2023年12月18日神田沙也加ちゃんが突然旅立って二年、哀悼の意を込めて。
(2016年6月発行omoshii mag vol.5ミュージカル特集より)
「完全版『1789-バスティーユの恋人たち-』初日前会見
司会:初日に向けて、稽古場の稽古を経て、4月5日から舞台稽古も始まりましたけれども、手ごたえや意気込みを改めて聞かせていただければと思います。まず、小池徹平さんからお願いいたします。
小池:今回ダブルキャストで加藤(和樹)くんと一緒にロナンをやらせていただいております。一昨日くらいかな、劇場に入って、ようやく三日目ぐらいにして、劇場の雰囲気に慣れてきまして、いま、ずっと毎日、舞台稽古で大変な日々を過ごしているんですけれども・・・。衣装着て動くっていうのを稽古場でやってなかったので、着るとより気持ちは入りますが、その分結構、動きの制限とかが、いろいろ出てきたりして、試行錯誤しながら頑張ってます。もうすぐ、本番が近いので、いよいよ身の引き締まる思いで、毎日、頑張っております。よろしくお願いします。
司会;では、続いて加藤和樹さんお願いします。
加藤:はい、小池徹平くんとダブルキャストでロナン役をやらせていただきます、加藤和樹です。稽古場を経て(ということ)なんですけれども、稽古場でできることは、まあすべてやれたかなと思います。それで舞台稽古に入って、やはり舞台セットに立ってみないとわからないこともたくさんあって。小池先生をはじめ、スタッフさんと息を合わせながら、一つ一つ丁寧に確認しながら、とにかく動きやダンスナンバーがやはり多いので、特にけがにはみんな気をつけて慎重にやっています。で、僕もダブルキャストなので、客席で観る機会があるんですけれども、思った以上にやっぱり派手だし華やかだし、これがすべて一つにつながったときどうなるかというのは僕自身も楽しみです。間違いなく革命的な作品になるのではないかという実感はあります。
司会:では続いて神田沙也加さん、お願いいたします。
神田;はい。夢咲ねねさんとダブルキャストでオランプ役を演じさせていただいております、神田沙也加と申します。稽古はですね、いつかご一緒したいと思っていた演出家の先生でいらしたので、ご一緒できたことがすごくうれしく、日々勉強させていただきました。そして、キャストも、同世代が多い現場でありましたので、すごく楽しく、毎日みんなで試行錯誤しながらやっていました。劇場に入ってからは、私、帝国劇場が大好きなので、毎日劇場入りするたびに身が引き締まる思いでやらせていただいております。舞台稽古を観ていても、今も見ていただいているとおり、皆さんの衣装もすごく華やかだし、舞台のセットや照明なんかもすごく見応えがあり、曲も素晴らしいので、目にも耳にも楽しんでいただけるかなと思っております。本番を楽しみにしていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
司会:では次、夢咲ねねさん、お願いします。
夢咲:はい。神田沙也加ちゃんとダブルキャストをさせていただいています、夢咲ねねです。私自身、帝国劇場が初めてなので、ずっと憧れていた帝国劇場でこうやって舞台稽古が始まって、いよいよ(本番が)始まるんだな、と身の引き締まる思いと、舞台稽古を自分(の出番)ではないときに観ていて、やはりすごく豪華で、この作品に出られるのは本当に幸せだなと思っております。一生懸命頑張りたいなと思いますので、よろしくお願いします。
司会:花總まりさん、お願いします。
花總:はい、鳳稀さんとダブルキャストでマリー・アントワネット役をやらせていただきます、花總まりです。アントワネットこそ、普段のお稽古時とは全然雰囲気が変わりますので、これでやっとアントワネットに近づけるかなという気持ちでいっぱいです。近年にない迫力のある作品になると思いますので、一生懸命頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。
司会:では、鳳稀かなめさん、お願いします。
鳳稀:はい、花總まりさんとマリー・アントワネット役をさせていただきます、鳳稀かなめでございます。お稽古当初は、どちらかというと小池さんや加藤さん寄りだった私ではございましたが・・・。
全員:(笑)。
鳳稀:少しは女性らしくなれたんじゃないかと思います。舞台に来て、こうやって大きな衣装も着せていただいて、まだまだ勉強の日々でございますが、私らしく精一杯頑張って参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
司会:ありがとうございます。最初に小池徹平さんにお伺いしますが、先ほどのご挨拶の中でも、帝劇に舞台稽古で初めて立ってみて、というお話がありましたが、今回初出演で初主演ということで、帝劇の舞台に実際立たれてみていかがですか。
小池:あー、そうですね、まだお客さんが入った状態ではないので、わからないですけど、なんかこう、この建物の中にいるっていうだけでもすごく、少しずつ実感がわいてきて。エレベーター移動が、なんか多いんで、「全然来ないな」っていう時があって。そうですよね?
全員:(笑)。
小池:で、階段を使ったりとか、そうやってるのが、結構楽しいなあと思ったりとかして。
神田:そうかな(笑)。
小池:大変なんだけど、そこを楽しいと思っちゃう。初めてなんで。
神田:そう(笑)、素晴らしい(笑)。
全員:(笑)。
小池:そういうとこも含めて、裏も表も舞台の上でも(笑)、楽しくやれてます。はい。
司会:加藤和樹さんは、2014年の『レディ・ベス』以来で、帝劇にご出演されるのは小池さんより先輩ですけれども、いかがですか。
加藤:そうですね、ちょうど2年前の今ぐらいですね。同じく『レディ・ベス』の舞台稽古の最中ではなかったかなと思います。二度目とはいえ、今回恐れ多くも主演という形ですので、やはり新たな気持ちで。ほんとに素晴らしいキャスト、スタッフに囲まれながらやれてるという感覚があるので、身も心も預けるというか、肩の力を抜いてできるのではないかなあと思っております。帝国劇場に初めて立ったときは、「帝劇には魔物がすんでる」と言われて踏んだ舞台だったので、今回は初日から、面と向かってぶつかっていけるんじゃないかと思います。
司会:今回この「1789」という作品で、ロナンと革命家の民衆・革命家グループと、マリー・アントワネットらの王族・貴族という形で、二つの世界が描かれていますが、オランプ役のお二人は、その世界を行き来する数少ない役柄だと思います。そのあたりいかがでしょう。
神田:まず、王室の場面に変わったときに、観ていらっしゃる観客の方々も華やかさにすごくびっくりすると思います。装置も、私たちも実際シュミレーションしてびっくりしたような装置だったりするので、そこでまず、住んでいる環境が全然違うっていうのが、視覚的に説明されているということ。あとはやっぱり、さっき花總さんもおっしゃっていましたが、今回、ダンスもアクロバットもワイルドで野性味あふれる感じがすごくて、(それを)農民のみんな、平民のみんなやったりして、そういう勢いというか熱いエネルギーっていうのが(平民側にはあって、王室とは)また違う。王室と(平民とを)比べると、静と動のエネルギーがある。その両方を行き来できるのは、オランプとしてもすごく刺激的な日々であって、だからこそ全然自分と180度違うロナンに惹かれたのかなっていうことを、すごくお芝居で経験していますね。
司会:夢咲さんはいかがでしょうか。
夢咲:はい。えっと、私自身、平民なので、なんか、あの・・・。
小池:え?(笑)
全員:(笑)
小池:ごめんなさい(笑)
夢咲:そ、そうなんです(笑)、ですから、平民の場面になると、なんかちょっと、ダンスも情熱的というか、熱いので、すごく心がうずくというか、「あー私もでたい」ってなるんですけど、でも王族は王族で、ほんとに憧れの場所なので、ドレスもセットも豪華で、その場所にいられるのがすごく幸せなと思います。
司会:ありがとうございます。お話にも出た、素敵なお衣装もこの舞台の見どころの一つで、その代表格がマリー・アントワネットだと思います。お二人は宝塚歌劇団で『ベルサイユのばら』にもご出演なさっていましたが、マリー・アントワネットへの改めての印象や、衣装を着られてみていかがですか。
花總:少し、いえ、少しどころか贅沢をしすぎましたが、当時のファッションリーダーでもあったマリー・アントワネットの、これでもかっていう素敵なお衣装はほんとにたくさん着せていただいているので、ぜひそこをお客様にも楽しんでいただけたらいいなと思いますし、個人的にはマリー・アントワネットの登場シーンを、ぜひ楽しみにしていただきたいと思っております。
全員:(激しくうなずく)
花總:宝塚のときとはほんとに全然違うので、宝塚は歴史ある『ベルサイユのばら』という作品に出る、という感じでしたが、今回はフレンチ・ミュージカル『1789』の中のマリー・アントワネット像というのを、小池先生と一緒に作り上げていってる最中です。(『ベルサイユのばら』とは)全然違う感じになっておりますので、ぜひその点も観ていただけたらと思います。
鳳稀:花總さんが言った通り、登場シーンが、見どころだと思います。
全員:(再びうなずく)
鳳稀:あと、衣装ももうほんとに素敵なので、そこも観ていただきないなと思います。宝塚の『ベルサイユのばら』は、私も何度か出させてもらったんですけれども、どちらかというと宝塚は、ほんとにアニメとか漫画の世界で、夢の世界を画いているんですけれども、今回の『1789』のほうは現実的なイメージがとても強いので。今回は民衆側のお芝居がメインになっているので、その中で対比としてマリーはどういう風にやっていけばいいのか。ある意味、今回すごく悩んだところなんですけれども、彼女の、母として、国母として、そういう大きい心を表現できたらいいなと思っております。
司会:最後にロナン役のお二人に一言ずつ締めのご挨拶をいただけたらと思います。
小池:先ほど皆様も言われたような素晴らしい部分を含め、今回この3組のダブルキャストがいて、全部で8通りですかね、いろんな『1789』が楽しめる。ほんとに素敵な舞台に仕上がっていると思いますので、ぜひ、皆さん劇場に観にきてほしいと思います。よろしくお願いします。
加藤:いま、徹平くんが言ったように、組み合わせが違って、通し稽古も何回かやらせていただいて(いると)、やっぱり観てる側としても、キャストが変わるだけで全然雰囲気が変わるんですね。そして、本番の衣装に身を包んで、お客さんの前に現われたときに、そのぱっという華やかさと、その楽曲と、衣装や舞台セットに目を奪われていただき、心を奪われていただけるような、そんな作品になると確信しています。ですので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
司会:ありがとうございます。ではこれをもちまして、『1789』初日前会見は終了とさせていただきます。ありがとうございました。
全員:ありがとうございました。」