混乱、小泉純一郎劇場選挙、長期の安倍政権、小池百合子の登場と前原誠司すっぽかし選挙、小川氏の混迷ぶりは痛々しいほどです。

家族からも、政治家は向いてないのではないの、返してくれるなら早く息子を、早く夫を返してほしいと本音で語る母親や妻、選挙の度にお父さんもお母さんもいなくなり涙に暮れていた二人の娘も成長して、2017年の選挙では「娘です」というタスキをかけて、父親を応援するまでになります。それでも選挙には勝てない。四国放送、四国新聞のネガティブキャンペーンに悔しい思いをし、僅差まで対立候補を追い詰めても落選してしまいます。

その対立候補、自民党公認の平井卓也氏は、なんとこの前の検察庁法改正案の国会審議中に「ワニ動画」を視聴していたと話題になった人だそうです。うーん、悔しいね、小川氏を勝たせてあげたかったねと、香川県民でもないのに思っています。

国会議員になっても、地元選出の議員と比例代表で当選した議員では、存在感、発言力が全然違うそうです。またまた比例代表(希望の党)で国会に戻ってきた小川淳也議員は、これからもまだまだ悪戦苦闘しつつその政治活動を続けていくのでしょうか? 

32歳で立候補してから13年の時が流れ、5期目の政治家となった彼がどう育っていくのか、私は目が離せなくなりました。苦渋の選択ばかりのこの歳月、まだ政治家としては若いともいえる小川氏が、老成し強かな清濁あわせ呑むような打たれ強い政治家になるとは思えません。

でも、でも、ひょっとしたらなにかが変わるかもしれない、このコロナ禍でもたくさんの観客を集め、水がしみわたるように広がりを見せているこの映画の上映状況を見ていると、「風の谷のナウシカ」の大ババ様が予言したような、腐海に閉じ込められた世界を救う「その者、青き衣をまといて」となって登場してくれるかもしれません。

そんな希望を持ちたいと思わせてくれる映画でした。そして、「アベノマスク」だ、「go  to  キャンペーン」だと今の政治を馬鹿にして笑っている私自身にも向けられた刃を秘めているような、優れたドキュメンタリー映画でした。

大島新監督、スタッフの皆さん、またこのバリアフリー上映会を企画実行してくれた関係者の方々、ありがとうございました。コロナウイルスのハイリスク対象者である高齢者の私には、この機会がなければまだまだこの映画に接することはできなかったと思います。過去の優れた日本映画のドキュメンタリーの歴史に、見事に屹立した素晴らしい作品でした。

 

 

 

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