たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』-キキちゃんのカフェブレイク(2)

2021年09月25日 15時47分58秒 | 宝塚
宙組『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』-キキちゃんのカフェブレイク
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/b4f853af7dcdc1784191ef6e9d51956b

宙組『シャーロック・ホームズ』『デリシュー』-シャーロッキアンが語る宙組ホームズ
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/a49c479f7ff761d2696ac41a3c050798


 宙組ホームズ、原作ファンのみなさまのおかげで正典からの小ネタ満載だということがよくわかりました。「The Game Is Afoot!-さあ獲物が飛び出してくるぞ!」と歌われるたびに痺れまくっているというお話。ホームズに助けられた夫人たちもそれぞれ正典に元ネタがあるとのことでものすごく細かい。知れば知るほど深くて、グルーズの絵だけでも追いはじめると興味が尽きそうにありません。「ル・サンク」を購入して確認したダベル大学のモリアーティ教授の部屋。「割れた水瓶」の少女の絵はありませんね。ルーヴル美術館にまで手を出すことはできなかったか。
 
2015年『ルーヴル美術館展』_「割れた水瓶」
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/5631019c46fdf00cb6f1a05dd8f1d71d

ジャン=バディスト・グルーズ《割れた水瓶》
1771年、油彩/カンヴァス 109×87㎝
パリ、ルーヴル美術館 絵画部門



 ホームズとモリアーティがフェルゼンとマリー・アントワネットに変身するという楽しみは宝塚ならでは。これでひとつの物語。

『デリシュー』、

 今のことばで言えば”映える”ショー。

 幕開きにイチゴのアイスクリームをもって登場、いちばん解けたアイスを前にしてほしいという野口先生からのリクエスト。いちばんすきなのはペンライトで客席と踊れること。心が温まる。

 王妃のお茶会、最初香盤をみたときは驚いた。コメディ場面、タカラジェンヌはコメディになると急にやる気だしてくる、毎日みんないろんなことをしてくれるので楽しい。フェルゼンは煌びやかな素敵なアイスを持って出てきてくださるので我慢できなくて脱いじゃう。銀橋にいらっしゃるのがすごい、はぁーってなります、みなさん振り切ってていいですねと中井美穂さん。女官たちもここぞとばかりに頭にいろんなものをつけてくるので楽しい。

 中詰めのラテン、オラオラ系、ザ男役を楽しんでいる。ポンポンが急にギャップがあって好きな場面の一つ。

 キャンディーケーン、映画「巴里のアメリカ人」がテーマ。ポップにアメリカンな明るさを出していきたい。ここはダンスシーンとして群舞の魅力を届けたい。

 フィナーレ、黒燕尾で男役同士のタンゴ、真風さんが歌っているシャンソンの内容が別れてしまった恋人への想い、別れてしまった恋人がわたしという設定。わたしは真風さんに見えている幻想の元恋人。タンゴなのでたたかいでもあり、緊張感をもってやっている。

 

 色紙に書いたモリアーティからイメージする言葉は「支配」。この公演中にモリアーティは世界を支配することができるのか、できないのか。

第5場地下武器工場「ル・サンク」より

モリアーティ「知っているか 人間の本質を
       思想 宗教 人種 肌の色
       自分と違う者を拒み 恐れ
       憎み合い 争い合う
       それが人間の本質なのだ」

モリアーティ+幹部四人「互いを憎む 者同士の手に
           武器を持たせ 向き合わせれば
           どちらかが死ぬまで 勝手に
           殺し合い 朽ちてゆく
           それこそ人間の本性なのだ」

 この時のキキちゃんの反り具合、体幹どうなっているのでしょうね。歌詞がリアルに今世界で起こっていることの本質をついているようにきこえて痺れます。

 

モリアーティ「醜く 歪んだ この世界で
       私が罪を支配する
       恐怖で人を支配する
       私は新世界の救世主(メシア)になる」

 明日、厳しかった夏の終わりを告げるかのように千穐楽、さみしいですが無事に迎えられますようにと祈ります。 

 






この記事についてブログを書く
« 正解がわからないのはおそろしい | トップ | 『アプローズ』~夢十夜~-20... »

宝塚」カテゴリの最新記事